【Green's Contradiction】   作:インプレッサWRX STI

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第1話:α

「よ、良ければ僕のプログレスに...」

 

「え、えっと...私他のアルドラさんにもう誘われてて...だから...その...ごめんなさい!」

 

綺麗な亜麻色の髪をした女の子は、逃げるようにその場を立ち去った。

 

「.........」

 

秋風吹く屋上でガックリと方を落とし、死んだ魚の目をしている背の高い少年がいた。

 

「もうなんか...いっそ清々しいかも。」

 

今しがた振られたこの少年、名はウィッチ、青の世界出身でありながら、黒の世界の魔女の血が流れている希な家系に育った。

 

本来アルドラは希少な存在故、複数のプログレスとパートナーになる事がほとんど。

そもそもアルドラ側から頼む事など滅多に無い。

にも関わらず、ウィッチにはパートナー一人すら居ないのが現状だ。

 

「とりあえず...戻ろ...」

 

若いながらも哀愁漂う背中からは、彼の心境が痛いほど感じられた。

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

秋風が更に濃くなったある日

 

「ウィッチ君、ちょっと...」

 

「...はい」

 

放課後、帰り支度をしていた彼の元に先生が寄ってきた。

 

「えっと...プログレスの件...なんだけど」

 

洋上に浮かぶ青蘭島、この島に来てから既に1年半以上経っていた。

にも関わらず、未だにパートナーが居ないのは前述の通り。

 

「どうかな、そろそろ...」

 

先生が言いたい事は誰よりも彼自身が分かっている、切羽詰まっているこの状況を早く打開しなければならない。

 

「いえ...まだ...」

 

「う〜ん...そっか...」

 

微妙な空気が流れる中、先生は彼に一枚の紙を差し出した。

 

「今日は別にお説教したい訳じゃないの、これを紹介しておきたくて...」

 

先生が渡してきた1枚のプリントには、

【異世界短期留学プログラム】と書かれていた。

 

「異世界短期留学プログラムって言ってね?青の世界以外の4つの世界、どれかに1ヵ月だけ体験留学出来るのよ。費用はかからないし、他世界の知識も学べるから結構人気で...」

 

 

「はぁ...ちょっと考えてみます」

 

「ありがとう、期限は5日後だから、それまでにどうするか決めといてね」

 

 

 

 

 

家に帰り、制服を脱ぎ、布団に飛び込む。

 

「あぁ…疲れた…」

 

「いい加減…一人くらい…」

 

頭を枕に埋ませて思いっっっきりため息をつく。

ふと顔を上げるとバックから例のプリントがはみ出しているのが見えた。

 

「…見るだけ見るか」

 

気が向いたのでプリントを取り出してちゃんと読んでみる。そこには写真と一緒に各世界についての説明が書かれていた。

 

「赤の世界…テラ・ルビリ・アウロラ…」

 

7人の女神が統治する世界、祈りが人々の原動力となるらしい…確かに魅力的だし興味もあるけど…何か堅苦しそう。

 

「黒の世界、ダークネス・エンブレイス…」

 

魔法や錬金術が発達した世界、様々な種族が暮らしている…聞くだけで恐ろしいな、とても行く気にはなれない。

 

「白の世界、システム=ホワイト=エグマ」

 

科学が発達し、全てがデータ化され処理されている…か、アンドロイド…ね…正直生身の人間が良い。

 

「どこの世界も向いてないなー、やっぱりこの話は無かったことに…」

 

と思いかけたがまだプリントの左下に小さく何か書いてある。

 

「…緑の世界…グリューネシルト?」

 

他の世界と違って、何故か詳しい事は書いていない、が…どうやら統合軍が統治している世界らしい、何でこの世界だけ説明が省かれているんだろう。

 

「説明だけ見れば怖そうだけど、…どうせ他の世界じゃ自分と合わないし…よーし」

 

 

翌日

 

 

「先生」

 

「あ!ウィッチ君!どの世界に行くか決めてくれた?」

 

何も言わずそっと先生に登録用紙を差し出す。

 

「さてさて……え?」

 

先生が思わず声を上げる。

 

「ちょ、本当にここに行くの?!」

 

「行きます」

 

何となく驚かれるのは分かっていた、だってわざとらしくちっちゃく書かれてるんだもの。

 

「……分かった、グリューネシルトで良いのね?」

 

「じゃあ登録は私の方でしておくから、日付は決まったら教えるわ」

 

「はい、ありがとうございます」

 

職員室を出ていく時に、先生は僕のことを何故か心配そうに見ていた。

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