須賀京太郎の麻雀日記   作:ACS

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時間をすっ飛ばして合宿明けです。

割と本気でやる事無くなったのでサクッと大会行って良いっすか(震え声


七十九頁目

七十九日目 合宿明け

 

 

合宿明けは大会まで一週間ほど休みとなった、部長曰く『少なく見積もっても一年分は麻雀を打った気がする』との事。

 

合宿の疲労を抜いて体調を万全にするのが目的なんだろうけど、まぁあの三人と同時に対局したら麻雀の様なナニカにしかならないし当然ちゃ当然か……。

 

そのせいで何時もの雀荘でマホちゃんに麻雀を教えてたんだけど、其処へ意外な人物が現れた。

 

特徴的なうさ耳の様なカチューシャを付けた小柄な少女、以前対局した天江衣その人だった。

 

以前に出会った時とは違い、幼さが消えた様に見える彼女は『久しいな雀鬼よ、三年ぶりか?』と言って執事を引き連れて堂々と此方へ来た彼女は俺の卓の椅子には座らず、近くの卓から別で椅子を持って来てそれに座った。

 

てっきり再戦でもしに来たのかと思ってマホちゃんに離席して貰ったんだけど、どうにも違ったらしい。

 

『なに、偶々近くを通ったらお前の姿が窓越しに見えたからな、挨拶でもと思って此処に来ただけだ。 そもそも大会が近いのだ、同じ地域の生徒同士で対局するのは大会規定に引っかかるだろうに』と言って足を組んだ彼女は執事に紅茶を注文して俺の個人レッスンを眺めていた、実に意外そうに。

 

……悪かったな意外にこんな事してる奴で。

 

俺自身もなんで今までこの個人レッスンが続いてるのか不思議で仕方ない、この子には色々と教えてるし何局かに一回はそれを模倣してくれるんだけど、チョンボ癖が治らないので永遠の初心者のままだ。

 

その所為で中々合格点が出せずこの個人レッスンも続きに続いて三年目だ、横で紅茶を飲みながら眺めてた天江さんは俺にこっそりと『この娘、お前と一緒に居たいが為に態とチョンボしているのでは無いか?』と耳打ちしてくれた。

 

その事は勿論俺も考えたが、マスターに頼んで用意して貰った俺が居ない間の牌譜がそれを否定する、天江さんにも見せたが役満と同じかそれ以上の比率でチョンボが出てればねぇ……。

 

ノーテンリーチ位ならば俺もやるけど、やる必要のない場面でのチョンボが多過ぎる、同意見なのか不思議なものを見たような顔で天江さんは『お前と言い其処の娘と言い、世の中には不思議な者も多いな』とコメントを残し、一通り牌譜を見終わった天江さんは椅子から降りた後、見物にも飽きたのか俺と入れ替わる様にマホちゃんと打ち始めた。

 

 

東一局 ドラは発、親はマホちゃん。

 

しかし南家の第一ツモは無かった、理由は開幕天和四暗刻と言う安定のマホクオリティの所為だ。

 

やっぱし不発弾の渾名は消えないか……開幕の惨事に見舞われた天江さんは愉快そうに大笑いした後、東風戦を数戦打ってから『そろそろ時間だな、雀鬼よお前の事は大会が終わったら我が家に改めて招待させて貰うとするよ』と言い残して帰っていった。

 

 

…………てっきり敵愾心丸出しにされると思ってたんだけどな、意外に好意的だったな。





衣ちゃん→天江様化。

うちのころたんはカリスマ全開になりました、目指せラスボス(先生ズは裏ボス京太郎撃破後の一定周回後かつトロコン後の隠しボス)

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