「ある意味貴重な存在かもしれないな。」
とアルトスさんは言った。
武器をvoice化…
そのことが頭から離れなかった。
「ルリ、下がれ」
突然アルトスさんが言い放った。
(一体どうしたんだろう…?何か異変を感じたのだろうか?)
「初代…?なのですか?」
『あぁ。そなたの後ろにいる少女は初めての顔だが…アルトス』
「私がつい先ほど見つけました。」
『敬語はやめないか…アルトス。同期なのに。』
と少女は笑った。
なんでだろう…見たことがあるような…!!
「私は…忘れてたの?」
『そなたにも私が見えるのか?』
「はい…あなたに私は一度、どこかで会いましたよね?」
と恐る恐る聞いてみた。すると…
『あぁ。思い出してくれたのだな?』
「一応、思い出した気が...してます。」
『それは、よかった。』
と、少女は微笑んだ。
やはり、この微笑みをどこかで見たことがある。
『私は、ほんの少しまででそなたの探している記憶とともに眠っていた。そなたがここにきて私は目覚めた。』
「私の記憶?」
『あぁ。まぁ、それ以上は言えないがそなたには死神の資格がある。アルトスの言う通り学園に行くべきだ。』
と少女は真剣な顔をしている。
どうして私を学園に行かせたいのか不思議だった。
『そなたは…この世界を変える事ができるかもしれない』
急に少女は言い出した。
「え…?どういうことですか?」
「あいつは自分が成し遂げられなかったことが一つあってな。自分のせいでどれだけの人が死んで、どれだけの人が自分のために命をたって行ったことも…それらの魂を天に返すためここに来た。」
『そんな昔の話はやめてくれ。アルトス』
「おまえはそうやっていつも逃げてたな。」
『昔の話はどうだっていいだろう?彼女は私の最後の望みなんだ』
「それなら話すべきだろう?」
『それは…私だって。』
と黙り込んでしまった。
「あ、あの…私が最後というのは…?一体…」
『希望を託したい者。そなたにふさわしいと思ってな』
「それは、ありがたいですけど…過去に何らかの事情があり、成し遂げることができなかった…でいいんですか?」
『あぁ。理解が早くて助かる』
とまた少女は微笑んだ。
「ルリには窮屈なのかもしれんが学園に入ってくれるね?」
戸惑いもある。でも希望を託されたのじゃぁ、仕方ない。
まだ、この世界の理屈はは分からないけれど…私でいいのかな。
「―はい。―」
「んじゃー決まりだなっておい…どこ行ったんだ全く」
すでに少女はいなくなっていた。
私はあの少女の過去を知ってはいけないと感じた。
相当の苦しみを味わったんだろうと思ったからである。
「アルトスさん。いつから学園に行くのでしょうか?」
「明日からだ!」
「え…」
「気合い入れていこうな!新入生!」
と私の運命が変わり始めた気がした。
でも、あの少女はどうして私なんかに希望を託していったのだろうか?
記憶がないからわからないや。
とまた私は桜の木の下で月を眺める。
「綺麗な月だ…」
一人、私は呟いた。