下手したら後本編が二話やったら俺たちの戦いはENDになる可能性がありますが(震え声
七十八日目 ドリームマッチ?
三麻で時間を忘れて対局していたら何時の間にか日が昇ってた、時間を確認すると既にみんな朝食を取った後らしく、みんなに呆れられた。
咲は『もーっ呼んだのに耳に入ってなかった京ちゃんが悪いんだよ!!』と言って怒りながらサイドテーブルにサンドイッチとコーヒーを置いてくれた、三人分。
…………二号は兎も角一号は霞食ってる疑惑あるから飯食わねぇんだけどな。
軽い朝食を喰ってる最中に鷲巣さんが到着、相変わらずの覇気に安心すると共に既に暖まった場が完全に荒れる事を否応無く理解させられる。
『良い顔をする様になったの、漸く吹っ切れたか』と悪どい笑いを浮かべた鷲巣さんはそのまま空いた椅子に座り、上着を付き添いの隼に渡した。
これ以上語る言葉に意味は無い、今までは唯勝つ事だけを目標としてきたけど、勝って楽しむ事が重要だと気付かされたのだから楽しみながら勝つ!!
東一局 親は二号 ドラは白。 俺は南家、鷲巣さんと一号は西家、北家にそれぞれ座った。
第一打は西、基本的に二号は嶺上開花し放題だから鳴かせない打ち回しをする必要がある、しかし今此処には豪運と流れを支配する二人がいる、鳴かせる事に怯えていては勝てない。
ツモは五索、配牌時点で七対子二向聴、白も二枚握っていたが早々に白を打ちたかった。
しかし第一弾から鳴かせては二号は当然の様に白をポンして満貫が確定する、鳴かせる事に怯えてはいけないとは言え白だけでなく発・中も握ってるだろうと予想しながらツモった五索を河へと落とす。
問題はこの次、二号に鳴きを入れてツモ順をズラせなかった為次のツモは鷲巣さん、あの人なら地和や人和は当たり前だから警戒してもし足りない、寧ろその警戒が無意味に終わる事も多々あるのだ。
ツモ牌を見て鼻で笑った鷲巣さん、そのまま彼は牌を雀卓に強打して牌を倒した。
一瞬、地和か?と驚いたが彼の配牌は国士無双、白が四枚見えた時点でアガリ目無しなのだが、よく見ればツモった牌は一萬、配牌時点でまだ一向聴だったのだろう、つまり九種九牌で流局。
あの状態からでも字一色に染まる豪運を持っている鷲巣さんが九種九牌で流したと言うことはつまり二号は高い手を張っていたと言う事、しかも鷲巣さんが後追いを断念するレベルの速さ。
いや、その後追い断念は一号の性質を本能的に察したからか?
あっさりと流れた先生の親番、しかし伏せた配牌が洗牌の穴へと落ちる際にその手に発・中が見えた。
初っ端から大三元、或いは小三元ドラ三の跳満、相変わらずお手軽高打点を作る事に定評があるなこの人……。
東二局 ドラは東。
配牌時に既に全帯・一盃口聴牌、東が槓子だが問題は暗槓して立直かそのままダブリーをするかだ。
ダブリーした場合待ちは九筒単騎、暗槓すれば嶺上開花で無理やり和了できるだろう、それが成立するかは別として。
ちらっと先生一号と鷲巣さんの顔を見るがどちらとも取れる表情を貼り付けたままだ、今までなら降りを選択していたが敢えて暗槓。
国士槍槓を喰らうと決めて回していた昔とは違い、喰らったとしても関係ないと言う考えの元の攻め、幸いな事にその俺の行動は正しく、自摸・全帯・一盃口・嶺上開花・W東・ドラ四の三倍満、新ドラが乗らなかったので役満には届かなかった。
一本場、ドラは一筒。
配牌が八種八牌、先ほどの手は立直を掛けるのが正解だったらしく、不要牌を整理しようと西を切った瞬間鷲巣さんの人和に放銃した。
幸い人和のみだったのでトビ終了とはならなかったが、次局で鷲巣さんがダブリー宣言、一発で役満をアガられると察した俺は宣言牌をポン、その後二号に三鳴きさせて無理矢理和了らせた。
槓ドラが付いちゃったから三倍満出費になっちまったけど、天和ダブル役満とか言う事故は回避出来た。
そうホッとした矢先、東三局に一号がダブリー宣言、はえーよ爆速で仕上がってんじゃねーか。
安牌ゼロの状態から配牌の牌は切りたくない、なのでたった今ツモった一索をツモ切った。
『御無礼、ロンになります』
そう言って先生が晒したのは清老頭、オーバーキルも大概にしてくれよ……。
後ろで見ていたみんなは『えっ? なにこの理不尽麻雀』と言う顔をしていたけど、俺にとってはこの理不尽こそが麻雀なのだ。
まぁ、その後俺は気力が尽きるまでタコ殴りにされたんだけどね……。
ps
昼飯の買い出しに行って帰って来たら全員打ったらしい、御愁傷様でした……。
サクッと終わるかと思った作品が番外含めると既に90話越え……うん、ペースおかしいね(遠い目