【Green's Contradiction】 作:インプレッサWRX STI
「何かこの食堂のご飯あんまり美味しくない気が…」
留学7日目、午前中の授業も終わり食堂で食事を取っていた。
カレーライスを注文したのだが…何故かちょっとねちょねちょしている。
「まあさすがに文句は言えないしな、我慢しよう」
そんな事を愚痴っていると。
「ウィッチ君!ウィッチ君!」
いきなりルルーナが横から飛び出てきた。
「ゴホッ!ゴホッ!ど、どうしたの?!」
「リーリヤが…リーリヤが!」
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「いや良かったよ、ただの捻挫で」
ルルーナに引っ張られて急いで医務室にきたがリーリヤはただの軽い捻挫だった。
演習で攻撃をかわした後に姿勢を崩したのが原因らしい。
「まったくもー、ほんとに心配したんだからねー」
「め、面目もありません…」
「でもルルーナがあんなに慌てるなんて珍しかったよね」
「そ、そりゃー…まあ、友達が怪我したって聞いたら誰でも慌てるっしょー」
「本当に申し訳ありません、でももう大丈夫です!ほら!このように走ることも…っ!」
「っ、いたたた……」
「ちょっとちょっと無理しないでー、今日は先に家に帰りなよ、荷物は後で届けてあげるからさー」
「……それが賢明のようです、今日はもう帰ります、あとは任せました」
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「それじゃあリーリヤのお家に行こっかー」
「な、なんで僕まで…しかも荷物めちゃくちゃ重いし…なんでこんなに持ってきてるの?!」
「んー、なんか特訓になるから出来るだけ重い荷物にしてあります!ってこの前言ってたよー?」
(にしても重すぎるって、20kg以上あるよこれ…)
「まあまあ、リーリヤの家はそこの森抜けたらすぐだから頑張って♪」
ルルーナに案内され鬱蒼とした森を歩いていく、背の高い木が空を覆い隠している。
「昔はよくここでリーリヤと三人で遊んだんだよねー、でもこの森意外と広いからさー、かくれんぼする度に迷子になっちゃって見つけるの大変だったなー」
「三人?もうひとりは?」
「もうひとりは…」
彼女は何か言いかけたが躊躇って最後までは言ってくれなかった。
「ちょっち秘密かなー」
「え?それも秘密なの?」
「ふふっ、ひーみーつ♪」
一応気になったが僕はそれ以上聞かなかった。
「さあ、もうすぐ森を抜けるよ…あれ?」
「どうしたのルルーナ?」
「…なんか女の子の泣き声が聞こえない?」
よーく耳を澄ますと確かに小さく泣き声が聞こえる。
「…!ちょっとウィッチ君!あそこ!」
彼女が指さす方向には小さな女の子が地面に横たわっていた。
「ちょっと大丈夫?!」
ルルーナは女の子のもとに駆け寄り抱き上げる
「…これは…蜂に刺されちゃったみたいだね」
その子の腕は肘から指先にかけて腫れ上がっている。
「蜂に刺されただけでここまでなるの?!」
「ここら辺はちょっと危ない虫が多いんだよー、私も追いかけられたことあるし…」
「…うぅ…いたいよー…いたいよー…」
女の子は涙を滲ませながら泣いている、凄く辛そうだ。
「どうしよう…手元に薬は無いし近くに病院も無いよ…」
(どうにかして助けてあげたい…そうだ!)
「…ルルーナ、ちょっと僕に任せて」
「え?う、うん」
僕は女の子の腕に手をかざし、魔法を唱えた。
「…リフレスト!」
赤く腫れていた女の子の腕は段々腫れが引いていき、元通りになった。
「な、何とか治せた…」
「す、すごい…すごいよウィッチ君!どうやったのー?!」
「こ、これでも魔法使いだからね、簡単な回復魔法なら使えるよ、ただ傷しか治せないけど…」
「それでも凄いよ!ウィッチ君凄いよー!」
「そ、そう?あはは…」
必死に照れ隠ししようとするが顔がにやけてしまう、まさか嫌々覚えた回復魔法がこんなところで役立つとは思わなかった。
「うぅ…あれ?」
女の子は無事目を覚ました。
「大丈夫ー?もう痛くない?」
「…うでがなおってる!おねえちゃんがなおしてくれたの?!」
「こっちのお兄さんが魔法で治してくれたんだよー」
「おにいちゃん…ありがとうなの!」
「あ、ああ、どういたしまして…」
「もーウィッチ君何照れてんのー?」
「て、照れてないよ!」
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「はい、これで全部だよね?」
「ありがとうございます、重くありませんでしたか?」
「ウィッチ君が手伝ってくれたから余裕だったよー」
「ウィッチさんありがとうございます!このご恩はいつか必ず!」
「いや大丈夫だよ、荷物運んだだけだから…それより怪我早く治るといいね」
「じゃーねー、リーリヤー」
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「いやー、それにしてもウィッチ君が魔法使えるなんて知らなかったよー」
「そ、そんなに大した事じゃ無いって、それに…」
「それにー?」
「…僕、あんまり魔法好きじゃないんだ…」
「…え?」