【Green's Contradiction】 作:インプレッサWRX STI
翌朝
「ふわぁぁ…よく寝た…」
窓から差し込む朝日に照らされて目を覚ました。
今日からグリューネシルト統合軍の訓練校で訓練を見学+体験することになっている。
正直運動は嫌いだが黒の世界の「魔界洞窟調査体験」より100倍マシだろう。
「早く起きなさーい、朝ごはん出来たわよー」
身支度を済ませ一階へ降りる、まだルルーナはいないようだ。
「もう、ルルーナ!早く起きなさーい!」
「今行くよー…ふわぁぁ…」
「あ、ルルーナ…おはよう」
「お、おはよーウィッチ君、よく寝れた?」
「うん、お陰様で」
「ふ…ふわぁぁぁ…」
(うぅ…昨日の失敗が忘れられなくて若干寝不足だよー…)
「ルルーナ寝不足?」
「あー、いや、大丈夫だよー、さあー、早くご飯食べて行こっかー」
…………………………………………………
「じゃ、行ってきまーす」
「い、行ってきます」
「はーい、気を付けてねー♪」
見送りを受け統合軍訓練校へと向かう。
「ね、ねえルルーナ」
「んー?どうしたのー?」
「ルルーナってもう軍人として戦場に出たりしてるの?それともまだ訓練生?」
「んー、どっちもかなー」
「どっちも?」
「訓練校ってさー、統合軍直属の施設なんだよー、だから学生のうちから統合軍の一部として動いてるんだよねー」
「そうなんだ…あ、あともう一つだけ良い?」
「いいよー、何でも聞いてー」
「昨日の夜何であんなに慌ててたの?」
ぴくっとルルーナが反応する。
「…っ!い、いやー別に慌ててなんかいなかったっしょー!」
「いや、あれは明らかに…」
「ないない!ぜんっぜん慌ててないよ!」
「でも…」
「こ、これ以上聞くと私の盾で殴るからね!」
「うわ!ごめんごめん!」
「もう…」
(あちゃー…怒らせちゃったかな…デリカシー無かったかもしれない…)
うつむいてしまったルルーナだったが少し後に小さく口を開いた。
「……統合軍ってさ…」
「え?」
「基本的に男女別で訓練とか受けるんだよねー、まーだからえー…、その…男の子と一緒にいると緊張するっていうか…どうしていいか分からなくなっちゃって…」
(なるほど、そういうことだったのか…)
「でもαドライバーはいるんでしょ?」
「うん、他の娘はね、私にはアルドラさんいないんだー」
余りにも意外だった、これ程の実力を持ったプログレスにアルドラがいないなんて…
「正確には断ってきたが正しいかなー、私にはもうパートナーがいるし」
「パートナー?」
「うん、ちょっと猪突猛進なところがあるけど正義感が強くていい子だよ♪」
「今日その娘は一緒じゃないの?」
「多分もうすぐ来るよー」
「もうすぐ?」
そう言えばどこからか音が聞こえる…
木が倒れる音というか地響きというか…
………ドドドドドドド
(音が段々近く……)
「あ、ウィッチ君、ちょっとそこ危ないかも」
「え?」
ルルーナが言い終わる直前、森の木をなぎ倒しながら何かが飛び出してきた。
「うわっ!」
「見つけました追いつきました発見です!おはようございますルルーナ!」
目の前にいたのは赤い軍服を身にまとい、巨大な槍を装備した少女だった。髪は橙色に輝き恐らく身長はルルーナと同じくらいだろう。
「おはよーリーリヤ」
「あれ?ルルーナ、この方は?」
「ああ、ウィッチ君、自己紹介お願いー」
(森の木をなぎ倒していたことに関してはノータッチなのか?!)
「あ、え、えっと、ウィッチと言います…よろしく…」
「これはどうもご丁寧に!私はグリューネ・シルト統合軍所属、リーリヤ・ザクシードです!見た所αドライバーの方だとお見受けします、が!私とルルーナにはアルドラは不要です無用です必要ありません!既に私達は完璧なチームなのですから!」
「あ…えっと…」
「ちょ、ちょっとリーリヤー、いきなりそんな事言うのは失礼だよー?」
「おっと、これは失礼致しました、それでは私は急いでいますので!では!」
そう言い残すと彼女はまた嵐のように去っていった
「あはは…何かごめんねー、昔からああいう感じなんだー」
「な、何か凄いパワフルな人だね…」
「あれでも実力はかなりあるんだよー、リーリヤが作戦の変更を推奨すると大体通っちゃうくらいなんだー」
そりゃ森を突っ切ってくるくらいだもんね、相当凄いよ…
………………………………………………………
「さあ、ここが統合軍訓練校だよー、」
山の谷間に建てられた木造の校舎が僕の前にそびえ立っていた、木造といっても真新しい感じだ。
「じゃあまた放課後にねー」
「あ、うん、ありがとう」
本来であらば訓練校にはプログレスしか入れない、しかし今回は青蘭学園の要請ということもあり特別に入ることが許された。
「待ち合わせ場所の応接室……あれ?ここどこだ?」
ルルーナに教えて貰った通り来たはずが校舎内で迷子になってしまった。
「参ったな…早くしないと初日から遅刻になっちゃうよ…」
仕方なく校舎内をさまよっていると。
「貴様!そこで何をしている!ここは男子禁制だぞ!」
突然後ろの方から怒鳴り声が響いてきた。
慌てて後ろを振り返ると自分と同じくらい背の高い女性がこちらを睨みつけていた。
「統合軍の校舎にノコノコ入って来るとはいい度胸だ、たっぷり尋問してやるぞ、こっちへ来い!」
「ちょ、ちょっと待って下さい!僕は不審者じゃないです!」
「なんだと?…………もしかして貴様、青蘭学園からの留学生か?」
「は、はい、ウィッチと申します…」
「なんだ、早く言え、危うく拘束するところだったぞ」
(1ミリも聞いてくれる感じじゃなかったじゃないか…)
「今ちょうど貴様を迎えに行く所だったんだ」
「案内役を担当するフィーリア・グレンハルトだ、以後よろしく頼むぞ」
凛とした声、大きい瞳、金色近い髪色…
初めて出会ったはずなのに、何故かどこかで見たことがある気がした。