岩手編の始まりですがとよねぇは次回になりました、すまんな(白目
五十五日目 正義の雀士 須賀京太郎?
辻垣内との勝負が終わり、次は何処に行くかなーなんて考えていたら見知った顔が人混みの奥から歩いて来るのが見えた、つか江崎だ。
向こうも向こうで俺に気がつくや否や『いやぁ、まさかこんな場所でお会いするとは思いませんでしたよ』と言って何時もの胡散臭い笑顔を貼り付けてこっちに来た。
基本的に此奴と街中でエンカウントすると碌でもない事に付き合わされるんだよなぁ、と思いながら近くのファーストフード店に入り、世間話と言う名の裏話が始まった。
なんでも彼の持っている山の近くにある集落で大規模な詐欺と窃盗が行われたらしく、代々の家宝や骨董品が持ち出されたと言う。 一集落だし、そんなに掘り出し物も無いので被害額自体は少ないらしい。
いや、そんな話裏の人間じゃなくて警察の仕事だろと思いながら注文したコーヒーを啜っていたが、良く考えたらこの男の持ってる山だからなぁ既に何人埋まってるか分からんし、シャベル差し込んだら人骨ゴロゴロしてる山を警察沙汰にはしたくないわな。
なんとなーく話のオチが読めて来た、その窃盗団に落とし前を付けさせるか山の養分にするつもりなんだろう、じゃあ俺は関係ないな。
と、江崎に言ったら『なんでそんな物騒な話になるんですか……』と普通に呆れられた、違ったのかよ。
『ま、半分は正解です。 彼らのやり口はたらいまわしの亜種のような物ですし、内々に処理したがる村社会の悪癖の所為で三対一の麻雀勝負を仕掛けられられてるそうで割と村人がカモらレてるらしいんですよ、だったらすこーし私も彼らから毟ってやろうかと』
もそもそポテト食ってた江崎はそう言いながら何故か俺にチケットと地図を渡して来た、大体読めてたから素直に受け取る、この野郎後堂に仕事押し付けてたのがバレたな? さっきから携帯鳴りっぱなしじゃねーか。
『あらら流石後堂サンだ、バレない様に巧妙に仕事押し付けたんですが……もしかして初めからバレてましたかね?』と戯けた江崎はコーラを飲み干して席を立った。
『と、言う訳で私の代打ち頼みましたよ? ああ、万が一暴力沙汰になっても大丈夫な様にターゲットの居場所周辺には部下を配置してありますから、思う存分ヤッちゃってください、それでは』
江崎はそのまま両手を万歳しながら指を三と七にして店外へ出て行った、さっきの三と七は多分報酬の意味で、俺が三の江崎七。
まぁ金は腐る程あるし別に全額江崎に送っても良いんだよなぁとか考えて窓の外を見る、すると江崎は携帯から聞こえているであろう後堂の怒鳴り声と説教に辟易した様子で携帯を摘んで耳から離した所で聞いていた。
彼奴ら変わらねーなと思いながらコーヒーを飲み干し、仕事をしに岩手へと向かった。
江崎えもんの力で岩手行き、同時に山の養分が増えるよ!!
京太郎「好きにやれと言う事は運も奪い尽くしても良いんですね?」(御無礼スマイル