須賀京太郎の麻雀日記   作:ACS

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悲報、削除ミスで番外の岩手が一話消えました(´・ω・)

導入部なので話の辻褄合わせが難しいので全削除して新しく作り直しますT_T


女子副将戦・7

??日目 原村和

 

 

南場で私がやるべき事は二着以上で大将戦へと繋げる事、ただ勝つだけなら楽なんすけど大将戦に繋がる勝ち方をすると言うところがやっかいっす。

 

何故なら清澄の大将には中学時代の麻雀部で常にトップ5に居座っていた宮永咲がいるんすよ……。

 

きょーさんほどじゃ無いにしろ、咲ちゃんも簡単に槓ドラ乗せるっすから槓ドラ四つと嶺上開花で一翻お釣りの満貫、それに断么付けたら簡単に跳満到達なトンデモ雀士っすから半端なリードなら余裕で射程範囲、鳴き麻雀主体なんで裏に関してはあんまり気にしなくて良いっすけど、対子系の役が絡む事が多いっすから大して変わらないんすよ。

 

断么・対々・ドラ四・嶺上開花で倍満っすからね、ゆみ先輩の実力だと真っ直ぐ打ったら歯が立たないっす。

 

…………それに、対局映像を見た感じだと龍門渕の大将も相当な雀士っす、少なくとも照さんレベルの人種っすね。

 

対局を見た感想は何かしらのオカルト持ちな様子だったっすけど、それ以上に彼女の打ち筋が気になった。

 

一見彼女の打ち筋は単なるオカルト打ちにしか見えないんすけど、良く注視すると相手から和了牌を釣り出す為に鳴かせたり、あるいは自分が鳴いて手を安くしてから直撃を取る技術が見える。

 

彼女のオカルトにばかり気を取られているとそれを目くらましにした技術で足元を掬われる、そんな予感がするんすよ。

 

恐らく騙し合いの麻雀は此処で終わって、次からは潰し合いになる、得点力で削られる事を予想して副将に座ったのは裏目だったっすかね? けどゆみ先輩ものらりくらりとした打ち方は出来るし、清澄と龍門渕の打ち合いに耐える腕はあると思うからそこは賭けっすね。

 

と、余計な事は此処までにして南二局へと意識を向ける。

 

この局で私がやるべきなのはおっぱいさんの親を早く流す事と、彼女から直撃を取る事、だったんすけどね……失敗だったっす。

 

 

まず私の配牌が一・三萬、三・六・八・九筒、二・三・七索、西・北・発・白と倍満直取りしたにしては不調だった事、そして五巡目におっぱいさんがリーチを入れて次巡に即ツモ。

 

役は立直・一発・自摸・断么・平和の裏無しで満貫、しかも二−五−八萬の三面張を五巡でって奴っすよ、勝つ流れに乗ってそのツキをノーミスで正答し続ける最強のデジタル打ちが崩せず、私は振込みを回避するしかなかった。

 

一本場、二本場、三本場と連荘を稼ぐおっぱいさん、しかも悉くが六巡以内での聴牌で全く追い付けない、一応満貫以下の安上がりなのは幸いっすけどね。

 

『ツモ、自摸・断么・平和・三色同順・一盃口。跳満ですね、四本付けの6400オール』

 

そして四本場のこの和了で五万点近く稼がれてしまった、三対一でこうも一方的な展開になるとは思わなかったっす。

 

五本場、ドラは南。

 

W南の私から見たら美味しいはずなんすけど、そろそろ自摸を捨てての狙い撃ちが来る気がするんすよね……。

 

牌を絞りながら手を進めて行くと九巡目に七対子聴牌、生牌の南か配牌から孤立してる五筒を切るかってところなんすけど……。

 

チラッとおっぱいさんの河を見ると、二巡目に二筒、四巡目に六筒、七・八巡目に八筒、四筒を切ってる。

 

一見手の内に筒子が無さそうにも見えるんすけど、このいかにも通りそうなこの五筒が引っかかるっす。

 

完全に配牌から孤立していた五筒、聴牌した際に不要牌として切り出したくなる牌、きょーさんと対局してると決まってこの孤立牌が当たりだったりするんすよね……。

 

かと言って一枚も見えていないドラを落すのもマズイ、今は南場っすから何処から鳴かれても満貫が確定、それに振ったら折角詰めた点差が持ってかれちゃうっすからね。

 

なので私は現物の八筒を落として一向聴戻し、次巡も現物を切れるっすからもう一巡稼げたんすけど、深堀さんが五筒を切ってしまった。

 

『ロン、三色同順・赤1の五本付けで9200です』

 

晒された手牌は嵌五筒待ち、やっぱり引っ掛けだったっすけど、きょーさんに狙われてるような待ちだった。

 

今回は偶々深掘さんが振ってくれたっすけど、私の手からは今にも五筒が飛び出しそうだった、狙われてるっすねこれ……。

 

六本場、彼女のロックオンを振り切りながら回していたら龍門渕さんが満貫で狙い撃ちにされたっす。

 

倒牌された手牌を見ると私じゃなく龍門渕さん狙い、過剰に意識したのを見抜かれて敵愾心持ちの龍門渕さんを叩きに行った感じっすね。

 

七本場、今大会は八連荘は無いから次で役満って事は無いっすけど、代わりに大連荘アリなんで八本場以降も続くんすよ。

 

だからこの辺りで和了っとかないと副将戦で決着が付く可能性が出て来たんすけど、マズイ事に深掘さんが目に見えて焦ってるっす。

 

一度も和了れず点棒は減る一方、このままじゃ焼き鳥で終わるっすから気持ちは分からなく無いんすけど、焦った仕掛けをすればする程裏目を引いて……。

 

『ロン、断么・平和・一盃口の七本付けで7900です』

 

今度は引っ掛けをブラフにしたど本命で狙い撃ち、深堀さんの表情から心が折れたのが分かってしまった。

 

 

八本場ですね、と言うおっぱいさんの言葉と共に実質二対一になってしまった事に私の中に焦りが生まれる。

 

冷や汗を流し狼狽えながら配牌を取る深堀さんを見て、あれじゃ聴牌すら無理っすねと判断し、差し込みすら出来なくなった事に歯噛みする、彼女の点棒は三万と少し、下手に突っ張って振り込むとそのままゲームセットっす。

 

横目で龍門渕さんを見るとますます敵愾心を燃やし、まるでライバルを前にした様な様子で捨て牌を見てるっすけど、そのライバル心を完全に利用されてるっす。

 

八巡目におっぱいさんが四筒暗槓からの嶺上牌二筒をツモ切りリーチ、しかも『リーチです、()()()()()』と煽る様な名指しのリーチ。

完全にライバル心に付け込んだっすね、読めるなら読んでみろとメッセージ付きっすから深読みさせての放銃狙いっすね。

 

…………他人事みたいに言ってるっすけど、実際に私がコレやられたら躱す自信ないっすよ、深読みは癖になってるっすから。

 

おっぱいさんの河は序盤に手出しされた幺九牌が断么手を匂わせる、幸い字牌の現物が暗刻であったから降りたんすけど、龍門渕さんは挑発リーチに対して逃げの発想を潰されたらしく、堂々と一筒を切ってリーチ。

 

『リーチですわ!!』

 

『ロン、リー棒は不要ですよ龍門渕さん』

 

パタリと倒された彼女の手は一−四筒の両面待ち、自分で暗槓してるっすから実質単騎待ちで立直・一発のみ、八本積んで7200だったんすけど、彼女の手が問題だった。

 

 

二・三・四萬、二・三・四・四・四・四筒、二・三・四・六・六索の断么・三色を自摸和了った状態から暗槓してなら嶺上牌の二筒を切ってリーチ、積み棒入れて4700オールだったのに直撃を取る為に態と槓したっすね、片筋殺して立直っすから露骨に龍門渕さんの点棒を減らしに来た訳っすか……。

 

 

九本場の十二巡目、またおっぱいさんが『リーチです、龍門渕さん』と声を掛けてからリーチ宣言、彼女の河には字牌と一九牌しか切れていないので待ちが読み辛いけど、私の河に八筒が二枚と五筒が一枚、龍門渕さんの河に八筒が一枚と五筒が一枚、深堀さんの河に五筒が二枚と五−八筒待ちが殆ど枯れている、それを見てデジタル派のおっぱいさんが其処では待たないと判断したのか龍門渕さんは四枚目の八筒を切った。

 

『ロン、立直・一発・断么・平和の満貫は九本積んで14700ですね』

 

また片枯れの五−八筒待ち、しかも今回は地獄待ちっす、引っ掛けを意識させて深読みさせたり、それを外したりとさっきから精神的に削りに来てるっす。

 

この和了で龍門渕さんの点棒が6万点を割った、これ以上の攻めは確実に大将戦に影響を与えるっすから彼女も攻めっ気を出せなくなったっすね。

 

 

…………つまり、次は私っすか。




清澄 234200点

鶴賀 85200点

風越 31500点

龍門渕 49100点

圧倒的清澄(震え声

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