??日目 お金の使い道
俺は今自分の部屋の勉強机の前に座りながら頭を抱えて居た。
何故かって? んなもん決まってるだろ!! 金だよ金!! 金の隠し場所に困ってるんだよ!!
あの悪徳不動産屋め、事あるごとに俺を高レートに連れ回しやがって、マジでなんなの? おかげで隠し切れない金額の札束がどんどん部屋に溜まって行ってて溢れかえりそうなんだってば!!
小学生の使える範囲考えろ馬鹿野郎、父親の年収を超えた金額が部屋の中に転がってても使い切れるか!!
今までは隣の姉妹が文学少女だったから超高価なプレミア付きの文庫本をボッタクリ同然の値段で敢えて買ってプレゼントしてたんだけど、最近は買い尽くしたのか金の消費と供給が間に合っていないし、お菓子の大人買い戦法をしようにも今日は家族旅行とかで隣の家族自体が居ない。
昨日は早い内に帰れたのは良い、けど百ビンで一千五百万勝ってそのまま帰って来たから鞄の中に札束が詰まってるし、何より親父達に心配を掛けたく無いからどうにかして処分しなきゃダメだ。
そう思って勉強机の引き出しを開けると、ぴっちりと限界まで敷き詰められた諭吉さんがこんにちわ、押入れの天井板を外して屋根裏に置こうとしたらピラミッド状態の諭吉さんが鎮座、微妙に天井板が歪んでるから下手したら天井板が抜ける。
こんな時先生一号が居ればビンタ麻雀で湯水の如く溶けて行くのに、なんで今日に限って居ないんだよ。
札束の入った手提げ鞄を抱えながら本気でどうするかを考えつつ、俺はとりあえず家の中で考えるよりはマシだろうと親父達に見つからない様に外へと出る事にした。
その後一旦公園に行ったんだけど、以前出会った幽霊ちゃんとばったりと出くわして『深刻な顔してるっすよ?』と心配されたから、ついうっかり『ちょっとお金の使い道になやんでて……』と零してしまう。
俺のその呟きに幽霊ちゃんは首を傾げてたけど、取り敢えず俺が悩んでる事を理解してくれたのか胸を張って『私に協力できる事なら協力するっす!! と、友達っすからね!!』と言ってくれたので、俺はつい嬉しくなって『じゃあ二人でこの金を今日中に使い切ろうぜ!!』と鞄の中身を見せてしまった。
……この時の幽霊ちゃんは多分一生忘れられないくらい見事な引き攣り笑いを浮かべてたと思う。
『こ、こんな大金どうしたんすか?』と幽霊ちゃんは震えた声で聞いてきたけど、多分聞かない方が幸せなお金だから、コレ。
そんな事を考えながら俺が曖昧な笑顔を浮かべると何かを察したのか追求は来なかった。
けれど、幽霊ちゃんを追加しても悩む人数が二人になっただけで根本的な解決はせず、時間が過ぎるばかりで一向にお金が減る様子は無い。
理由は幽霊ちゃんの提案が大概やり尽くしてる手段だったからだ。
例えば募金箱に入れるとか(コンビニで諭吉の束を入れようとしたら親を呼ばれかけた)、ゲームの新品を買いまくるとか(桁が一つ足りないから買っても減らないどころか置く場所なくて邪魔)、適当な場所に捨てるとか(何故か色々な事が巡り巡って手元に同額戻ってくる)。
どれも碌な目に遭ってないからどうしようもない、仕方ないから適当に穴を掘ってそこに埋めるという事になり、二人で子供なりにスコップ使って穴掘ってたんだけど、それなりの深さまで掘ったら妙に硬い感覚がスコップの先端に当たった。
嫌な予感がしたがその硬い物が何なのか確かめる為に二人で周囲を掘り起こしたらまさかのアタッシュケース、しかも血痕らしき物が付いてる様に見える。
試しに開けて見ると札束がぎっしり、多分億は行かないでも今手元にある金よりは入ってるのが分かる、分かりたくないけど厚さとかで何とか判断が可能だ。
アタッシュケースを閉めた俺は幽霊ちゃんと共に砂場に埋め直し、そそくさとその場を去った。
最終的に駅前のコインロッカーの中に金を詰め込む事になり、先生一号の様にコインロッカーを金庫代わりにする生活が始まるのだった……。
モモ「……あの時はほんとリアクションに困ったっす、ほんときょーさんの周りには厄介事しか来ないんすよ」(遠い目
ゆみ「その、なんだ、好奇心で二人の昔話を聞いて悪かった……」
モモ「これはまだマシな部類の話っすよ? 中学の時とか長期休暇で一緒に東京へ遊びに行った時とかほんと怖かったっす」(遠い目
ゆみ「いや、すまん、私が悪かった、寧ろ聞きたくない」(震え声
的な昔話を鶴賀勢は聞いてたとさ(白目