集計するまでもなくネリーの大勝利、という事で相方はネリーに決まりました、原作の面影がないレベルでキャラ崩壊してます(白目
??日目 カップル麻雀・2
東京の自宅に帰る途中、俺は偶々マンション麻雀をやっている一室から紙袋を抱えたネリーが出てくるのを発見した。
夜中に抜け出して何をやってるのやら、そんな事を思いつつ丁度目が合ったので手を振ったんだけど、全力で階段を駆け下りて来て俺に飛び付いてきた。
『京太郎!! えへへ〜、きょーたろーだー!! えへへ〜』
そう言って俺の胸元で頬ずりをするネリー、グルジアで会った時はこの世の終わりみたいな顔していたのに、よく笑う様になって柄にもなく嬉しさが込み上げて来た。
IHの会場で再会した時、この子は俺に真っ直ぐに抱き付いて来たと思ったら感極まって声を上げて泣き出し、暫く離れなかったんだよなぁ。
それ以来会うとこうして抱き着かれたり、腕を絡められたりと完全に異性としてアピールしに来ている。
…………正直再会後に呼び出された時に言われた『ネリーは京太郎と同じ所まで行くよ? 貴方と同じ目線で、同じ世界で、同じ苦しみで隣に居るよ?』と言う言葉にはかなり揺さぶられたのは否定しない。
『京太郎は勝負を楽しめる様になったみたいだけど、でも根本は変わってない、勝利に拘ってそれしか眼中になくて、対局中に人が死んでも御構い無しのあの時のままだよね? 目を見たら分かるよ、私には』
『だからね? 貴方が私を助けてくれた様に、私も貴方を助けるの、今度はネリーが魔法使いになる番だから』
中学生の頃にコレだけ言われたらきっとそのままネリーを抱きしめて離さなかった、理解者が欲しいとは一度も思わなかったけど、ネリーの言葉は不思議と甘い囁きだった。
けど、今の俺は麻雀にしか興味が無く、一時的に答えは保留にさせて貰ってる、彼女もその事に対して何の文句も言わず『十年間貴方一筋で生きて来たから全然大丈夫だよ』と返され、申し訳ない気持ちで一杯だ。
今もネリーは俺の腕に抱き着き、指を絡めながら並んで歩いている、特に会話も無いのにニコニコと幸せそうな笑顔を浮かべて。
何が楽しいのか聞いてみたけど、文字通り夢にまで見た俺と一緒に居る事だけで幸せで自然と顔が緩むのだと言った。
再会時から俺への好感度が振り切ってるので理想と現実の違いに幻滅されるのでは、と最近まで考えていたのだけど、彼女の中の俺は例の麻雀で他家が自殺しても無理矢理役満和了して勝ち抜ける姿が焼き付いていて、惚れ直す事はあっても嫌う事は絶対に無いらしい。
昔から雀鬼扱いされ続けた俺にはかなりむず痒い状態だったんだけど、そんな事を考えていたら自宅に着いた。
本当ならネリーを送ってあげるべきなんだろうけど、代打ちの仕事帰りで少し疲労が目立つ、送った後にどこぞのベンチで寝る可能性もある。
なので、ネリーを泊める事にした。
『という訳で、泊まって『泊まる!!』くか?』
えらく食い気味だったがネリーは即答、家に上がると玄関先で三つ指ついて『不束者ですが、よろしくお願いします』と言って暴走し始めた。
『京太郎の家……えへへ〜、きょうたろーの匂いがするー』
まあ比較的この家は使ってる方だけどさぁ、基本俺は長野住まいだからほぼ新築のままなんだけど……彼女には特殊な嗅覚でも備わってるのかな?
そんな事を思っていたら妙案を思いついた、という様な顔をして俺の身体にいつにも増して頬ずりしたり抱き着いたりと密着し始めた。
『あーっと、ネリー? 一体何やってるんだ?』
『まーきんぐ〜、ネリーの匂いを京太郎に付けて、京太郎の匂いを私に付けてるの』
『一応聞くけど、何のために?』
『ネリーの匂いが京太郎に付くでしょ? そうなるとその匂いは京太郎の匂いになって、逆に京太郎の匂いもネリーの匂いになる、つまりネリー=京太郎の方程式が立って、私は京太郎の物って事になるんだよ!!』
『お、おう……ダメだ、全くわからん』
『えへへ〜、須賀ネリーか〜、子供は二人でー、麻雀教えてー、家族で京太郎の渇きを癒すんだ〜』
これ以上この娘の話を聞いてると思わずワンナイトラブに身を任せそうになるので彼女をお風呂へ入れた、んだけど重要な事に気がついた。
…………ネリーの着替えがない。
着ていた服を使い回そうにも洗濯機に掛けてしまった様でぐるぐると回っている、狙ったな?
そうなると必然的に彼女には俺の服を着せるしか無い、かと言って俺の服も数は無く、空いているのはワイシャツ。
しかも下着も一緒にぐるぐるしているので裸ワイシャツだ、身長差があるからだぼだぼのシャツになるだろうけど、それが逆に……。
邪念が沸き始めたので着替えのワイシャツを置いて風呂場から出る、その際に『京太郎なら良いよ?』と言う誘惑が聞こえたけど気にしないったら気にしない。
麻雀打ってる時は気にならないし、他の人でも平然としていられる自信はあるのに、何故に此処まで揺れるのだろう? やっぱりあの誘いが効いているのか……。
そんな事を考えはしたが、良く考えれば最近は咲の仕草にもドギマギさせられる事がある、咲が料理を作ってくれている時など後ろ姿がとても尊くて、誰にも渡したくないと思えるほどに大切に思っていたことを悟らされた。
俺、実は気の多い男だったのか?
その後彼女がお風呂を上がり、俺の番になったけれどその時に彼女は風呂場に乱入、俺の背中を流して湯船にも一緒に浸かりに来た。
かなり平然を装ったけど、正直美少女の裸は男子高校生には辛いものがある、裸程度じゃ反応しないと思ってたんだけどなぁ……。
お風呂上がりに例の大会のことを思い出し、ネリーに相方を頼むとまた食い気味に頷かれた後、真正面から抱き着かれた。
裸で、抱きつかないで、ください。
その後も彼女はスキンシップを自重せず、泣き落としで一緒のベッドで寝る事になった時は俺の足を自分の股に挟んで来たり、シャツの胸元がチラ見えする程度に開かれて居たりと色々大変な日だった。
ネリーが既成事実を作りに来ている件について(白目
あ、次回対局回です(適当