インフィニット・ヴィエルジュ~世界の希望を映す者 作:カオスサイン
Side一夏
模擬戦当日
「学園配備の予備機が今は無い。
なので織斑、花岸お前達には専用機が与えられる事になった」
愚姉がそんな事を言いにきた。
「すいません、俺は既に専用機を所持していますのであしからず」
「なんだと?…」
「お前!ちふ…織斑先生の好意を不意にする気か!?」
「…」
「おい無視すんな!」
俺が専用機所持を告げると訝しむ愚姉。
それと支離滅裂な事を言う駄兄は無視。
「その調子だと織斑の機体は未だ届いていないご様子ですね。
だったら先に俺かミルドがオルコットとの対戦に出ましょうか?」
「あ、ああ…まあそうなるな」
「ならば先に私が出るとしよう」
「お、そうか」
俺達の話を聞いていたミルドが願い出てきた。
Sideミルドレッド
「ふむ、ではいくとしようか。
「黒紫蝶」」
束博士殿から受領した専用機を展開しアリーナに降り立つ。
オルコット氏も既に臨戦態勢を整えている。
「本当に声が私とそっくり似ていますわね…」
「そのようだ、私も少しは驚いたさ。
でも今はこの戦いを楽しもうではないか!」
「!?」
彼女達の対戦を観戦していた一般生徒は後に語る。
ミルドレッドが真顔のままセシリアにほとんど反撃の隙を与えず完勝した。
その光景は正に魔王の如しだったという。
「小娘よ、所詮その程度の力では私や他の者は兎に角、一夏には勝てんよ」
「くっ…」
これで変わると良いのだがまあすぐには無理であろうがな。
Side一夏
「まさかエクシードで強化すらしていない通常の魔力弾七、八発で決まるとはな…」
「阿奴が弱過ぎるだけに過ぎんよ今の所はな…」
「それもそうか」
若干やり過ぎだとは思えたがそもそもミルドは最初から代表候補という肩書に胡坐をかいている今のオルコットにエクシードを使う気など毛頭なかっただろう。
まあ観戦していた生徒は唖然としていたが無理もないか。
「ン?どうやら来たようだな」
「!」
「一夏、自らの因縁に終わりの始まりを示すが良い」
ミルドがそう言うと駄兄の専用機がようやく届いたのか急なマッチング変更の放送が鳴る。
「ああ!いくぞ!「ドライヴユナイト」!」
機体を展開しアリーナに降り立つ。
一方の駄兄は白い機体を纏い仁王立ちで待ち構えていた。
「天才のこの俺に勝てるとでも思っているのかい?」
「下らない御託などいい。
此方は最初から全力全開でいかせてもらうぞ!」
「フン、まあ良いさすぐに…」
「いつまで喋っているつもりだ?」
「なっ!?…」
開始ブザーが鳴ったにも関わらず下らない御託を並べている駄兄の格好の隙を突きブレードで斬りつける。
直撃した駄兄は刀を振るってくる。
あれは…愚姉が使っていた雪片の発展型か?
俺は即座に籠手を構える。
「そんな手刀如きでこの雪片弐型に勝てるとでも本気で思っているのかい?
おらよお!」
「甘い!」
「何!?」
駄兄の振るってきた雪片を俺は籠手で掴み白刃取リした。
「織斑、一つ聞く。
お前には俺と名が同じ血の繋がった弟がいたそうじゃないか」
「チッ!思い出したくもねえ事を!…はん!あんな只の出来損無い、俺と千冬姉の足を引っ張っていただけの玩具なんか弟じゃねえよ!」
「そうか…それを聞けて一安心だよ。
【αドライヴユナイトリンク】開始!」
「な、何を!?…」
この機体の真価は俺が絆を結んだプログレスのエクシードを疑似的に使える所だ。
「【二連乱舞<デュアル・スラッシュ>】!」
「ぐばっ!?…」
シャティーが持つエクシードの一つ、Cランククラスの目にも止まらぬ高速斬撃を繰り出した。
駄兄は回避すら出来ずに物の見事に直撃した。
「くうっ!?…糞!これならどうだい?【零落百夜】!」
「!」
やはり備わっていたか!
絶対防御を貫く一撃。
そっちがその気なら此方はこれ以上長引かせる訳にはいかない。
「【暁を待つ<チャージ・サンライズ>】!」
「何をやったのか知らないけどこれで終わりだ!」
「甘いといっている!」
「んなっ!?…」
俺はミルドのCランクエクシードを発動し、ほんの一瞬だけチャージ態勢に入る。
それを見て駄兄は突っ込んでくるが俺は零落百夜を発動させている雪片を又も籠手で受け止めた。
それに駄兄は驚いている。
「な、なんで零落百夜が!?…」
「天才(笑)の癖に分からなかったのか?
その能力が唯一有効なのはエネルギー体にだけだ。
よって実体のあるこの籠手を破壊する事は不可能!
次の一撃で終わらせてやる!」
「く、糞!?…やられろー!」
俺の指摘に冷静さを失ったのか駄兄は無茶苦茶に雪片を振り回してくる。
「自分と同等以外の者の努力を散々嘲笑い胡坐をかいてきた報いを受け取りな!
【二連破舞<デュアルフォース>】!」
「うわあああああー!?…」
二連斬舞の上位互換の高速斬撃を浴びせ奴のSEをエンプティーにさせた。
機体を強制解除させられた駄兄は白目を向いて気絶していた。