魔法少女リリカルなのは~心の剣と小さな奇跡~外伝 作:ディアズ・R
なんだこのリニス……
SAOのデスゲーム開始から一か月。
未だに第一階層すら攻略できず、プレイヤー約2000人が死亡。
その現実に約二割のプレイヤーが攻略を諦め、
そんな現状で私、♪猫@人♪ことリニスは街で露店を開いていた。
メイン商品は、パンである。
「メロンパン下さい!」
「俺は焼きそばパン!」
「私にチョココロネを!」
「コッペパンをよこせっ!!コッペパンを要求するっ!おとなしくコッペパンを出せ!さもなくば―――」
『そういうネタはやらなくていいから』
「……はい」
実に大繁盛である。
まあ、NPC売りのパンは硬めでパサついているのだ。
それに比べて、私のパンはリアルスキルをふんだんに使った柔らかくてしっとりフワフワの逸品である。
夜空だったらシステムを凌駕してくるパンとか作るんでしょうけど、私には無理ですからね。
というか、なんでパンを売っているのかというと、少し前までキリトと一緒にレベル上げしていたのですが、ボスの場所が分からず、レベルも上がりにくくなってきたので別れて情報収集をしていたんです。
問題が発生したのがここから。
男性プレイヤーに話しかけるとナンパしてくる。
女性プレイヤーに話しかけるとナンパしてくる。
どうしてそうなった(笑)
男共が私という美人を放っておけないのはわかる。
けど、何故女達までそんな反応なのか。
私ってホント罪作り♪
で、情報収集がまともにできない現状、どうするか考えた結果パンを売るついでに話を聞くというのに落ち着いたのだ。
そんでつい最近ボス部屋が発見されて、今日その攻略会議が今いる街で行われるという情報を入手したので、朝からパンを売っている次第である。
ぶっちゃけ、ただの暇潰しだったりするのは秘密である。
「本日の販売終了で~す」
「うわ!?間に合わなかったぁぁぁぁぁ!!!」
「クッ♪猫@人♪様の手作りパン……購入者を殺してでも」
「ここにPK予備軍がいるぞ!気を付けろ!!」
「焼きそばパンうめぇ……サンドイッチとか販売予定ないですかね?」
「今日の昼飯楽しみだな~♪」
作れば作るだけ売れる、笑いが止まりませんな(笑)
私程度の技量でこれですから、夜空達が店でも開けば開店一時間ぐらいで品切れになりそうですね~
食欲って大事ね。
それはさておき、そろそろ会議が始まりそうだし集まっておきましょ。
店を撤収させ、戦闘メインの集団に近づくと見知った顔が一つ。
キリトなんですけど、カッコ付けた中二患者みたいな雰囲気で正直話しかけづらいっす(´・ω・`)
なんとなく気配を消して、背後にくっついていく。
街から少し離れた場所にある石造りの舞台で思い思いの場所に座る。
「はーい!それじゃあそろそろ始めさせてもらいまーす!」
ディアベルと名乗るプレイヤーが、今回の攻略リーダーのようでボス部屋を発見したことを宣言した。
冗談を言って場を和ませるなんていうユーモアもあるようで、なかなか良いリーダーなのだろう。
まあ私の基準は夜空なんで、実力もカリスマも圧倒的に足りてないとしか言えませんが。
そんなこんなで、攻略のためにこの場にいる者達でパーティーを組むことになった。
で、目の前のキリトは後ろの方でカッコ付けてたので、あぶれていた。
私は別に、一人で挑んでもいいですし、普通にキリトと組んでもいいのでもうちょっと慌ててるキリトを観察することに。
すると、ローブを着たキリトぐらいの少女を発見したようで、気持ち悪い動きで隣に行く。
「あんたもあぶれたのか?」
「あぶれてない……周りがお仲間同士みたいだったから遠慮しただけ」
この感じ、キリトは男だと思ってるっぽいですね。
そして二人がパーティーを組むのを確認し、折角なので私も申請。
私からのパーティー参加要請に気付いたキリトが、驚愕の表情で周囲を見渡しローブ少女に変人を見る目で見られる。
かわいそうに、まだ若いのに……てか、そろそろ後ろにいることを教えてあげましょう。
キリトに声をかけようとしたら一人のプレイヤーが乱入してきた。
「ちょお待ってんか!」
トゲトゲ頭のおっさんが現れた。
とりあえず防御でもして様子を見ましょう。
「ワイはキバオウってもんや」
βテスターが見捨てたうんぬんかんぬん。
長身マッチョの色黒ハゲがβテスター全員が悪いわけじゃないとかなんとか。
ディアベルが、とりあえず一緒に頑張ろうとまとめる。
目線の動き的に、ディアベルはβテスターっぽいんですけど。
ついでにいうと、キリトのことも知ってるっぽいですね。
チラチラ見まくってますし。
そんなどうでもいいことは置いといて、一時解散してそれぞれ親睦を深めることになったようですね。
キリトとアスナ(パーティー結成時に表示)について行ってみる。
適当なところに座って食事を始めた。
立ちっぱなしもアレなので、キリトをアスナと挟むように座っておく。
私もクロワッサンにイチゴジャムもどきをつけて食べる。
もぐもぐ……40点。
なんだかんだキリトとアスナは友好的ではないにしても協力はするようだ。
夜空にも見習わせたい初々しさ。
~なんだかんだでボス戦~
未だにキリトの後ろに隠れる私。
これが背後をとる程度の能力!
演説やら会話やらを聞き流し、とりあえず戦闘である。
序盤・中盤と特に問題なく作戦通りに進み、これなら勝てると皆が思い始めてボスの残りHPが残り僅かというところでリーダーディアベルが前に出た。
ボスは手に持っていた武器を捨てて背負っていた武器を手に素早い動きで上を跳び回りディアベルに一閃。
間違いなく一撃でHP全損しそうな攻撃を受け止める私。
いきなり現れたように見えた私をその場にいた全プレイヤーが驚愕の表情を浮かべるなか、キリトは納得顔。
しかし、ここでかっこよくきめるつもりはない!
「レベルが足りなくて、折れそう(涙)」
『マジでか!?』
パンばっか作ってるから!
キリトさん助けて(涙)
「楽してるからそうなるんですよ!アスナ!」
「ハアァァァ!!」
アスナの高速の突きがボスの腕を貫く。
剣が深く刺さり抜けなくなっているが、もう一人が斬りかかる。
「スイッチ!!」
「アァァァァァ!!!」
その一撃がラストアタックとなったようで、ボスが消えて次の階層への階段が現れる。
静寂がフロアを満たし、誰が呟く。
「やった?」
「か、勝った?」
『……よっしゃぁぁぁぁぁ!!!』
爆発するような歓声がフロアに響く。
私は大の字で倒れるキリトに一言。
「乙」
「殴っていいよな?俺殴っていいよな!?」
「やだ、怖い(笑)」
怒っちゃやーよ♪
そんなやり取りをしていたらアスナが近寄ってくる。
「お疲れ」
「あ、あぁ、お疲れ」
「その人は?」
「あー知り合い?」
「ふーん……ねぇ、何で私の名前わかったの?」
何を言っているのでしょうこの娘さん?
キリトと顔を見合わせ、キリトが何かに気がついたような顔をする。
「名前は、ほら、ここら辺にパーティー組んでる人のが出るんだよ」
「……あ、ホントだ」
あぁ、初心者さんでしたねこの人。
クスクスと笑うアスナと黒ハゲマッチョに背中を叩かれてるキリトを眺めていたら、ディアベルその他が近寄ってくる。
「キリト君、だったかな?ラストアタックおめでとう。それと♪猫@人♪さん、先程は助けていただきありがとうございます」
「いや、運が良かっただけだ」
「(  ̄ー ̄)ノ」
私の渾身の顔文字に苦笑いのディアベル。
練習したのに(´・ω・`)
「……お前、βテスターやろ」
流れをぶったぎるように言ったのはキバオウ。
相変わらずやねぇ。
「……そうだ」
「……ディアベルはんも、そうなんやろ?」
「……あぁ」
男ってなんでカッコつけて一拍置くんでしょうね?
中二病でいいのかしら?
まあ私は空気の読める女、黙っておきましょう。
「……なんでや」
「……すまない」
「……俺をそこらのβテスター共と一緒にしてもらったら困るな」
「なんやと?」
「キリト君?何を……」
仲違いしそうな二人の会話をBGMに相棒キリトの思い詰めた顔を眺めていたら、唐突に周囲を見下しながら全員に聞こえる声で言い放った。
この後の展開に(0゚・∀・)wktkしながら見守る。
「同じβテスターとは言え、ろくにソードスキルも使えなかった奴等と一緒にするなって言ったんだ」
なんか、キリトさんがいきりはじめた。
ハッ!?電波が!これがイキリトか!!
ピーピーギャーギャー楽しそうなので、私は先に行きますね~
次の階層への階段を上ってるときに、ベーターとか言うクソダサな通り名つけられてるキリト。
いじめかしら(笑)
第二階層を見ていたらキリトが来た。
黒いローブ姿になってる。
「……ハァ」
この野郎!私を見て溜め息つきやがった!
オコだよ(# ゜Д゜)
「ベーターのイキリトさん」
「完全にバカにしてますよね?」
「そんなまさかぁ!」
「はぁ……猫人さんはどうするんですか?」
「パン作ります」
「いやレベル上げしろよ」
「てへぺろ♪」
作業ゲーは苦手なのよね。
To be continued.
とりあえず投稿したけど、久しぶりの投稿がこれかー
他も少しずつ続き書いてるので頑張って投稿してきます!
誤字脱字があったらそれとなく伝えてください。