須賀京太郎の麻雀日記   作:ACS

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岩手編終わったら帰り道に奈良によって阿知賀勢と打ってから帰ります(白目


五十八頁目

五十八日目 お泊り?

 

 

雨が止み、豊音さんの案内の下で無事下山した俺は一旦冷えた身体を温める為、彼女の家のお風呂を借りていた。

 

詐欺師連中は麓の町らしく、また山を越えなきゃならないのかと疲労感が押し寄せて来る、そんな憂鬱な気分で頭を洗っていたら、お風呂場の扉が開く音が聞こえた。

 

 

『お、お背中流すよー』と恥ずかしそうに豊音さんが入って来た、流石にタオル一枚と言う事は無く水着を付けて居たけど、色白だしグラマーな身体だから……健全な中学生には色々辛い部分がある。

 

しかし、しかしだ、慌ててお風呂から出たら多分豊音さんは傷付く、下山中も話してる間も目を合わせてくれなかったって事で地味に傷付いてたし。

 

出るか否かを悩んでると『じゃあ洗うね〜?』と言って豊音さんが俺の背中を洗いだした、彼女は鼻歌交じりで実に嬉しそうだったので俺も諦めて為すがままになった。

 

…………てか、豊音さんは水着だけど俺は普通に全裸何だけど。

 

 

嬉しい様な恥ずかしい様な体験を乗り越えた俺は、気恥ずかしい気持ちを抑えつつ、麓迄の準備を進めて行く。

 

詐欺師連中の滞在期間から察するにそろそろ引き上げる頃合いだ、素人相手の三流も引き際位は弁えている筈、カモのフリをして勝負を挑むには今か。

 

そう思って家を出ようとしたら豊音さん家のお婆さんに止められてしまった、山の天気は変わり易い上に雨で地面もぬかるんでる、町に着けば日も暮れてるだろうと。

 

今の疲労感では多分町に着く頃には眠気でロクに打てそうも無い、それに俺一人ならともかく多分道案内と称して豊音さんも付いてくる筈、彼女を夜歩きに連れ回すのは関心しないか。

 

御言葉に甘えて一泊する事になったけど、空き部屋が物置として使われてる為に豊音さんと同じ部屋に泊まる事になるとは思わなかった。

 

……豊音さん? 『お泊まり会みたいでちょーどきどきだよー』ってはしゃいでるけど、俺たちは異性同士だし出会ったばっかりだし、もー少し警戒心強くても良いんじゃ無いかな? あんまりにも無防備だったから俺ロクに眠れ無かったし。

 

 

翌日、寝不足を噛み殺しながら出発する、豊音さんが『じゃー案内するよー!!』と張り切ってるのが眩しい。

 

歩いてる内に眠気は覚めたし、昼前には町に着いたので早速詐欺師連中を締めに行く事に決めた。

 

 

豊音さんは置いて行くつもりだったんだけど、カルガモの子供の様に俺の背後を付いてくるので諦めた、仕方ないから穏便に済ませるしかない。

 

そう思いながら雀荘に行き、詐欺師グループのリーダーの所に行き、サイドテーブルに用意して来た大金を積んで勝負を仕掛ける。

 

手積み式の安場の雀荘なので3対1の性質上確実にイカサマされるだろうなぁ、と思いつつベタ積みして対局を開始。

 

 

4巡目で国士無双13面待ちを自摸和了して見せたら実力の違いを思い知ったのか『しゃ、しゃーねーな、奪ったもんは返してやるよ』と震える声で言い始めた、それなりに俺の事は知ってる様だった。

 

『……何を、言っているのですか?』と喜ぶ豊音さんを気にせず、詐欺集団に問いかける。

 

向こうも豊音さんもえっ?と言う顔をして俺を見つめて来た、唯返して貰うにはこいつらは引き際を見誤った、俺が席に座る前に逃げるべきだったのだ。

 

 

『……貴方達が奪った調度品、もし貴方達が麻雀で勝てたのならその全てを買い取って差し上げましょう』

 

 

無論レート付きの麻雀だ、身包み全てを置いて行って貰うよ三流。





さらっと始末された詐欺グループ、四、五名の連中なので骨の髄まで奪い尽くされました(白目

あれ、鷲巣様と似てきてやがる(震え声


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