須賀京太郎の麻雀日記   作:ACS

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みんなのアイドルSOAさんが京太郎の毒牙に!!

書いてたら無双してしまいましたが、考えたら小学生相手の麻雀だから大丈夫だよね(白目

えっ? 何時もしてるだろって?

ほら、京ちゃん人間じゃなくて雀鬼だから(震え声


後、今回長いです、3話分くらいあります。

もし対局中の点数計算違ってたら教えて下さい、メモりながらやってましたが結構毟ったので間違ってる可能性がありますのでm(_ _)m


二十三頁目

二十三日目 こんなオカルトあり得ますか?

 

 

風呂上がり、牛乳飲んでたらジャージちゃんと再会した。

 

 

向こうも俺の事を覚えててくれた見たいだったので、改めて自己紹介して一緒に遊戯場で扇風機に当たってた、ついでにフルーツ牛乳も奢ってあげたら素直に喜んでくれた。

 

一緒に飲みながら他のメンバーは?と聞いたらまだ入浴中らしい、ジャージちゃんこと穏乃はあんまり長湯はしないんだとか。

 

老舗の旅館らしく其処まで娯楽品がある訳では無かったけど、雀卓はあったので二人で何かやる事にした。

 

と言っても牌が幾つか抜けてる様だったので部屋から俺が普段サマの練習に使ってる背黒牌を持って来て、何をやるかって話になった。

 

二人打ちもやれなくは無いけど折角だし変わった事がしたい、17歩辺りならじっくりやれそうではあるけれど穏乃相手だと色々厳しそうだ。

 

仕方ないからナインでもやるかと思っていたら何やら穏乃が牌を触って色々感触を見ていて興味がそっちに向いているようだった。

 

どったの、と聞いてみたら触った感覚が違ったから変わった材質なのか気になったとの事だ。

 

確か象牙と漆を使って鬼束正宗って彫師に作って貰った奴だ、オークションに出したら10万で済むか分からん代物だと思う、彫師の人の牌は最高級品らしいし。

 

そんな話をしてたら他のお友達がお風呂から上がったようで、穏乃は牌を握ったまま合流してしまった。一筒置いてけ、その一筒俺のだから。

 

 

俺の顔を見た赤土さんが露骨に周りを見渡し、肩をビクつかせて居る、今日は先生じゃなくて社長だからそんなビビらんでも……。

 

と思ってたら先生居ないの確認してから胸を撫で下ろしてあからさまにホッとしてた、後で聞いたら俺が帰った後雀荘で対局したんだって言ってた。

 

……カモられたのか。

 

で、ちょっと俺と距離を取ってたツインテの娘がいきなり穏乃の手を引いてこっちに来た、やっと一筒返してくれるのか……。

 

んで、高級牌を握って持って行った事を何故か謝られた、別に牌が欠けたとかじゃ無いんだし謝らんでも良いと思うんだけどな。

 

そんな事思いながら全員の分の牛乳系飲料を買ってあげる、あっても使わない金だし穏乃がツインちゃんに叱られてるのが可哀想になって来たし。

 

赤土さんは受け取ってくれなかったけど、取り敢えずみんなで一杯やった。

 

その際に案外怖くないのね、と言ってツインちゃんー憧と自己紹介を済ませた。

残る転校生、和とも自己紹介を交わして全員と連絡先の交換を行った。

 

和気藹々と話しを聞いてたら和が『折角ですから打ちませんか?』と持ちかけて来た、俺は勿論了承したけど赤土さんと憧が全力で止めに掛かってた、地味に傷つくんだけど……。

 

どうせ俺は長野の雀鬼ですよー、と拗ねてのの字を書く真似してたら穏乃が頭撫でてくれた、やっぱりこの子優しい。

 

結局打つ事になり、折角なので俺の背黒牌で手積み麻雀をする事になった。

 

サイは二度振りのルールで赤ドラは五筒二枚他一の優しめ、先ずは牌の持ち主の俺が親決めのサイを振る、出目は和を差していた。

 

そして配牌は俺の山、手に来た牌はそこそこと言った所の配牌、ツキの有る無しで言うなら比較的ある方の配牌だ。

 

その気になったら積んだ牌を記憶して手の内を丸裸にする事も出来たけど、今回はそんな事する必要が無いのでそのまま見に入る。

 

穏乃や憧の打ち方は以前見て覚えているので問題は無い、今見るべきなのは和の流れと傾向、なんだけどさ……。

 

正直ぶら下がってるおもちが目に毒だ、怖がらせない様に私生活時のテンションで打ってる所為で目のやり場に困る。

 

そんな事思ってたら断么平和自摸ドラ1で和了していた、こんな事で動揺してちゃいかんなと思い直し、普段麻雀打ってる時の様に打つ事に決めた。

 

東1局一本場、俺は手積みに慣れてるから問題は無いんだけど、良く考えたら他の三人は普段全自動卓だからか、少しもたつきながらのスタートとなる。

 

不要牌を整理しつつ和の捨て牌の並びを見ると、特に可もなく不可もない基本に忠実な捨て牌である事が分かる、オーソドックスなデジタル打ち。

 

何処でそれを曲げるのかと思って見ていたけど、穏乃が立直を掛けた後は少し考えた後に降りを選択した様だった。

 

その後流局、和は手を崩してノーテン、俺も純全帯ドラ1で聴牌しては居たけれどノーテン宣言をして牌を伏せ、結果として穏乃の一人聴牌。

 

途中から俺の手を見ていた赤土さんが眉を顰めたけれど、ケチな点棒よりも情報を得る事の方が重要だ。

 

 

東2局 親は穏乃、前局に和了れなかった事が尾を引いたのか配牌を見た瞬間にあからさまにしょげ返っていた、まぁ諦めず手作りし始めるあたりらしいと言えばらしいけど。

 

それよりも問題は和、俺も同年代では強い部類の人間だとは思うが、彼女の場合牌効率の計算が異様に上手い事が分かった。

 

彼女が手を止めるのは降りか回し打ちかの選択をする時位で、非常に綺麗な麻雀を打っていた。

 

 

正直それを見た俺は甘い打ち方だと感じ、見を辞めて少しちょっかいを掛ける事にした。

 

先ずは穏乃に中と発を鳴かせ聴牌させてからノーテン立直を掛ける、赤土さんが明らかにムッとしたのが分かるがコレで他家の三人は反応が分かれる事になる。

 

先ず穏乃は二鳴きしてテンパイ、しかも中発の二翻に加えて捨て牌から混一色、河に白が一枚しか見えていないので小三元、大三元もあるかも知れない。

 

そして彼女は前回俺と対局している為、後半戦に入る前に点棒を稼ぎたいところだろうからギリギリまで突っ張るだろう。

 

次に憧、彼女はまだ張っていない様だがこっちも以前対局済み、一発が無ければ現物を抱えながら俺から直撃を取る為に回し打ちに入るだろう。

 

そして和、彼女は俺の立直と穏乃の突っ張りを見て降りを選択、特に俺の捨て牌はノーテン立直をする為に満遍なく牌をバラ打ちした為訳の分からない物になっている、現物がある内は現物で行く筈だ。

 

 

数巡後、和の表情が一瞬険しくなり安牌を躊躇いながら切り出した、現物が尽きてしまったのだろう。

 

そして穏乃もツモった牌を見て塔子を崩して単騎に受けた様だ、冷や汗と緊張した顔付きから引いた牌は恐らく白で、手中に合った白と重なって大三元が確定した様だ。

 

既にツモ切りマシーンと化している俺だが、この巡目なら流れ的に見て役満放銃は無いが、問題は黙聴で静かに此方を伺う憧である。

 

顔に出さないのは流石だけど、逆にポーカーフェイス過ぎて丸わかり、ツモった東をそのまま河に落とし様子を見るが反応は無い。

 

憧が自摸らずに問題の和のツモ、明らかに迷ってから切り出した結果、憧に放銃してしまった。

 

役は一気通貫赤1の5200、穏乃がそっと次のツモを見て明らさまに肩を落としていた。

 

 

さて、東3局 俺の親、狙いは和のデジタル打ちによって溢れ出す不要牌の狙い撃ちだ。

 

見事な牌効率の計算でテンパイ速度は早いのは分かる、しかしそれだけで勝てる程麻雀と言う物は浅く無い。

 

そもそも理牌をしている時点で大体の形が分かり、切り出し方から並びが分かり、ツモの入れ替えで役が分かるのだから極論すれば理牌などする必要が無い。

 

だから今回は狙い撃ちだけに焦点を当てながら流れを作る、和のデジタルではそれ程流れが変わらなかったので自力で仕上げなくてはならなくなった。

 

 

俺は捨て牌に迷彩を掛けながら7巡目と8巡目に九萬と西を鳴き、一索四索の片和了全帯で聴牌、和の捨て牌から么九牌が彼女の中では不要牌と判断しての片和了の形で、しかも憧の切った一索を見逃しての狙い撃ち。

 

そして数巡後に切り出された和からの一索をロン、全帯のみの1500点。

 

態々『和了れる方ですね』と言って彼女を煽る事も忘れない、穏乃と憧は酷く緊張し初め、背後の赤土さんも心無し手が震えてる、先生のトラウマがほじくり返されたかな?

 

 

和が煽られた事に不快感を表しながら点棒を払い、一本場。

 

次は不要牌処理後の手替りを嵌張待ちで狙い撃ちにする、役は門前の断么のみ、2300点。

 

二本場、狙い撃ちにされている事が自覚できる頃な為、疑心暗鬼になりながら切った牌を断么平和のみで討ちとる、3500点。

 

三本場、疑惑が確信に変わったのだろう、ロックオンを振り切る為に打ち筋を曲げた牌を嵌張待ちでロン、一気通貫のみの4800。

 

四本場、穏乃と憧が和に鳴かせて俺のロックオンから外そうと試みたので、穏乃を黙らせる為に役付けの為に彼女が差し込んだ中を頭ハネに討取る、中対々和三暗刻ドラドラの跳満で19200。

 

五本場、狙い撃ちの邪魔をする穏乃に追撃、和に鳴かせる為に切った牌をロン、七対子のみの3900、此れで彼女は残り900点。

 

六本場、次のターゲットが自分だと悟ったのか憧は降り打ち気味に回し、手が張った瞬間に吐き出された牌を撃つ。 混一色二盃口赤2の倍満で25800、彼女の点棒は残り3400点。

 

七本場、八連荘が見えて居るので皆逃げる訳に行かなくなったので、彼女達の欲しい牌を次々切りながら鳴きの早仕掛けをさせて手が短くなった所に三面待ち立直を掛ける、無論狙いは和でそれをする為に態々大三元を確定させてまで三鳴きさせる、彼女がツモった瞬間にロンを宣言、『まだ牌を切ってませんよ!?』と言うセリフを聞きながら牌を倒して見せた、俺の待ちを見た和は『そ、そんなオカルトあり得ません』と震える声で手を倒し、手中の牌全てが当たり牌である事を晒した。 役は立直一発一盃口、裏ドラが暗刻で乗って20100、和の点棒が残り600になったと同時に漸く俺も仕上がった。

 

 

八本場、俺が和了ったら役満となる八連荘が確定したけど、残念ながら牌を開いたら大三元で和了っていたので天和大三元八連荘のトリプル役満で三人共トビで終了。

 

丁度ワシズさん達が帰って来たので重たい空気の中席を立ち、つい『それでは席を洗います、御無礼致しました』と先生の真似をして帰った。

 

その際に赤土さんが御無礼に反応してガタガタ震えてるのを見て何か背徳的な気分になってしまった、先生は普段こんな気分で勝ってるのかねぇ?




理牌の癖から手を読みきられ、片っ端から狙い撃ちにされたのどっち。

友達を鬼から助けようとして跳満ブチ込まれたシズ。

逃げたのに倍満で狙い撃ちされた憧ちゃん。

裏で傀にトラウマ刻まれた挙句、教え子虐殺を目の当たりにしてトラウマワード聞かされた赤土さん。

無駄足に終わったワシズ様。


今回一番不幸だったのは誰だろうね(白目

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