ある日突然、私は記憶を失ってしまった。
「○○おはよー」
「○○大丈夫だった?」
自分の名前も、居場所も分からなくなってしまった…。
そんな時、転校生が来た。
『よろしく。もう体大丈夫?』
その一言ははっきりと聞こえた。
やさしい声で私の悩みも吹き飛ぶかのように…
それも長くは続かなかった…
生まれつき、体力もあまり無いため重い病にかかった。
原因は私の一族の末裔であるものは力を持つ…そう。
私はその力を持つ末裔だから力を使ってしまった…
そして、私は地面に倒れこんだらしい。
結構心配をかけたらしく、クラスメイトにも
そしてまた彼も心配をして毎日来てくれた。
でもある日、突然と姿を消してしまった…
彼に会うだけでどれだけ救われていたか。
素直で時には相談にも乗ってくれる大切な友人。
なのに…私も今日でこの世を去るといわれた。
数時間しかもう持たないとのこと。
彼がもし、死後の世界で私を待っていてくれるなら…喜んで死を受け入れると誓った。
もう、何も怖くない。でも…一つだけ願うなら。
『彼ともう少しだけ時間を共に過ごしたかった』
そして、私は瞳を閉じた。
何もない空間に来たみたい。
(あぁ、やっぱり死んじゃったんだ…)
あの人ともう少しだけ、一緒に居たかった…
涙がとまらなかった。
何もない真っ白の世界。
私は一つのリボンが置いてあるのに気が付いた。
『我の言葉が聞こえているのか?娘よ』
何処か遠いところで声が聞こえた。
でも、声が出ない。
『聞こえておるのだろう。そうじゃ、娘に会いたいというものがおってな。』
目の前にいたのは…そう彼だった。
「あぁ…逢えてよかったです。ルリさん」
『海斗…』
「いつも言いたいことがあったんです。」
『なに?』
「ほんと、君を見ていると危なっかしく見えます。」
と海斗は微笑んでいた。
彼が微笑んでいるとほっとする。
「さぁ、もう行く時間だよ。瞳を閉じて…ルリさん。」
『え…?』
「お別れだよ。君は『死神』としてよみがえってね。」
『海斗は?』
「いずれ逢うと思うけど…君が望むなら…」
と私は言われるまま瞳を閉じた…
『また、出逢うことを…祈ってます』
『死神』はいずれすべてを知る。
そういう存在なのだ。
それと同時に、大事なものを封印されてしまう。
『対価』というやつであろう
だから、私は進んでいく。
貴方に会うため…もう一度出逢う為に。
『死神』になって、貴方を捜し出してみる…
絶対に私は、立派な死神になる。
―封印された記憶の箱を開けるために―