心が痛い。
裂けてしまうかのようで...
泣いたってなにも変わらないと分かっているのに。
また、一人になってしまうのを恐れているのだろうか。
前世ではクラスから一目置かれる存在だった。
それだけだとよかったのに...
頭は良かったし、運動神経は桁外れ。
名家のお嬢様とかあらぬ噂までたつほどだった。
でも、人当たりが悪かった...。
だから自分が好きになれない。
またこの世界でもそうなってしまうのだろうか...
あの人の顔が思い出せない。
思い出そうとするとそれを止めるかのように心が酷く痛くなる。
裂けそうで...貴方をただ思い出したいだけなのに。
怖くて、裂けそうで、涙が止まらなくて...。
いつのまにか私は目を開けていた。
リヒトが夕日を見て歌っている。
心が気持ちい...何処かで聴いたことがある...。
「あの...」
私はつい声を出してしまった。
邪魔したくはなかったのだけど。
「大丈夫?」
「はい。心配をかけてしまって...」
「ルリ...」
「何?」
「僕は...死神をしてていいのかな」
と寂しげにリヒトは笑う。
「もっと、自信を持ってください。死神をしてていいと思います...私は。」
「でも...いつも邪魔な存在だし。」
「そんなこと、気にしてたら疲れるだけだと思うけど?」
と私は思ったままのことを言った。
「そうだね...」
とリヒトは食事を持ってくると言って部屋を出た。
私は夕日を見てふと思い付いたメロディーを歌う。
『♪:暁色の空...遥か彼方へ懐かしい記憶...届けたい...天高き空は...果てしない終わりを告げた...いつの日か貴方を忘れて...いつか消えてしまう...暗い闇から明るい光を目指して...』
と私は歌い終わった後に気づいた。
指輪をはめていたことに...
「こんなのあったっけ...?」
「食事持ってきたよ。 」
とリヒトが帰ってきた。
「リヒト...ひとついい?」
と私は訪ねた。
そして、
自分がはめていた指輪の事を話すと...
「あぁ。ルリの力が秘められているんだね。僕はペンダントだよ」
ときれいな黄金色に輝くペンダントを見せてくれた。
「私の力...」
「きれいな指輪だね。暁色かな...。」
「これってどう使うの?」
「んー。それは...人によって違うからね...何とも言えないよ。」
と困った顔をしていた。
「食べていい?」
「うん。熱いからね...」
と私はクリームシチューを食べた。
「美味しい...」
「でしょ?よかった...口に合って。」
とリヒトはほっとしていた。
色々話をしながら食べていた。
私は食べ終わり、リヒトに告げた。
「私、明日から頑張っていくよ。」
「大丈夫?」
「うん。もう治ったみたいだしね」
と言ってリヒトと一緒に下へ降りた。
「ルリ大丈夫か?」
「はい。おかげさまで」
と私はアルトスさんと一緒に去っていった。
月明かりに照らされている桜の木。
そして私は思った
このまま時間が流れたなら...少しは楽になれたのかも...と。