何時も以上に無茶苦茶な対局になりました、まぁ現在の京太郎は一部以外には100%勝てる状態なのでなにやっても最終的には和了すると考えて下さい(白目
九十一日目 (自称)後引っ掛けの洋榎ちゃん
食後店を出ると愛宕さんに『なぁ自分もイケる口やろ? 一局打とうや、場代はうちが奢るさかい』と言われ半ば強制的に雀荘に連れて行かれた。
此処まで一切お互いに自己紹介しておらず、サングラスで顔を隠している事に加えて『貴女』とか『自分』とかの呼び方で済んでいたので彼女は俺も全国出場選手だと気付いて居ない。
大会の規定的にも公式戦前の他校との対局はあまりよろしくない、一応性別が違うので同じ卓に座る事がないからグレーゾーンではあるのだけど、どうしたものか。
そんな事を考えていたら、丁度思い出した様に『なあ、そーいや自分の名前聞いてなかったな』と渡に船な質問をしてくれた。
素直に自己紹介すると『ほえー、あの世界ミドルチャンプと同性同名なんやねー』と言って驚いてた。 いや、本人なんですが……。
取り敢えずサングラスを外して素顔を晒し、本人アピールをすると、彼女は自分の携帯で画像検索でもしたのだろう、画面と俺の顔を交互に見比べて『えっ? ホンマもんなん!?』と驚いてた。
彼女の驚いた顔があまりにも芸人のような表情をしていたので、つい『いえ、人違いです』と返してしまったのは俺の所為じゃない、すかさず『なんでやねん!!』とツッコミを入れてくる愛宕さんが悪いんだ、うん。
店前で漫才にもならないやりとりをしていた俺たちだったけど、結局打つ事になって入店する事になった。
どう言った経緯でそうなったのかイマイチ覚えていないのだけど、『バレなきゃ犯罪じゃねーんだよ!!』と言う発言を連呼していた様な気がする、愛宕さんも『そーやそーや!!』とか言って煽ってた様な気もするけど、その場のノリ十割な時点で詳細な記憶なんてない。
対局も開局前に『うちがもし勝ったらうちと妹二人分のサイン書いてもらうでー!! 逆にうちが負けたらうちのサインをやるわ』と言う謎差し馬を握る事になった時点で九割遊びだった。
東一局の第一打から親の愛宕さんから一萬をチー、三巡目に八索をポン、更に二巡後に西をポン、後は張った瞬間に加槓二連打でドラを乗せてから嶺上開花、嶺上開花・ドラ8の倍満ツモ。
愛宕さんは『んなアホな……』と素直に絶句してたけど、今日の俺は完全にセオリー無視した打ち回ししかしないと決めているのでまだ驚いて貰っちゃ困る。
次局、配牌から八筒・九筒が槓子だったけど敢えてそのまま残し、愛宕さんのリーチが掛かるまで回す。
九巡目、愛宕さんは『洋榎スペシャルリーチや!!』と言う謎リーチを掛けてくれた、切った宣言牌は七筒。
その七筒をチーして打東、『なんや、一発消しかいな』と不満気に頬を膨らませていたが、狙いはそれでは無く彼女がツモる牌。
次の彼女のツモは七筒、それを見た瞬間それまで『くるでー、くるでー!!』と張り切っていた彼女は『なんで七筒やねん!!』とツッコミをプラスして河に切った。
そしてその七筒を再びチー、二度同じ牌を鳴かれた事で何かを察したのか、愛宕さんは俺の手牌と河を見て小さな溜息を吐いた。
三度目の彼女のツモはまたしても七筒、そしてそれをもう一度鳴き、俺は聴牌。
一筒雀頭の辺七筒待ち、無茶苦茶な麻雀だと自分でも理解しているけど、今日は何となくやれる気がした。
四度目の彼女のツモも七筒、鳴きでズレたツモ順を利用した形のロンだった。
清一色・純全帯のみの跳満、しかし前局親被りの8000点を支払っていた彼女は親っ跳放銃でトビだ。
対局後、ぐでっと雀卓につっぷした愛宕さんに『流石に麻雀のセオリー一切無視ってのは読めんわ、ちゅーかほんなアガり人によっちゃマジギレされるやっちゃで?』と言われたのだけど、普段はちゃんと真面目に打ってるから大丈夫。
そもそも今回の対局は自分がどの程度勝利の本流に居るのかを図る為の物、無理鳴きや無駄鳴きをしてもキッチリ和了れる事を確認する為の打ち方だったからああなっただけだし。
取り敢えず付き合わせた愛宕さんにはサインを書いてあげた、妹さんには偶々店に置いてあった色紙に書いたけど、愛宕さんの分は彼女が自分のサインを書いてしまったので書けなかった。
だからデコに書いたんだけど、そうしたらめちゃくちゃ怒られた。
ps
長野に帰ったら連絡先を交換したばかりの愛宕さんからメールが来ていた。
内容はどれも短く『なーなー!! 自販機で当たりがでてん!!』とか『たこ焼きにタコが二つ入っとったで!!』とか『卵割ったら双子やった!!』とか『茶柱が五本立ったで!! ごっつ飲みにくい!!』とかだった。
ラッキーデイだったのだろうか?
京太郎のサイン、所持者にミニマムな幸せが訪れるレアアイテム?