ガンプラじゃなくてもビルドファイターだ!   作:タロウMK-Ⅱ

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 前回タイトルを付け忘れていました。申し訳ございません。

 さて大会編が本格的に開始です。
 アルトアイゼン・リーゼには少々アレンジを加えています。ご了承ください。




大会開催!

 チームスパロボと対戦相手の『ダブル』がバトルシステムの前に立つ。6人がGPベースを筐体にセットし、プラモデルをシステムに認識させる。

 3対3のチームバトルという形式は珍しいが、最近流行りつつあるらしい。

 

【Battel Start】

「チームスパロボ! 行くぜ!」

「出撃する!」

 6体が一斉にバトルフィールドへ飛び立つ。

 

 戦場はジャングル・・・いや、これは地球連邦総司令部ジャブローだ。

 

「おぉぉぉ、筐体がデカいと広いフィールドも再現出来るんだな!」

「あぁ、バトルシステム7体とか初体験だな。リングアウトの危険性も低そうだ」

 バトルそっちのけでどこまで再現されているか検証したくなる。地下施設まで再現されているのだろうか?

 

「バトルに集中してください。敵がこちらに来ます」

 白樹さんはいたって冷静だな。俺達が盛り上がり過ぎているだけか。

 

 これで対戦相手がジオンの水陸両用MSならなお更盛り上がるが、流石にそれはないだろう。

 

 モニターに表示される機体を確認する。フルアーマーZZガンダム、ガンダムDX、ダブルオークアンタ。チーム名の『ダブル』とはダブルと名の付くガンダムのことか。

「規格外のバ火力トリオかよ!」

 

 まず、先陣を切って飛び出したのはフルアーマーZZだ。自らの身長以上はあろうかというハイパー・メガ・カノンを担ぎ上げ砲身を向けてくる。

 序盤からガンガン攻めてくる作戦なのか。

 

 俺はアルトアイゼン・リーゼのウイングを展開させエンジンを吹かせるかのようにスラスターの出力を上昇させる。リーゼは腰を引き力を溜めるポーズをとる。各スラスターが逆に周囲のプラフスキー粒子を吸い込んでいく。

 これは原作にはない独自アレンジである。爆発的な加速力を生み出すためには機体に蓄積されたエネルギーを使うのではなく、周囲から吸収すればいい。スタービルドストライクから学んだことだ。

 

「白樹さん! ビーム撹乱幕を!」

 ヴァイスリッターの羽に装備されているスプリットミサイルの中身はビーム撹乱幕となっている。ビーム兵器の威力を軽減できるはずだ。

「了解です。ビーム撹乱幕を展開します」

 4機のミサイルがヴァイスリッターから射出され、霧のような幕を作り出す。

 

 フルアーマーZZがハイパー・メガ・カノンを照射する。

 

 アルトアイゼンの頃よりも刀身が伸びたプラズマホーンから稲妻が発せられる。俺は迫りくる光の濁流に向かってリーゼを突撃させた。

 

 フルブーストを使用するとより多くのプラフスキー粒子を取り込もうとするため、リーゼはプラフスキー粒子に覆われているかのように見える。まさに自分自身が弾丸になったかのようだ。

 

 ハイパー・メガ・カノンから放たれたビームはビーム撹乱幕で捌ききれないことぐらい承知している。

 構いはしない、これ位跳ね除けてみせる!

 

 ビームの渦に呑まれ眩しさのあまりモニターを凝視できない。あちこちでアラートが鳴り響く。だがそれも一瞬の出来事。

 視界が開けた時、リーゼは何かに衝突した。激しい衝撃が幾度かにわたり操縦桿越しに伝わってくる。たぶんフルアーマーZZに突き刺さっても勢いが収まらず地面に抉りこんでしまったと思う。

 

「うおわぁぁぁ! 何をしてくれるんだ!」

 対戦相手の悲鳴とも取れる声が通信機から流れてくる。通信出来るということはまだ撃墜されたとバトルシステムが判断していないのか。

 

 フルアーマーZZへ覆い被さって倒れていたリーゼを立ち上がらせる。敵機の胸部にはプラズマホーンが突き刺さっていた切り傷が目視できる。

 

 リボルビング・バンカーで止めを刺そうとした瞬間、アラートが鳴った。

 後方からガンダムDXがバスターライフルを撃ちながら接近してくる。チーム戦のためお互いカバーしあいながら戦うのがセオリーだ。

 

 一旦フルアーマーZZから距離を取りつつ、左腕に装備された5連チェーンガンで応戦する。アルトアイゼンの3連マシンキャノンに比べて、威力、照準、射程距離、全ての面でパワーアップした武装だ。

 ビームライフル等なくても5連チェーンガンがあれば中距離戦もこなせる。

 

 DXは仲間を救出するためどんどん前に出てきてくれる。思わずニヤ付いてしまう、完全にこちらの間合いだ。

 獲物をDXに絞り込む。

 

 するとDXの背中が爆発した。

 

 俺まだ何もしてないんだけど。

 

 ジャングルの木々を薙ぎ倒しながら墜落するDX。立て続けに上空から強力なビームが降って掛かる。

 DXは爆散した。パーツが周辺に飛び散る。

 

「1機撃墜です」

 上空にはオクスタン・ランチャーを構えたヴァイスリッター。白樹さんの援護攻撃だったのか。

 

 さらにフルアーマーを脱ぎ捨て逃走を図るZZにオクスタン・ランチャーBモードで狙撃。頭部とコクピットを射抜く。普通、長距離はEモードというビーム兵器で行うものなんだけど。

 

 爆発はしなかったがZZの反応がレーダーから消失した。

「2機目撃墜。加倉先輩がクアンタを抑えています。これより援護に向かいます」

 

 射程距離より攻撃力を優先した実弾式のBモードで仕留めるとは。射撃に関しては頭が上がらない。

 

 って、俺も助けに行かなければ。

 

 制御できるように速度はある程度落として移動するが、それでも以前のアルトアイゼンより速い。

 モニターを拡大して加倉の様子を確認する。

 

 ソウルゲインがクアンタのGNバスターソードを真剣白刃取りしている。持ちこたえてくれたようだ。

 

「負担掛けてすまなかった」

「戻ってくるのが遅いんだよ! トランザム使われたらとヒヤヒヤだったんだぞ!」

 加倉の奴それだけ文句を言える余裕はあるんじゃないか。

 

 俺達3機に囲まれたことに気付いたクアンタは切り札であるトランザム使ってくるだろう。どれだけパワーが上昇するか未知数だ。

 先手必勝。フルブーストではないがクアンタに急接近を試みる。今度こそリボルビング・バンカーの威力を味わってもらう。

 

 クアンタは背中から生えているGNシールドを構えてくれた。バンカーがシールドに抉りこみ、後はトリガーを引き杭を打ち込む。構造はリボルビング・ステークと変わらない。大型化して威力を増しただけだ。

「打ち貫く!」

 

 たった一発でクアンタのGNシールドを粉砕した。これで片方のGNドライブを失ったためツインドライブシステムは機能しない。

 

「勇登! 避けろ!」

 加倉からの忠告だ。俺は咄嗟にバックスッテプでクアンタから離れる。

 

 ソウルゲインが撃ち出した玄武金剛弾がいとも容易く敵機の上半身を消し飛ばした。まるで黄金の竜巻の様だった。

「見事なコンビネーション技だったな。流石は俺」

 

 何がコンビネーションだ。僅かに反応が遅れたらリーゼも被害を被っていた。

 

【Battle Ended】

 

「Aグループ第1回戦を勝ち抜いたのはチームスパロボです! 皆さんファイター達に大きな拍手を!」

 試合には勝てたのか。何だかドタバタしていたら終わってしまった印象だ。

 

 しかし、今沸き起こっている拍手と歓声は本物だ。俺達はまだ始めの一歩を踏み出しに過ぎない。優勝まであと3回戦!

 

 

 準々決勝戦に向けてプラモデルの修復コーナー兼休憩室が設けられている。しかもライブモニターが用意されているため他のチームの試合を観戦できる。

 

【スーパーモードで押し切る! 付いて来い!】

 ほう、選手の声も拾っているのか。情けない声出すとお客さんにも聞こえてしまうから気をつけよう。

 

【優勝して商品券を勝ち取らなければ妻に半殺しにされてしまうぞ!】

【何としてでも女房の機嫌を取らなければ我らに未来なし!】

 ゴールデンウィーク、ガンプラバトルに借り出されたお父さん達の本心だな。外部スピーカーに声が拾われているとは知らないのだろう。

 

「テレビばかり見ていないで勇登先輩もアルトアイゼンの調整をしてください」

「ごめん、今から取り掛かる」

 

 3人とも大した損傷は受けていないため次の試合までには間に合うだろう。修理が済めば対戦相手の機体、戦略などを調べておかなければ。

 工作スペースの席に座ると調度テレビが加倉の影に隠れてしまう。加倉の身長があと10センチ低ければ、くッ!

 

【バトルに敗れるのも妻に半殺しにされるのも、それも私だぁぁぁぁ・・・・!!】

 仮面被った不審者の断末魔の悲鳴が聞こえたな。たぶんオヤジチームの人だろう。

 ということは、次の対戦チームはオヤジチームを破った人達か。

 

「対戦相手の情報収集も大事ですが、先ほどの対戦の反省もしなければなりません」

 白樹さんの言うとおり先ほどのバトルを振り返り改善点を話合う必要もある。

「リーダーとしてチーム全体の反省点を上げるぞ。その後個々の反省点な」

 加倉から順番に述べていくのか。

 

「まず勇登の突撃作戦は成功と捉えて良いんじゃないか、敵の隊列を崩すこと出来たし。改善点はその後の仲間との合流が遅いぐらいか」

「突撃作戦は続けていくのですか? 次の対戦からは警戒されると思われます」

 初見では対応できないとしても、突撃してくると分かっていれば対策は練りやすい。

 

「そのために様々なオプションパーツを作製したんだ。次のチームに合わせて武装を変更すればいい」

 俺だって全ての対策に自信があるわけじゃないが弱気になっても仕方がない。少しでも勝つための気迫を示すべきだ。

 

 

 

 話し合った結果、俺がアルトアイゼン・リーゼを扱いきれていないことが1番の問題点だと判明した。いや、分かりきっていた結果か。

 

 試合は第4回戦まで開始されていた。これで予選は最後だ。

 

 俺と白樹さんはAグループのライブモニターを凝視していた。8組目チームは巨大モビルアーマーのため1体しか出撃していない。

「何なんですかあの機体は。サイコロにサイコガンダムの頭って駄洒落なんですか」

 サイコロガンダム。サイコロの3の目にサイコガンダムの頭をくっ付けただけの外見。愛称は『四角い死神』とまで評されるほどの凶悪な戦闘力を誇る。

 

【消し炭になってしまえ!】

 野太い男性の声と共に赤い1の目から拡散ビームが放射される。ビーム一本いっぽんが戦艦のメガ粒子砲級だ。

 対戦チームのヅダ、シグー、マラサイが瞬く間に溶解された。

 Aグループ、恐らく準決勝まで勝ち進んでくるのはサイコロガンダムだろう。こいつは圧倒的すぎる。

 

「おい、Bグループの方も見てみろよ。スパロボの機体が出場してるぜ」

 加倉がこちらに手招きまでしている。

 

「サイバスターとグルンガスト弐式とアシュセイヴァーで構成されている。チーム名は『物好き野郎』だとよ」

 俺達以外にもスパロボのプラモデルで参戦してくれている人々がいたのか。是非とも頑張ってほしい、なんなら決勝まで勝ちあがってほしい。

 

 バトルフィールドは山脈雪原地帯の。サイバスターがサイバードへ変形して一時離脱を図ろうとするが、敵のZガンダムもウェイヴライダーへ姿を変え追跡する。

 2機の差はみるみる縮まっていく。サイバードは追いつかれる前にサイバスターに再変形して迎撃に移るようだ。

【うおおぉぉぉぉ! ここから居なくなれー!】

 ディスカッターを振りかぶったサイバスターであったが、それよりも速くウェイヴライダーが突き刺さった。

 

 別の画面にはデルタプラスによって撃墜されるアシュセイヴァーが映し出されていた。

 

「並のプラモデルではガンプラに抵抗するのがやっとですね。関節部の仕上がりが違うのでしょう、ぎこちない動きです。逃げるのも攻めるのも間々ならない状態です」

 恒例の白樹さんによる起伏のない解説である。

 

 白樹さんにとっては彼等がどうなろうと知ったこっちゃないのだろう。

 

 最後のグルンガスト弐式も頭部を撃ち抜かれ撃沈する。

 ガンプラ以外は弱いという概念をそのまま表したかのようなバトルだった。

 




 次回は第2回戦です。

 
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