ガンプラじゃなくてもビルドファイターだ!   作:タロウMK-Ⅱ

12 / 15
 物語はもう終盤です。
 チームスパロボ優勝に向けて奮闘します!




対決、サイコロガンダム!

 俺は家に帰ると、インターネットで今日の大会に関する情報を調べてみた。ニュース記事、動画、何だっていい、ガンプラ以外でバトルしている人物を取り上げていないか。

 あった! シロガネスーパーでの大会について書かれている記事だ。

 

 写真が2枚掲示されている、1枚目に写っているのはサイバスターだ。2枚目には加倉のソウルゲインがダブルオークアンタのGNソードVを真剣白刃取りしている場面が撮られている。記事には『ガンダムシリーズではないプラモデルで参加するファイター達』とのことだ。

 

 少しはスパロボの宣伝になったということか。

 

 他にもシロガネスーパーでの大会に付いて載せているサイトがあったので呼んでおく。

 『ガンプラじゃないのに強いとかスゲー!』『チームスパロボ頑張れ!』『ガンプラバトルなのにガンプラで出ないとかモラルなさすぎ』『ガンプラじゃないとかナメプ?』

 応援してくれるコメントもあれば批判的なコメントもある。賛否両論なのは仕方がない。

 

 さて、ネットはこれぐらいにして、明日の準決勝に備えなくては。

 

 破損した時のための予備パーツは必要になる。攻撃力を上げるためのオプションパーツもあった方がいい。

 

 勝ち進めれば決勝戦が待っている。

 

 馬坂の情報によればBグループでは『ガンプラの咆哮』というチームが優勝候補と挙げられている。リーダーはフルアーマーガンダムであり、サザビー、ゴールドフレーム天ミナが使用機体である。

 ゴールドフレームにいたってはバックパックを交換できるようで、初戦は既存のマガノイクタチままであったが、2回戦目ではタクティカルアームズを装備していたらしい。

 

 何処のチームも決勝戦に備えて手の内を隠している。

 

 ドンドンッ、と部屋の扉が叩かれた。

「準決勝進出おめでとう!」

 俺が返事をする前に姉さんが押し入ってくる。

「どうして姉さんが勝ち抜いたこと知ってんの、まだ教えてなかったんだが」

「ニュースで放送されたこと知らなかったの?」

 知らなかった。まぁ、テレビ局来ていたし当然か。

 

「準決勝は大型モビルアーマーよね、秘策とかあるの?」

「それを考えていたところ。あのサイコロ本当に弱点らしきものが存在しない。攻撃範囲も広いし、威力も相当高い。たぶん防御面でもIフィールドやフェイズシフト装甲を採用していると思う」

 想像するだけで嫌になる。なんだこの機体は!

 

「もしかすると決勝戦以上の強敵かもね」

 姉さんは奇妙な笑みを浮かべている。弟が負けることを喜ぶとでもいうのかこの姉は。

 俺は腹の底から溜息をついた。思考が偏って勝ち筋が見当たらない。たぶん加倉や白樹さんも同じであろう。打開策があれば何かしらの連絡があるはずだ。

 

「勇登らしくないね、確りしなさいよ」

「俺らしくないか」

 あれこれ悩むのはしょっちゅうの事だが?

 

「らしくない、断言する。あんたアルトアイゼンのコンセプトを忘れたの?」

 アルトアイゼンの役割は絶対的な火力を以て正面突破を可能とすることだ。今更言われなくても分かって・・・・・・・。

 

 そうだ、本来のアルトとはスーパーロボットとも正面切って戦える。バカみたいな突撃野郎だ。

「どんな強敵であろうとも突破する力」

「そうね、その敵を貫き倒す勢いが無くなっている」

 恐怖心から愛機の特性する生かせないほどに、俺は迷走していた。

 

 始めから俺らしく、アルトアイゼンらしくいればよかっただけだ。

「私が大型機を使ったら敵に密着されることを避けるわ。だから接近されない対策を取る」

「じゃあそんな小細工すら打ち破ればいい。そういう事だろ」

「少し前の暗い顔はなさそうね。見せてもらうからね、チームスパロボの活躍」

 

 悩んだところで答えは出ない。何しろ俺は正面から突撃することしか出来ないバカだからな。

 

 

 

 準決勝はAグループが行った後にBグループが行うため、昨日のように同時進行するわけではない。

 

 観客の誰もがサイコロガンダムが勝つと予想しているだろう。

「チームスパロボ頑張れ! 応援してるよ!」

「スパロボの底力を知らしめなさい!」

 俺達の勝利を願っているのは馬坂と姉さんぐらいか。

 

 対する『我に死角無シ』の声援は大きい。サイコロガンダムというマイナーな機体のためか、みんな面白がって応援している。

 面白いだけではなく彼等は2回戦とも圧勝している強豪だ。メンバーは45歳以上のおじさん達、恐らく歴代のガンダムをリアルタイムで視聴してきた人達だろう。

 

 しかしどうだ、圧倒的な力を持つガンプラに勝利したら? 誰もの予想を覆し会場が驚愕する。ガンプラバトルに一泡吹かせる、これこそ俺達が望んでいたことではないか。

 

「おい勇登どうした、笑ってるのか?」

「いや、緊張を通り越すと楽しくなってきた。それに姉さんも観てるんだ余計に腕が鳴る」

「薄々気付いていましたが勇登先輩はシスコンですね」

 白樹さんに妙なレッテルを張られてしまった。だが今は気にも止めない。そんなことよりバトルが楽しみでならない。

 

「それでは皆さん準決勝戦を開始いたします!」

 鳥沼さんのアナウンスが会場に流れる。

 

 ガンプラバトル用の筐体にGPベースをセットしてその上にプラモデルを置く。

 アルトアイゼン・リーゼには前回施さなかった大量の武装を詰め込んだ。両肩から突き出したハイパーバズーカが機体の重心を取り辛くさせ、両足のミサイルポッドは足枷の様だ。

 

 敵がデカくて頑丈そうだから沢山武器を持ちました、などバカげているがそこが俺の愛機らしいところだ。

 

 サイコロガンダムだって元々おふざけから生まれたキャラクターだ。みんなで思いっきりバカやろうじゃないか。

 

 

 

【Battel Start】

 

「チームスパロボ行くぜ!」

 バトルフィールドは高層ビルが立ち並ぶ大都会。そこに出現するサイコロガンダムがいかにも首都を襲撃する怪獣のようだ。

 サイコロの1の目から拡散ビームを放ち高層ビルを次々に溶解していく。まさに怪獣!

 

 実際は巨体を動かすために邪魔なビルを排除するために行ったのだろう。

 

「2人とも今の攻撃に巻き込まれてないだろうな」

 加倉からの通信だ。

「俺は大丈夫、無傷だ。」

「私も損傷なし、問題ありません」

 よし、3人とも無事だ。

 

 ソウルゲインとヴァイスリッターには追加武装を施していない。機動性と運動性を重視したためだ。

「俺が囮になるから白樹は援護を頼む。隙を見せたら勇登の出番だ」

 

 加倉は浮遊しているサイコロガンダムの真下を取るため地を這うように移動する。

 

 白樹さんはオクスタン・ランチャーEモードでサイコロガンダムの口元を狙う。ライフルから放たれたビームは敵機の直前で見えない壁に当たったかのように散り散りなり消されてしまう。やはりIフィールド機能が付いていたか。

 

 移動しながらソウルゲインが適当に放つ青龍鱗もIフィールドに掻き消される。Iフィールドは頭部だけではなく全身を覆っているようだ。

 

 サイコロの1の目が光だした。次第にその光は強く輝いていく、周囲のプラフスキー粒子を吸い取り再び拡散メガ粒子砲を照射するつもりだ。これまで他の試合で見せたよりもチャージ時間が長い。

 

 ヴァイスリッターが接近しながらBモードで1の目を狙い撃つ。実弾のためIフィールドに遮断されることはない。

 俺も両肩のハイパーバズーカを1の目目掛けて発射する。

 

 弾丸と弾頭が何発も直撃しているのに何ら変化しない。エネルギーが弱まる事も暴発する事もない。

「白樹さん無理だ! 逃げるなり隠れるなりするんだ!」

 このままでは確実に発射される。俺達の火力では止めることすら出来ない。

 

「まだだ! 俺に任せておけ!」

 ソウルゲインが跳躍してサイコロガンダムの目の前に現れた。右腕が黄金の竜巻を纏っている。

 

「喰らえ! 玄武金剛弾!」

 玄武金剛弾はサイコロガンダムのコクピットと思われる口元に目掛けて力強く打ち出された。口元のコクピットハッチを砕き内部にまで抉りこむ。

 意外とあっさり勝てたのか?

 

 俺がほんの僅か油断した時、サイコロガンダムの額から閃光が放たれた。ソウルゲインの左肩が消し飛ばされ、そのまま地面に墜落する。

 

「野郎、まだ生きてるのか!」

 通信が出来るため加倉はまだ撃墜判定を喰らってはいない。

 玄武金剛弾も直撃したまでは良かったが、敵機の内部に入り込んで出てきていない。内部に鉄板でも仕込んでいるのか!?

 

 加倉の攻撃をものともせずサイコロは粒子を蓄え続けている。

 

 俺は特に狙いを定めず両足のミサイルポッドとウイングのスプリットミサイルを全弾発射する。奴に支障を与えられるなら何処に命中しようと構わない。

 サイコロガンダムは無防備にミサイル攻撃を浴びるがビクともしない。

 

 くそッ、今度こそ確実に照射される!

「2人とも逃げろ!」

 

 ビルなど盾にもならない、無駄だと分かっているのに多くの遮へい物がある方へと身を隠しながら逃げる。僅かでも生存率を上げるために。

 

 次の瞬間何が起こっているのか理解しきれなかった。

 幾つもの光の束が街を消し去っていく。建物や道路が光に包まれて消えていく。

 危機感と恐怖に体を支配される。

 

 ガンプラバトルでこんな体験はかつてない。『死』を感じた。このままでは死んでしまう。

 

 

 敵の攻撃が止むまでどんな回避方法を取っていたかわからない。無我夢中なって生き残ることしか頭になかった。

 

 辺りを見渡すと余りにも悲惨な光景だ。地面は焼け爛れ墨の様に変わり果て、背の高い建造物等何処にも残っていない。

 不規則で無差別に照射されるメガ粒子はフィールドの地形すら変貌させてしまうほどの破壊力だった。

 

 リーゼが無傷で残った事が奇跡に思える。いや、機体状態を確認すると追加した武装が無くなっている。身軽にするため無意識にパージしたのか。

 

「勇登! 生きているか返事をしろ! 返事をしろッ!」

 加倉の声だ! 俺に呼びかけているのか。

「俺は無事だ! 加倉こそ大丈夫なのか!」

 

「生き残れはしたが両腕が無くなっちまった。これじゃあ反撃の仕様がない」

 そうだったソウルゲインの武装は腕に集中している。腕部を使用しない武器や技は存在しない。

 

「そうだ、白樹はどうした。通信が繋がらないんだ」

 俺も急いで通信を繋げようとしたが反応がない。

 

 レーダーとモニターを駆使してヴァイスリッターを探す。彼女がそう簡単にやられるはずがない、上手くかわしたはずだ。

 おっ、崩れ落ちたビルの間に白い機体が埋もれているのか?

 

「白樹さん! 損傷具合は・・・って・・・」

 

 瓦礫に埋もれていたんじゃない、半壊して横たわっていたんだ!

 

 ヴァイスリッターの左半身が無くなっている。拡散メガ粒子砲にやられたのか。

「すみません、首の皮一枚で生き残った状態です。残念ながらヴァイスリッターは動けません」

「謝ることはない、俺が何とかしてみせる」

 2人にはもう戦力が残されていない。後は俺とアルトアイゼン・リーゼで闘うしかない。

 

「では私のライフルを持っていってください。まだ使えるはずです」

 

 オクスタン・ランチャーはヴァイスリッターのすぐ横に倒れている。砲身が長いため損傷しやすいはずだが、白樹さんの言うとおりまだ使用出来そうだ。

 長距離射撃などやったことがないが持っていこう。いざとなったら鈍器として振り回せばいい。

 

「じゃあ、行ってくる」

 俺はオクスタン・ランチャーを拾い上げた。

 




 バトルは後半に続きます。

 Gジェネの影響でサイコロガンダムは最強角のイメージが強いです。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。