【Green's Contradiction】 作:インプレッサWRX STI
「実はね、あの子には弟がいたの」
「ルルーナに…」
弟がいたなんて初耳だ、それに『いた』という事は…
「うん、自分の子をこんな言い方するのも変だけどね、でもルルーナがエクシードを持ったのはあの子が原因なの」
「ルルーナが6歳の時、私達は山のふもとの山道を通って野草を摘みに行ってたの、だけどその時先に走ってた二人の上から大きな岩が落ちてきてね、下敷きにされそうになったの」
「だけどその瞬間岩が砕けてね、私は何が起こったか分からなくて二人のそばに駆け寄ったわ、そしたらルルーナの手に青く光る盾があったの」
「それで後から調べたらそれがエクシードって事が分かった、って流れ」
「つまり…ルルーナのエクシードが発現した理由って…」
「『守りたい意思』かな♪」
「これは私の予想だけど、あの時のルルーナが弟を守りたいって強く思わなければあのエクシードは使えなかったんじゃないかな?」
「………………」
「はい、これであの子の話はおしまい、ご飯作らないと…」
「……すいません、もう一つ、もう一つだけ…」
「うん?どうしたの?」
「…失礼を承知でお聞きします、ルルーナの…弟さんは…」
もう後戻りは出来ない、しかしここで知っておかないと一生後悔する気がした。
「………………」
お母さんはしばらく黙っていたが、ゆっくり、重々しく口を開いた。
「今から6年前…ルルーナが10歳の時、亡くなったわ…」
分かっていた、分かっていたのに聞いてしまった自分を悔いた。
「……………すいません」
「いえ、あなたにはこの話しておかないと、多分ルルーナが寝込んだ理由もこれに関係あるわ」
「え………」
「あの日…あの子達は前あった家のそばの森で遊んでいたの、だけど……」
お母さんの顔が雲る、その心境がいかなるものか察するにはあまりに簡単すぎた。
「だけど、その時敵襲にあってね、あの子達は周りが炎上した森に取り残されてしまったの」
「私は軍人の方に頼んで救助してもらったわ、だけど帰って来たのはリーリヤちゃんとルルーナだけだった…」
「………………」
「話によれば火の手が回っててとても助けられない状況だったんですって、私もあの時は…いえ、今も思い出す度に胸が苦しくなるわ、だけどルルーナは弟を助けられなかった責任が自分にあると思ったみたいでその事件から一か月、高熱を出して寝込んだの」
リーリヤが言っていた話とつじつまが合った、ルルーナが寝込んでしまった理由はそれで間違いない、しかし…
「でも…それと今の関係って…」
「…ウィッチ君、ルルーナにプログレスになってくれって頼んだでしょ?」
「…っ!な、何でそれを!」
「ふふっ、家の中で告白なんて大胆ねー♪」
しまった…まる聞こえだったらしい。
「別にその事を責めてる訳じゃないの、ただ…」
「あの子はウィッチ君のためを思って今悩んでいると思うの」
「…僕のため?」
「うん、何でか、分かる?」
「えっと…すいません、分かりません…」
お母さんはニコッと笑った。
「あの子が…あなたを大切に思っているってことよ♪」
「僕のことを?」
「ふふっ、これ以上は私の予測になっちゃうから、後は本人に聞きなさい♪」
ルルーナのお母さんはにっこり微笑むとまた台所へ行ってしまった。
「僕の…ため…」
お母さんの発言に驚かされながらも自分の中で必死にその理由を探していた、何故ルルーナは僕のために悩んでいるのか、そして、彼女は今どう考えているのか、知りたかった。
「……もしかして………」
そして、悪夢は訪れる