今日は1話だけの更新、偶には休み下さい(白目
五十二日目 対局未遂?
大星家に滞在して2日、熱は引いたので窓から屋根伝いに外へ出て雀荘に向かう、玄関から出たいのは山々なんだけど淡が『風邪治るまでまーじゃん禁止!!』と言って中々牌に触らせてくれなかったので、こっそりと彼女の目を盗んでの脱走だった。
…………けど一発でバレた、偶々スポーツドリンクを買い出しに行ってた淡とバッタリ出くわすなんて計算外だって。
滅茶苦茶怒られたけど、『其処まで麻雀したいの?』と呆れ顔で言われ、反射的に勿論と即答すると『……じゃあごぶれーとあのシャキーンって奴禁止だよ!!』と指を刺されながら言われた。
多分先生1号と2号の打ち方についての話だろう、2号の方はともかく1号は完全に俺の麻雀のベース部分になってるからなぁ、手成りで打つしか無いか……。
がっくりと肩を落としながら俺は身支度を整えて雀荘に行くことに決めた、と言うか欲求不満が溜まって仕方ないので結局は行く以外に道は無い。
けど哭きと御無礼を封印か……自分のツモ運と牌効率だけの勝負で何処までやれるのかなぁ……。
そんな不安を抱えながら雀荘に行き、監視の名目でちょろちょろと付いてきていた淡と対局しようと思っていた矢先だ。
『…………須賀京太郎だな?』
席に座る寸前に後ろから声を掛けられた、振り返ると長髪の女性が仁王立ちして俺の事を射抜く様に見つめていた。
『私は辻垣内智葉。あの甲斐正三にすら靡かなかった男と言うのが気になってな、どうだ? 今から私と1局打たないか? なんなら差し馬を握っても良いぞ?』
非常に強気で物怖じしていない、彼女は堂々と空き席に座ると、足を組んで俺の着席を顎で促した。
やりがいのある相手だ、そう思って席に座ろうとした時『ストーップ!! 何普通に対局しようとしてるのさ!! 絶対ダメだからね!? 目が本気だもん、ごぶれーとかシャキーンって奴やる気でしょ!!』と、淡に止められてしまった、実際やる気だったから反論出来なかった。
俺も辻垣内さんもなんとも言えない抜けた顔を浮かべてしまっていたけど、淡に腕を引っつかまれてそのまま店の外にまで連れ出されてしまった。
退店時、淡が辻垣内に『キョータローと打ちたかったら風邪が完治するまで待ってなよ!!』と言う言葉と共にあっかんべーをしてたけど、アレで怒ってねーと良いなぁ。
退店後は見るからに私怒ってます、という態度を取ってる淡の機嫌を宥める為に服を買いに行ったりブランド品を見て回ってたら1日が終わってしまった。
……てか、打たせてくれるんじゃ無かったのかよ。
ps
風呂上がりになんだかんだ言いながらも手積みで半荘一回打ってくれた、哭きも御無礼も無しで打つ事には変わらなかったけど、普通に勝ちは拾えた、勝ちはね……。
立直すれば一発自摸、裏ドラも必ず乗るし、何をどう切っても高目に手が行く所為で、打ち終わった後の淡は『ずっこいずっこい!!』と言って枕を投げ付けて来た挙句拗ねてしまった。
何だか大っきな子供みたいだ……。
ガイトさん打ち損ねるの巻、彼女は以前から京太郎の噂を聞いており、偶々東京に彼がいる事を知った為態々来てくれました、空振りに終わりましたが(白目
次回は完治するのでガイトさん戦になる予定、その次はまだ未定ですが岩手にでも行こうかと、早く豊ねぇに会いたいんだ。