須賀京太郎の麻雀日記   作:ACS

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本編がいつの間にか100話行ってる件(白目

アカギ編が百話ぴったしなんて運命だね(震え声


百頁目

百日目 赤木しげる

 

 

川田組に紛れ、噂の白髪と市川の対局を見物する為、目立たない様にカツラを被って座っていた。

 

先ず俺が抱いた白髪の印象は死人、薄ら寒いほど目先の欲が感じられず、もしかすると自分が生きているのかすら分かっていないんじゃないかと言う疑問が浮かぶ顔付きだ。

 

 

勝負の場に遅刻したにも関わらず堂々と打つ胆力、文字通り安牌の無い手から既に切れて居た河の牌を弾くイカサマなど、中学生の神経じゃない。

 

しかも、この男俺がイカサマを見抜いた事を悟りやがった。

 

サングラス越し、そして市川越しの位置に居る俺の視線に気が付ける洞察力と感受性、この対局あの白髪の勝ちだと俺は悟った。

 

理由は今まさに俺が感じた洞察力と感受性だ、対局者だけじゃなくこの一室に居る人間の視線に気が付ける視野の広さ、そしてロン牌を察し自然且つ確実に処理をする為に何の躊躇いも無くイカサマに走る大胆さの二つ。

 

その証拠に奴はあらゆる待ちを使って市川から直撃を狙いに行く、派手な打ちまわしをしつつ合理的な麻雀を続ける市川の情報を一つ一つ拾って行く。

 

合理主義的な麻雀を打つ相手は裏を返せばその待ちや不要牌を完全に割り出せると言う事、そしてその合理性に人間性が絡んでくる、白髪はそれを集めている。

 

何という男なんだろう、此奴は俺が死に物狂いで身に付けた事を元々持ってやがる、弱った人間の沈め方、人間の揺さぶり方、天性の嗅覚だ。

 

絶一門で追い詰められ、手中の牌が全てロン牌化しても聴牌を崩して低目へと放銃する、あの歳なら当然あるだろう聴牌への誘惑を絶ってだ。

 

そして、等々ジリ貧と感じた白髪はイカサマを使って点棒を十分の一にし、嶺上開花三色ドラドラを和了して勝利を手に入れた。

 

しかもその嶺上開花は市川の心の隙を突いた物、思考を完全に読み切った上での罠、先生一号を髣髴とさせる手際はどうしようも無く彼らと同類だと言う証明だった。

 

 

笑いが込み上げてくる、居てもおかしくは無いけどあの人達と同類の人間が同年代に存在するとは思わなかった。

 

平山と出会ったのはコッチの白髪の話を思い出す為の運命だったのかな?

 

そんな事を考えていると白髪が倍プッシュを吹っかけて来た、引き際を知らない様な押せ押せだけど、別に彼は金銭欲から倍プッシュをしている訳じゃ無い。

 

勝負、それも全身が燃え上がる様な勝負がしたいのだろう、生も死も何もかもをチップにした勝負を。

 

白髪の倍プッシュに暫く黒崎さんは考えていた様だけど、彼が了承する前に俺は変装を解いて白髪の対面に座っていた。

 

 

『……名前は?』

 

『……赤木しげる』

 





対局は持ち越し、尚京太郎も色々影響されて熱くなってる模様(白目

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