須賀京太郎の麻雀日記   作:ACS

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中学時代です。

前回から結構時間が経過していますので長野の雀鬼の名も代打ち、高レート、雀クマ退治などで県外まで知れています、顔はサングラスで隠してるので行きつけの雀荘や裏の人間にしか広まってませんが。


中学生編
三十一頁目


三十一日目 広まった異名

 

及川さんの代打ちを終え、帰路に付いていた頃、行きつけの雀荘から連絡が入った。

 

『未成年に頼むような事じゃないんだけどね』と前置きし、なんでも高校生くらいの三人組が客をカモって居るので退治して欲しいとの事、普段から世話になってるし、代打ちも終わったので二つ返事でOKし、雀荘に向かった。

 

 

洗牌のジャラジャラとした音がする中店長に案内されたのは奥の卓、確かにガラの悪い学生が仕事帰りらしいサラリーマンをカモっていた、制服に見覚えが無いのでこの辺りの人間じゃないな。

 

通しと掏り替え、見る人が見れば一発で分かるものだけど、真っ当な打ち方をしている人には分からないだろう、世の中にはオカルト雀士とかも居るし。

 

サラリーマンの点棒が残り1,000点になったので肩を叩き、『代わりに打ちますよ』と言ってその椅子に座る、財布が軽くなって帰ろうとする彼を店長に言って引き止めて置いて貰って対局。

 

相手は自分より年下の人間が入った事に落胆していたので、『レートを1,000点千円から一万円に上げませんか?』と提案して、更に俺の点棒はこの千点棒一本で良いと言った。

 

リーダー格であろう対面が俺のその発言に青筋を浮かべながら金は有るのかと聞いてきたので先ほど及川さんから貰った報酬三百万をサイドテーブルに置き、『足りませんか?』と聞き返すと、連中は目の色を変えてサイを回し始めた。

 

 

局は南3局 親は対面 トップとの点差は約5万点差、役満当てれば十分に捲る事が出来るので早く終わらせる。

 

配牌を見て純全帯に向けて決め打ち、9巡目に差し掛かった所で聴牌嵌二筒待ちの純全帯 三色同刻 三暗刻 立直か自摸で倍満、此処で俺は立直を掛けず次巡目で引いた二筒を握り込んでさもツモ切りした様に河の牌をずらしてリーチ、その為に河をわざと汚くしていたので連中は気が付かない上、リーチ宣言に食いついた。

 

和了拒否の理由は単純、連中は相手の立直後に親の追いかけ立直を掛け、通しを使って立直者に親の和了牌を握らせ一発を狙っているのだ、オナ聴なら通用しないけれど逆にそれがちょとした迷彩になってるんだろう、子供騙しだけど。

 

俺のツモは相手の和了牌なので一旦それを親の次のツモと入れ替えて暗槓、全員の目が見開いたが『何か問題でも?』と言って釘を差して嶺上牌を引く、新ドラは二筒。

 

引いた嶺上が槓材だったので連槓、新ドラは二筒。

 

三枚目も槓子、新ドラは二筒。そしてツモってきた嶺上牌をツモ切り、当然安牌だ。

 

そして連中が俺の三槓子に目を取られた瞬間、先ほど掏り替えた親の和了牌を改めて俺の二筒とすり替える、掏り替えた和了牌は親の河に紛れこませた、これで対面はドラ三を吐き出して放銃するし、下家は親の和了牌を握っておらず、また彼のツモもハズレだ。

 

 

裏ドラ4枚を期待してツモに手を伸ばした対面が二筒を引く、その瞬間その顔から笑いが消えた。

 

『御無礼ですね、立直 純全帯 三色同刻 三暗刻 三槓子、裏ドラは見るまでも有りませんが全て乗ってドラ19、32000は32万円になります』

 

当然払えるわけが無いので、脇の二人の有り金も置いて行くなら見逃してやると提案してやると三人とも財布投げ出して逃げて行った。

 

先ほど毟られていたサラリーマンに奪われた金を返した後、残った金は店の迷惑料として置いて行った。

 

サラリーマンは俺の後を追って来て御礼をしたいと言ってくれはしたけれど、特に俺は何もしていないので自販機でジュースを奢って貰って帰った。




中学編の京ちゃんはこんな感じです、丸くなった? って感じた人へ、学生が金踏み倒して逃げたら負けの対価が命に変わってました(白目

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