新入生が入る時期、う~ん今年の新入生の中にもやっぱりいるねー
「先輩がこの学院の現トップだと聞いた。オレは今年入学のーー家のガルバシル。いきなりだが先輩、トップ交代の挑戦を受けて貰おうか」
早速学院のトップに挑戦しようとしてる新入生が居る。去年もその前も居たんだよねー。現在トップが一年の時にトップになった時から毎年続く恒例行儀。新入生のトップへの下克上バトル。
普通なら一年でトップなんて無理だけど…今挑戦されてる私達の代の現トップが一年で、トップになってその常識を打ち破った実績かあるから。それで自分も出来るって強さ自慢の(脳筋)悪魔が毎年トップに挑むんだよね。
そんな挑戦をされたトップはと言うと無反応、たぶん面倒としか思ってない。挑戦を突きつけたガルなんとか君、困った顔をしてる。
「……オレがこの学院に入ったからにはトップの世代交代してもらうぜ!」
て、言いながら目がキョドってる。たぶん相手を間違えたかもとか考えてるね。トップの見た目が見た目だから仕方ないよね。なんと一年入学の挑戦者より頭一つ分小さい。入学してから全く成長してないから、
「……」
「………」
お互い無言で見てる。いや何か反応してあげなきゃ可愛そうだよ!?
「…あの人違いとかじゃないですよね?」
あ、周りに助けを求めた。間違いないぞと野次馬から声が帰ってきた。
「よし!間違えてないんだな!先輩!挑戦を受けて貰おうか!」
トップが溜め息吐いて仕方なさそうに反応した。
「トップが欲しいなら挑戦受けなくてもトップはあげる。平和主義で戦い何て嫌いだから……危険度トップなんていらんし(ボソ)」
うーん本当に要らないと思ってるんだよね。けど当然だけど相手が納得する訳がない。むしろ火に油を注いでるね。
「は、はぁ!戦いたくない!!平和主義だと!?それでも悪魔か!」
「少年、悪魔だからって戦い好きと限らない」
プッ!相手の方がどう考えても見た目が年上だから可笑しくて笑えた。ガルなんとか君真っ赤になってる。
「っ~~もうトップだろうがそうじゃ無かろうが関係ない!そんな腐った台詞を言うヤツはこの場でぶった押して学院から追い出してやる!!」
あートップと違うと判断したんだ。まぁ悪魔の学院のトップが、戦い嫌いとか口では弱気なことばかり言って、見掛けは小さくてか弱い女の子だしね~。
周りの視線は大体二つ。
見た目的に現トップを侮ってる視線と……挑戦者を憐れんだりバカにしてる視線。
前者は新入生、後者が在校生。見覚えのある子がいた。去年同じ様に挑戦してエライ目に遭った子だ。酷い挑発してもう少しで下のモノが再起不能にされ掛けた子だから覚えてる。……なんで羨ましそうな視線向けてるのかな?
「くらえ!!」
あ、始まった。殴って倒そうとして簡単に避けられてる。蹴りも含めて何度も攻撃しても簡単に避けられる。息を切らし始めた。
「はぁ、はぁ、なら!これはどうだ!!」
素手がダメなら魔力の範囲攻撃。
パターンだよね。
「へぇー流石に挑戦するだけあって中々」
感じる魔力はだけど、辛口に言えば溜めが長いとか隙が有りすぎとか欠点は山ほど有るね。なにより一番の欠点は情報を収集してない事かな。
毎回思うけど…なんであの程度で勝てると思ったのかな。新入生の挑戦者の実力は相当に甘く見ても上級クラス。上級クラスは学院では結構いるよ。その上級の最上級クラスも居る。そしてその最上級が束に成っても手加減抜きなら勝てないサーゼクスちゃんが居て、そのサーゼクスちゃんがトップ相手に戦いを挑んでも……キズすらつけられてない。
「攻撃が消えた!?」
一通り攻撃させたし反撃するかな?
あの子はヤっちゃったね。トップが了承してないのに攻撃したから対応が厳しくなるよ。トップのあの娘は複数とか不意打ちとか大嫌いだからねー。……後者は自分も良くしてるんだけどね。
「う、嘘だろ」
泣きそうになってる。まぁ自信の一撃が簡単に消されて哀しい気持ちは私もわかるわかるよ。アレ本当にメンタルに来るのよね。
本当に酷いよね現学院のトップのアリシアス・ベリアル。私の友達のアリスちゃん。
「セラフォルーちゃん?」
うわ、アリスちゃんに見付かった。
アリスちゃんまだ終わってないからダメだよ。そんな明から様な余所見とか相手が傷付くから止めなよ。ほら挑戦者なんて無駄に自分の実力に自信があるのだし。
こら!余所見だけじゃなくて来ようとしたらダメだよ!
「ど、どこに行くんだ!!まだ終わってないだろ!!」
そんな面倒臭そうな目で見たらダメだって。
「俺を倒してぇぇえ…!?」
ゲシッ!!て音がしてガルなんとか君が台詞の途中で消えた。まぁ消えた訳じゃなくて打ち上げられて空に飛んだんだけどね。
ドサッ
野次馬越えてた所の地面に落ちてピクピクと痙攣してる。お腹抑えてる。結構な威力でお腹蹴られたんだから仕方ない。
「「「え!?」」」
「「「……あーー」」」
驚く新入生、まぁそうだよなって感じの在校生。それと酷い被害を期待して見ててガッカリしてる変態も居るね。
去年の挑戦者の子、あの痙攣した今年の挑戦者に向ける羨ましそうな視線…やっぱりそっちの性癖になったんだ。うう、毎年増えてく変態見るのもういやだよぉ。家のクラスの変態兄妹とかも合流してSM派閥が出来てるって噂もあるんだよぉ。…従姉妹の娘とかも新しい扉開いちゃって……。
そんな変態が増える学院事情を考えてると、トコトコ歩いてきたアリスちゃんが抱き着いてきた。
「また不良に絡まれた。セラフォルーちゃん怖かったから慰めて欲しい」
胸に顔を押し付けてそんな事をいうアリスちゃん。
「アリスちゃん、絶対に怖くなかったよね?」
たんに抱き付きたかっただけだよね。まぁ嘘と判っても頭撫でてあげるんだけどね!アリスちゃん小さくて可愛いから。
「そう言えばアリスちゃん、今回は随分と無事に終わらせたね」
新入生が驚いてるねー。
お腹を押さえて悶絶してるガルなんとかを見て何か言いたげ。うん、言いたいことは察せられるけど、ホントそれでも優しい対応なんだよ?
「顔とか潰して鼻血まみれにするぐらいすると思ったよ。初日のサーゼクスちゃんみたいに」
「彼は悪魔にしては珍しくブサ、モテそうにない見た目だから、流石に顔は……」
あー此処で聞かなきゃ良かったね!。
実力自信が有って学院トップに挑戦したのに一蹴されて負ける。そのトップにブサイク、もといモテそうにないから手加減したと言われる。ガルなんたら君に聞こえて無いよね?ギリギリ聞こえそうな位置だけど。
あー呻き声に泣き声が混ざってる。
で、そんな一人の新入生の心を折ったアリスちゃん、何時まで抱きついてるの?泣き声とか反応してあげようよ。……まぁ慰めたら慰めたで結構な確率でアリスちゃんの慰めの言葉で傷口が抉れるんだけどね。
「…また今年もセラフォルーちゃんの胸が大きくなってる」
流石にちょっと恥ずかしいよー?
「もう!アリスちゃんのエッチ!そんなビックリした顔をしないでよ。女の子はこの年だと胸が大きくなるのは普通だか……あ、ゴメン」
「……なんで謝るの?」
「あ、あーそうだ!サーゼクスちゃんは今年も恒例のアレを頼んでるよ!」
イヤそうな顔をしてる。
「ほらアレを新入生に見せれば挑戦者居なくなるんだから、そんなイヤそうな顔をしないでやろう」
イヤそうな顔をしてるけどやるよね。
サーゼクスちゃん対アリスちゃんによる学院の頂上対決。
場所はサーゼクスちゃんの修行の被害が酷すぎて、専用の闘技場みたいになってる荒野。元々は此処に高い山々があったとか信じられないよね。サーゼクスちゃんが打倒アリスちゃんに燃えた結果。
「アリス、今日こそ勝たせて貰うよ」
毎年毎年あるアリスちゃんに向けたゼークスちゃんの台詞。新入生や在校生ワタシやアジュカ、ギャラリー含めて安全の為に、だいぶ遠くからアリスちゃんが考案したモニター越しに観戦、近くだとホント危ないからね。
「なぁセラフォルー、サーゼクスの髪が異様に短くないか?」
「前の対決は見てなかったんだっけ?サーゼクスちゃん対戦で負けた罰ゲームに髪の毛根本から剃られたんだよ」
「え、そうなことされたのか!?前は…丸刈りの前はモヒカンだろ。アリスはサーゼクスの髪になにか恨みでも有るのか?」
「髪の毛の前は眉毛剃りだっけ、それでも挑戦ってサーゼクスちゃんってメンタル強いよね」
アリスちゃんは極度のドMって認識してるけど負けず嫌いだからだよね?
「まぁ……部屋に引き籠ったりするけどな」
あー……休んでる時が有るのは知ってるけど引きこもってたんだ。
そろそろ始まるかな。
「うーんモニター越しだと安全だけど出来たら直に観戦したいよね」
「観戦に命を掛ける気かよ。俺は絶対にゴメンだな。サーゼクスの全開の時なんて死んでも近づきたくない」
死にたくないから死んでもって可笑しくない?
「と、始まったみたいだ」
「おお!サーゼクスちゃんまた速くなってる!時々動きを見逃しちゃうよ!……けど相変わらずアリスちゃんにかわされてるね」
「サーゼクスの奴アリスに遠距離攻撃が効かないからって、最近は格闘戦ばっかだな。凝縮した滅びの魔力纏わせた格闘攻撃とか相手したくないな~……アリスは簡単にかわしてるけどな」
サーゼクスちゃんのは特別濃い滅びの魔力に当たれば、此方のガードも攻撃も消えちゃう……そんな攻撃でも防御でも理不尽な滅びの魔力を全身に纏う時はもう反則だよ
滅びの魔力を纏った状態だと攻撃が通らない、素の格闘能力も強いし、私だったらとにかく距離を空けて魔力が使えなくなるまで持久戦を仕掛けるしか手がないよ。私だったらと言うか誰でも、それこそ魔王さまでも同じ対処法しか無いと思うな~。
「……滅びの魔力を全く無視して、ついでに体格差も無視で格闘で圧倒するアリスちゃんは可笑しいよね」
滅びの魔力に当たってもアリスちゃん無傷、滅びの魔力にアリスちゃんの攻撃が当たっても減退するだけで消えない。うん、ものすごーく恐ろしい筈の全力サーゼクスちゃんが全く強くないみたいに見える不具合。
「有れって力量差で無効化か?アリシアスの能力か?どっちにしても悪魔としてバグったサーゼクスの力を無効化って」
「やっぱり能力かな?アリスちゃん能力隠してる感じだし…あ、顔面パンチされた」
アリスちゃん何時もサーゼクスちゃんの顔面狙うよね。顔を狙うときによくいうイケメン死すべし
まぁ本気で攻撃してないよね。
アリスちゃんの家に遊びに行った時の食事が竜で、その竜ってアリスちゃんが硬い鱗とかバリバリって捲ったり素手で解体してたもん。サーゼクスちゃんでもドラゴンの皮膚よりは防御力は無いよね。
「あーまた鼻血まみれになってるな。この場面だけ見るとサーゼクスが弱く見えるな」
「そうだねー……見えるだけだけどね~」
「あの規格外の中の規格外を除いたらサーゼクスは断トツに最強だからなぁ。と言ってもアリシアスみたいな外見詐欺でも無ければ、本気で弱いなんて勘違いさせる事もないか」
「え?…あー去年はアジュカだいぶ休んでたから知らないんだっけ」
「なにをだ」
「去年の新入生でね。サーゼクスちゃんが弱いってバカにした悪魔が居たんだよ」
「は?まさかこの対戦みたいなのでアリシアスに負けたの見てか?アホだなソイツ。サーゼクスはそのバカをどうしたんだ。」
「面白い事にね。その後の授業で学年別の対戦があって、サーゼクスちゃんの対戦相手が偶然にもそのバカだったの」
「へぇ偶然にね」
「そうそう偶然、サーゼクスちゃんがその日に先生に何か言ってたけど偶然だよねー」
「で、結果は?」
「デコピン一発で伸されてたよ。その後は『あぁすまない。君は強いんだろうと思って手加減を抜きすぎたよ』ってサーゼクスちゃんがアリスちゃんばりに心の傷を抉ってたね。」
サーゼクスちゃん良い笑顔だったよ。
「サーゼクス……そんな風にキレるんだな」
「サーゼクスちゃんが弱いとか言う悪魔なんて初めて見たしレアな光景見れたよ」
「レアと言われると見たかったな。……俺も見たいが、虫以下の知恵の悪魔なんて早々に現れないよな』
サーゼクスちゃん弱いって言った悪魔は虫以下の知恵って意味だね。
「其れにしても、サーゼクスちゃんってアリスちゃんと戦う時はボコボコにされるのに生き生きしてるよね」
「全力を出してるからだろうな。まぁ……他に出せる相手も居ないから…」
悲しそうな声。
「うーん友達としては全力を出させて上げたいけど、サーゼクスちゃんに次ぐ実力者とか言われてる私達でも、滅びの魔力全開されると死ぬからね」
力の大きさもそうだけど本人がコントロール出来てないし。
「試しに手加減抜きと頼んだら死にかけた」
え、そんなことしてたの。
まぁ友達なら危険でもって事かな。気持ちは判るけど、けど、私はちょっと無理かなぁ。
相手がアリスちゃんだもん。
手加減ありでようやく互角のサーゼクスちゃん、そんなサーゼクスちゃんもアリスちゃんには勝てて無い。オマケにアリスちゃんは全力をまだまだ出してない感じ。……アリスちゃんが戦闘嫌いなのは同格な相手が居ないからなのかな。それかーー……サーゼクスちゃんのせいかな?
アリスちゃんに頻繁に挑むサーゼクスちゃん。
その回数なんと!
もうすぐ三桁になるぐらい。
勝敗はいつも同じ
サーゼクスちゃん何時もアリスちゃんと戦う時は心底楽しそうな笑顔。鼻血まみれに良くされるのに、よく泣かされるのに。めげずに笑顔でアリスちゃんに何度も挑む。アリスちゃんの立場になって考えるとちょっと…あれかなーー。気持ち悪いかも。
「あ、アリスちゃん『ジュウ』を出した」
アリスちゃんが特注で造った武器。
ジュウは弾を発射する武器。
魔力を媒介に弾を発射してるみたいで、魔力を込める量で威力は上下するそう。試しに私も使わせて貰ったことあるけど宝石並みに硬い魔獣が穴だらけになったよ。私以上に力があるアリスちゃんが使ったら…うん。
弾の速さは音より速いし連射されると避けるのは無理、あと弾を特注して毒とか痺れ薬と入った弾だとさらに厄介。
「…が、顔面に0距離から射たれてる」
アレは怖い!!倒れたサーゼクスちゃんの顔から煙が、サーゼクスちゃん痙攣してる。痙攣してる?ちゃんと生きてるよね?よかった今回も手加減してたんだね。
新入生のギャラリーは顔が青褪めてる。ちゃんと学院最強の実力と怖さは理解したよね?多分まだ何人かは理解せずに挑んだりするんだろうなぁ。
此で無謀に挑んだりして被害は少なくなるよね。ありがとうサーゼクスちゃん!気絶したサーゼクスちゃんの髪を見てる。ハサミを取り出した。
そういえばアリスちゃん、今度はサーゼクスちゃんを落ちムシャヘアーにするって言ってたけどどんな髪型なん…うわぁ真ん中からバッサリされてる
色々と危なくて騒々しい学院生活、戦闘関連のイベントが多い。アリスちゃんだけは文句を良く言ってた。
わりと学院のイベントは楽しんでたけど、流石に今回は、アリスちゃんだけじゃなくて私も文句を言いたいかな。まさか成績上位がごほうびって名目で戦場送りにされるなんてね。
「悪魔が優勢なんだしボク達が来てもやること無いんじゃないかな?」
「そうだな。優勢なら必要ないよな」
サーゼクスちゃん達が皮肉げに笑ってた。
知ってるんだろうね。世間に出される広報だと戦争では悪魔が優勢、実際には数年一進一退の互角の潰しあいでこのままだとお互いに全滅するって状況だって親から聞いていた。
なら私達みたいな学生でも戦力にして、互角の均衡を崩すのに戦線に突入したい筈。そんな手札として使われるのに不満はある。皆が不満を感じてる。だけど言えるのは皮肉ぐらい
「やっぱりごほうびに戦争に連れてくるなんてやっぱり可笑しい。皆で帰らない?」
皮肉抜きに本音を言うのはアリスちゃんくらいだね。
アリスちゃんの友人だと本心とわかるけど…………学院でやらかしてる事を考えると、口とは正反対の事を考えてると思われてそう。アレ(先生)も何も言わないし。
アリスちゃん大丈夫かな?心配だけど何だかんだアリスちゃんなら私よりは大丈夫と思えるかな。むしろ自分の事を心配するべきだよね。
天使や堕天使が殺しあう戦場。私達の狙いは天使と堕天使が戦ってる場所への乱入?…遠くからで正確には判らないけど感じる気配は…中級か上級って感じ。
此れって、サーゼクスちゃんとかアリスちゃんは全く大丈夫で、私とかアジュカもたぶん大丈夫、他も成績優秀者ばかりだから大体は大丈夫と思うけど………全員が無事で終われるなんて事は難しいよね。この場は無事でも実績を出したってことで、なし崩しに戦場にずっと残ることになりそう
「さぁ、みなさん頑張ってくださいねぇ。先生は後ろでしっかり見てますから
ホント死ねば良いと思う
「先生、初めは私からで良いです?」
「え、ええ、アリシアスさんが珍しく積極的で先生嬉しいです。どうぞ先鋒をお願いしますね!」
アレ(先生)はアリスちゃんを行かせた。
アリスちゃんが先鋒を望んだ?
すごい違和感を感じた。
「ちょっと混乱させれるか試してみる」
私にそう言って前に出た。
アリスちゃんなら何をするのか判らない。だけど、何故か止めた方が良いって気がした。
前に出てアリスちゃんは一言だけ呟いた。大きくも小さくもない言葉、戦場で色々な音がするのに何故かよく聞こえた。
『死んじゃえ』
身体に氷柱が刺された様な心も凍りそうなスゴく冷たい寒気を感じた。今のアリスちゃんの声?何時も聞いてるアリスちゃんの声なのに…なのに別人の様に聞こえた。スゴく、スゴく怖かった。
アリスちゃんから黒い何かが出てきた。
なに…あれ…
気付くと私は腰が抜けて地面に座って自分の身体を抱き締めていた。あの黒いの怖い。堪らなく怖いと感じた。
何あれ……天使や堕天使が黒い何かに包まれて、消えてる、アリスちゃんの言葉通りに天使も堕天使も……死んでる?……消えてるの?死んでいってるの?……死体も羽も何も残さず死んでる……死んでく……死んでく……身体の震えが止まらない。あんな一杯、一杯…アリスちゃんが…。
天使や堕天使を飲み込んだ黒い何かは…アリスちゃんの中に戻っていった。アリスちゃんが振り向いた。
ソコに居たのは何時ものアリスちゃん?何時ものアリスちゃんにしか見えない。それがとても怖かった。表面はアリスちゃんで中身は…あの黒いモヤの塊に見えた。
私は悲鳴を上げて後退りしていた。
怖くてアリスちゃんの顔を見れなかった。
後からサーゼクスちゃんに聞いたけど、あの時アリスちゃんはとても悲しそうな顔をしていたんだって……。
気付くと私は戦地から帰されていた。
私はアリスちゃんが見せた黒いのが怖くて部屋の中で暫く震えてた。
数日してようやく落ち着いて不思議に思った。なんで私は何もせずアッサリと戦場から帰れたの?
これでも私は学院でもトップクラス、トップ何名か可笑しいだけで最上位の力はある。戦力が必要なのに少し塞ぎこんだだけでアッサリ返されると思えない。無理矢理戦わされたと思う。
答えはサーゼクスちゃんから教えて貰った。アリスちゃんが…塞ぎこんだ私を返すように交渉してくれたんだって…
私はアリスちゃんに助けて貰った。
あんなに怖がったのに
アリスちゃんに感謝してようやく考えた。アリスちゃんは戦場で沢山の敵を消したのか。
なんで?アリスちゃんは、名誉とか功績なんて求めるようなタイプじゃない。悪魔の為になんて使命に燃えたタイプでもない。アリスちゃんの性格なら適当に戦って済まそうとするよね。
ならなんで?
意味もなくアリスちゃんがあんな攻撃をすると思えない。思い出せばアリスちゃんは混乱させるって言ってた。
混乱させるって何の為に?アリスちゃん自身の為じゃない。混乱させれば私達が安全に戦える。あれって私達の為にやったんだよね。
あ、けど相手を全滅させて混乱も何もなかった。
もしかして、あんな事に成るなんてアリスちゃんも想定してなかったとしたら?
アリスちゃんがあんな力を見せたのは始めて、大きな力はコントロールが難しい。アリスちゃんに次いで力の大きいサーゼクスちゃんは力のコントロールを間違えただけでも山を消したりもしていた。たぶんアリスちゃんも混乱させるだけのつもりだったのに、力のコントロールを間違えて大惨事になったんだ。
何にしてもアリスちゃんは私達の為にあの力を使ってくれたと思えた。それなのに私はあんなに怖がった。あの力は今でも思い出すと怖いけど、アリスちゃんが大切な友達なのは間違いない。
アリスちゃんに謝りたい。
そう思った私はアリスちゃんに謝ろうと思った。だけどアリスちゃんは戦場に残ってると教えられた。
だから帰ってくるのを待った。
ずっと待った。
ずっと待ったのに、悪魔と天使と堕天使の戦争は終わったのに、どんなに待ってもアリスちゃんは帰ってこなかった。
アリスちゃんは戦争で……