【Green's Contradiction】 作:インプレッサWRX STI
「ふー、危なかったねー」
状況が把握できない、まさかあの砲弾をこの娘が?そんな馬鹿な…
「大丈夫ー?ケガとかしてない?」
そう言うと彼女は手を差し出した、
「あ、ああ、ありがとう…」
「うん、ケガはしてないみたいだねー」
「それにしても何でこんな所にいるの?武装も何にもしてないみたいだし、危なすぎるっしょー」
「あ、いや、その…」
「あ、話はあとあと、早く逃げるよー!」
彼女に腕を引っ張られて近くの森まで避難した。
「いやー君、中々勇気あるねー♪でも、あの砲撃の中に飛び込むのはさすがにまずいっしょー」
「あはは……あ…」
安心感からか腰が砕けるようにその場に倒れ込んでしまった、無理もない、この娘がいてくれなきゃ間違いなく死んでいたのだから。
「ちょ、ちょっと大丈夫ー?」
「無理しないで座っててー、今水を汲んできてあげるからー」
もう頷くのがやっとだった、
体が金縛りにあったかのように動かない、
さっきの光景を思い出すだけで震えが止まらない。
「はい、どうぞー」
水筒の蓋に注がれた水を受け取り飲む、
これ程水を美味しいと思ったのは生まれて初めてだった。
「どう?落ち着いた?」
「う、うん、ありがとう…」
彼女はニコッと笑うと木の切り株に腰掛けた。
「あ、そういや自己紹介がまだだったよねー」
「ルルーナ、ルルーナ・ゼンディアでーっす♪ルルーナでもゼンディアでも良いけど、オススメの呼び方はルルーナかな♪」
「ルルーナ…さん、助けてくれてありがとうございました」
「ああもうそんなに固くならないでー、ほーら、次は君の番だよ♪」
「えっと…ぼ、僕はウィッチ…」
「へー、ウィッチ君かぁ、いい名前だね」
生まれて初めてそんな事言われた、
絶対笑われると思っていたのに…
「ところでウィッチ君さー、緑の世界出身じゃないよね?まあ、こっちの人ならあんなところにいる訳ないけどさー」
「うん…実は……」
…………………………………………………
「へー、そういうのがあるんだねー」
「うん、でも泊まり先が分からなくて…」
「あちゃー…でもグリューネシルトで住めるところって少ないから意外と限られてくるよ?」
「とりあえず中心地まで私が案内してあげるから付いてきてー」
「え?でもあっちで戦争が…」
「私は避難が遅れた人達を誘導してきた帰りだったんだよ、だから今日はもう大丈夫♪」
なんかもう彼女が女神のように見えてきた、
いや、女神なのかもしれない。
「…?どうしたの?私の顔に何かついてる?」
「あ、いや、何でもない…です…」
「まあいっか、じゃあしゅぱーつ♪」
…………………………………………………
し、死ぬ…2時間歩いても何も見えてこない…
「る、ルルーナさん…まだですか…」
「さん付けなんてしなくて良いってー、あそこに丘が見えるでしょ?あそこだよー」
目を凝らすとほかの山とは違って緑色に染まった丘が見えた。
「もう少しだから頑張ってー」
な、なんでこんなに体力があるんだ…
男の僕でさえ死にそうなのに…
確かに荷物持ってるのはあるけどルルーナは盾を…あれ?
「る、ルルーナ、そう言えば盾は?」
「んー?ちゃんと持ってるよ?」
「え、でも…」
「?ああ!そういうことかー、じゃあちょっち見ててー」
ルルーナがすっと手をかざすといきなりでっかい盾が現れた。
「うわっ!」
「どう?びっくりさせちゃったかなー」
こんな大きい盾を隠し持つのはマジシャンでも無理だ、一体どうやって……まさか。
「も、もしかしてエクシード?」
「おー、よく知ってるねー♪そう、これは私のエクシードのシュッツ・リッタ、どんな攻撃も必ず防げるんだー♪」
そうか、だからさっきの砲弾も防ぐことが出来たんだ。
そんな話をしながらまたしばらく歩き続け。
「ほーら、ここがグリューネシルト統合軍本部の城下町だよー」
そこは例えるなら中世のヨーロッパの町並みのようだった、白塗りのお城を見上げるようにレンガ造りの家や商店が並んでいる、写真で見るよりずっとずっと綺麗な街だった。