??日目 狙い撃ち
東三局一本場 親は私でドラは三筒。
今回の配牌は筒子過多な配牌で、客風暗刻の辺張・嵌張が多い鳴けないタイプの混一色、前局の役満逃しが微妙に後を引きずる様な、そんな気配がする配牌。
孤立牌の北を切り出し、鳴きやすい対子型の混一色へと向かう事に決めたんすけど、龍門渕さんやおっぱいさんが静かなのが本当に怖いっす。
捨て牌に迷彩を作れないツモ、配牌の愚形を使っても余裕で染め手だと分かる河、鳴きで牌を食われる事もなく淡々と手が進む所為で嫌な予感しかしない。
『リーチ、ですわ!!』
そしてその予感の通り龍門渕さんが9巡目に二筒切りリーチ、此処まで全て手出しだったので無駄ツモが一切無い状態だったのだろう、そうなると理想的なタンピン三面張の可能性がある、リーチ一発かリーチ自摸で満貫に届く。
一応二筒は対子っすから一発消しは出来なくも無いっすけど、ポン……はあり得ないっすね、今の状況で鳴いても愚形の待ちしか残らないっすし、鳴いた後に危険牌ツモって来たら目も当てられない。
そう考えた私は二筒を合わせ打ち、龍門渕さんは一発にならなかった様でツモった五筒を切り、風越もそれに合わせる。
『……リーチ』
風越の合わせ打ちを見たおっぱいさんは四筒をツモ切ってリーチ、私のツモは生牌の赤五索だった為一旦止めて考える。
河には筋も切れていないので完全な無筋、頭ハネがある大会だからダブロンの心配は無いっすけど、流石に赤ドラは切れないっす、もし振ったら一翻上げる事になるっすからね。
そう考えた私は思わず三枚枯れの二筒を切ったんすけど、直後におっぱいさんのリーチがツモ切りリーチだった事を思い出す。
『ロン、立直・一発・一盃口・ドラ2、裏は……一枚乗って跳満ですね』
嵌二筒待ち、ドラ表に一枚、龍門渕さんの河に一枚、私の河に一枚で計三枚枯れてるのにも関わらず二筒待ちリーチ、やられたとしか言いようがなかった。
その上龍門渕さんのリーチ時もツモ切り、つまりその時点で5200のダマ直を狙えたにも関わらず、敢えて一巡回してからのリーチ、多分コレは私が見せた一瞬の迷いを見抜かれたっすね。
龍門渕さんのリーチ、あの時に二筒を鳴くか考えたあの一瞬で私の手に対子がある事を感じ取って対子落としに向かったところで狙い撃ったんすね。
……ほぼノータイムで二筒切ったのになんで分かるんすかねこの人。
ため息を吐きたい気持ちをぐっとこらえた私は、点棒を支払って次局に移る。
さっきの放銃は痛いっすけど気を抜いた私のミス、点棒が原点まで回復したから読みが少し甘くなってたのが原因、きょーさん相手だと致命傷っすけど今回はまだ跳満で済んだ、裏がごっそり乗ってないだけマシっすよ。
東四局 親は龍門渕さんでドラが五索。
配牌からドラ2で白が対子、鳴き仕掛けで早上がりしてサクッと南入りしたくなる手っすけど、上手く行くっすかね。
所謂場の流れと言う物があるのなら、今私の流れは落ち始めているはず、きょーさんなら完全にそう考えてトップから流れを奪う方向へ切り替える、私もそれに習っておっぱいさんの流れを断ちに行く。
私はおっぱいさんから六巡目に白を、八巡目にドラをポンして満貫を確定する。
彼女の捨て牌は第一打から索子が安く、露骨に索子狙いにする事で彼女の足を止める作戦、万一振ってくれれば万々歳と言った仕掛けっす。
そして10巡目に二索を引いて聴牌、待ちを嵌八索にする為に七索を切るか、二-五-七索の変則三面張にする為に九索を切るかと言った選択を迫られた。
狙い撃ちにするなら嵌八索なんすけど……降ろして手を曲げさせる事が目的、だったら待ちの多い三面待ちっすかね。
私が切る牌は何方もおっぱいさんには安牌、だから私は九索の方を吐き出したんすけど……。
『ロン、平和・二盃口の満貫ですわね』
……七索も九索もアタリなのによりによってド高目っすか。
デジタル勢がデジタルしてない件について(白目