須賀京太郎の麻雀日記   作:ACS

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この作品内の時間軸で次の火曜日に新しい先生の登場です。

現在は土曜日なので後二、三話してからですね。


四頁目

四日目 俺……小学生の筈、だよな?

 

 

目が覚めたら車の中だった。

 

最初は意味が分からずにポカンとしてしまったけど、良く周りを見たら悪徳不動産屋がジャンクフード食いながら寛いでいた。

 

起きた俺に気が付いたのか悪徳不動産屋は平然と『おや、起きましたか?』とか何とか言いながら俺の分のジャンクフードとコーラを手渡し、ポテトをもそもそと食い直し始めた。

 

 

色々突っ込みたかったが、昨日は夜が開けるまで先生に付き合う事になったので辞めた、大人しくバーガー食いながら俺を拉致った理由を聞いてみた。

 

要約すると、代打ちの仕事が入ったものの相手は圧倒的に格下、3対1でも楽勝なのだがそれじゃあつまらないので俺を連れて打ちなさいと劉大人に言われたそうだ。

 

…………さも当然の様に言ってるけどさ、俺小学生だぞ? 何時からあんたらの代打ちになったんだよ、つーか秘書はどうした? えっ、別件で打ってる? マジですか……。

 

平で打っても良いし、サマ使っても良いと言われたから寝起きだったのも重なって遠慮はしなかったけどさぁ……、もっとこう、なんだろ。

 

あと悪徳不動産屋、何が『まぁコレも社会勉強の一つですよ』だよ、その社会勉強ぜってー頭に〝裏〟の文字が付いてるだろ、笑いやがってムカつく。

 

 

代打ち勝負そのものは拍子抜けする位ストレート勝ちだった。

 

半荘10回勝負、前半5回はガキだからと舐められ悪徳不動産屋に意識が行ってる所を個別に狙い撃ちしてやった。

 

勝負が折り返しに入始めた辺りで漸く向こうの目の色が変わり、俺へのマークがキツくなったが、そうなったらそうなったでツモ牌をすり替えて悪徳不動産屋をアシスト、今の俺は今迄以上に本気でサマの練習をしたので本来のツモから3トン、計6枚までなら片手ですり替える事が出来る。

 

珍しく悪徳不動産屋の細目が見開いたが、積み込みの際も他家に記憶した牌を積ませる事も出来る、サマアリならこの人と互角に打てる……かも。

 

そんなこんなで予定の金額よりも勝ってしまったのと、ランクアップした俺のすり替え術に悪徳不動産は大笑いし、俺の取り分として何割かお金をくれた。

 

 

百万単位で。

 

 

だから、俺は、小学生だってば!!

 

 

なんで数千万の代打ち勝負して分け前に数百万貰ってるんだよ!! 家に帰ってから頭抱える羽目になったじゃねーか!!

 

しかもだよ? 『さあ仕事も終わりましたし、それを元手に打ちに行きますか』とかナチュラルに誘うんじゃねーよ、勝ちまくって調子に乗った俺も悪いけどさぁ。

 

 

お陰で一体何人から毟ったのか分からない、悪徳不動産屋のアシストもあってアホみたいに勝ったけど、明日電車に飛び込みとか言うニュースになるのは勘弁して欲しい。

 

問題はリュックサックにパンパンに詰まった万札の束をどうするか、だ。

 

 

つーか俺が借金肩代わりしちゃダメなのかな? とか思ったけど金自体は払い切ってるっぽいからなぁ。

 

まぁ良いや、取り敢えず押入れに突っ込んどこう、明日日曜だし隣の家の子と麻雀打とう、若しくは雀荘。




京ちゃんの金銭感覚が崩壊し始めました、その内ホームレスにでも札束投げ渡したりする様になる、かも?

サマ師で代打ちできるレベルの子が一般人相手に麻雀……、トラウマ作る気かな?(白目

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