就活や、ここのログインが出来なくなってしまったり、諸々ありまして、年明け寸前にやっと戻ってこれました。
不甲斐ない作者ですが、これからもよろしくお願いします。
「明けましておめでとうございます!」
「明けましておめでとう。」
「明けましておめでとうございます、今年もよろしくお願いします。」
新年。
僕達は竜の国の王城で新年を迎えていた。
「姫様、ゲオルグさん、今年もお願いします。」
「ええ。シオンさんも、オラージュちゃんもお願いしますね。」
「シオン。今年もよろしくな。この後、竜騎士団の新年特別訓練…というよりは無礼講に近い恒例行事だな。姫様も参加される。ちょっとした景品もある。まぁ、楽しめよ。」
特別訓練…?
それがどういうものなのか分からないまま、姫様と手を繋いで訓練所へと足を向けた。
〜訓練所〜
「新年!!明けまして!!!おめでとう!!!!!」
ゲオルグさんの声が訓練所中にこだまする。
「今年も、竜騎士団恒例、新年特別訓練を開催する!」
うおおおおおお!!!
団員の雄叫びと共に、ボルテージは一気に高まる。
ゲオルグさんからは戦闘準備をしてから来い、とのお達しだったが。
これから何をするのだろうか、と考え事をしていると、前にいた団員から、前世でものすごく見覚えのあるラケット的な何かを手渡された。
これは……!羽子板だ!!!
「皆にも行き渡ったと思うが、今から羽根つきを行う。2人チームに分かれて、先に3失点したチームの負け抜け、最後に残ったチームにはお年玉を渡す!今更だが、武器、ドラゴン、己の技、どんな手段を使っても構わん。己の力、技術、その全てを生かさねば、勝ちはないからな。」
うおおおおおおお!!
……竜騎士団って、こういうノリだっただろうか…。
さておき僕は、自然な流れで姫様と組むことになり、迎えた第1戦。
相手の打った羽根が姫様に直撃するコースだったので、オラージュの雷撃で敏捷性を上げ、羽子板を双剣に持ち替えて、剣の面の部分で羽根を一閃。
オラージュのバフを乗せた双剣の一撃は想像以上の威力で、相手の打ち返した羽子板にめり込み、外れなくなっていた。
姫様も姫様で、テニスで培ったであろう高速カーブショット(ご丁寧に、打ち返した相手を凍結させ、スリップフィールドを作成するところまで完全再現)を披露し、気がつけば残りのチームは、僕&姫様、セルジュ団長補佐&ゲオルグさんの2チームだけとなっていた。
「案の定、か。いくぞ。」
「よろしく頼むよ。」
姫様はラピュセルに乗りながら、セルジュさんが打ち上げたショットを、高高度からのほぼ直角から撃ち込み、負けじとゲオルグさんも羽根自体が燃えている、打ち返せば大火傷間違いなしのショットを問答無用で撃ち込んでくる。
それを僕は魔力を使い、上空で凍結させて姫様のスマッシュチャンス
を作り上げる。
「はあぁぁぁぁ!!」
姫様が裂帛の気合いを込めて叫び、決着のスマッシュを打ち込もうとした、まさにその時。
「明けまして、おめでとうございます。シオンさん。」
「随分と寝相が悪かったな。どんな夢を見ていたんだ?」
姫様とゲオルグさんが、僕の自室のベッドの横で並んで立っていた。
「えっと、羽根つき大会は?姫様のラピュセルに乗りながらのスマッシュで決着がつきそうだったのですが。」
「羽根つき?それは何ですか?ゲオルグ。」
「アオイの島やクジョウの島などに伝わる正月遊びです。それにしても、羽根つき大会か…。ははは!!楽しそうな初夢で何よりだ。」
まさかの、夢オチでした。
「ただ、いいかもな。羽根つき大会。今日の訓練でやるか。」
「私もやります!」
「ええ。姫様とタッグで優勝を目指しますよ、正夢にします!」
「タッグ決めは公平にくじ引きだからな。」
「…はい。」
「ラピュセルも参加出来ますかね?」
「シオンの見ていた初夢的にはOKだろうが…。善処します。」
今年も、竜の国は平和です。
改めて、明けましておめでとうございます。
早く本編も進めたいので、なるべく早めに次話投稿します!