ヤウきゅーぶ!   作:茅倉 遊

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いや~、新年が始まりましたね。
僕も『ガキ使』や『紅白』を交互に見ながら年末を過ごしました。
今年も頑張って行きましょうッ!


試合開始

 ---『慧舞学園初等部、女子野球部』の練習日は、『火曜日、木曜日、土曜日』である。

 

 理由は明白。その 3日 が、女子のグラウンド使用可能日なのだ。男子と交代でグラウンドを使用するため、どうしてもお互いに練習時間が短くなってしまう。試合や大会で勝ちたいなら、誰もが練習したいと考える。しかし 慧舞学園初等部 男子、女子野球部 では、それが出来ないのだ。

 そのため、もっと練習したいと望めば とある手段 を取るしかない。その手段は、小学生でも解るような簡単なモノだ。-----ただ単純に、『片方から グラウンド使用権 を奪えばいい』。

 そうすれば、グラウンドは 一方 の使いたい放題になる訳だ。

 決して褒められるような手段じゃないが、実際に『起きて仕舞ったモノは仕方がない』。すでに回避出来る状態でもないし。つまりもう、ヤる《戦う》しかないのだ。

 ・・・・ グラウンドの使用権 を賭けた ≪男子野球部 対 女子野球部≫ の試合を・・・・。

 

 

 

 ・・・・さすがは 私立で進学校 と云うべきか、『慧舞学園初等部』では 土曜日 なのに学校で 授業 があったそうだ。しかし時間的には午前中だけだったようで、現在の正午になる頃には、初等部の生徒たちは下校し始めていた。

 だが、ほとんどの生徒たちは、帰宅せずに足を止める。そして『とある場所』に向かって、歩き始めるのだ。

 その場所とは『第二グラウンド』。そこでは今日・・・・・・、

 

 ----- ≪初等部、男子野球部 対 初等部、女子野球部≫ の 試合 が行われるのだった。

 

 

 

 

 

 

「まさかこんな所で プロ野球選手 に会えるなんて、とんでもない奇跡だね!」

「・・・・言い過ぎですよ。それより、今日は宜しくお願いします」

 試合が始まる少し前、俺は今回の対戦相手・・・・初等部男子野球部の顧問に挨拶していた。

「しかし、プロの選手が『臨時コーチ』なんてよく引き受けましたね。何か理由でも?」

「いえ、大した事じゃありません。ただ日頃お世話になっている 姉 の頼みだったので」

「おぉ! それは素晴らしい。いい弟をお持ちですね、鷹野先生」

 顧問の先生が、俺の隣にいる姉・・・・鷹野 迅美に話を振った。

「これくらい当然ですよ。それより本当に試合を行ってくれるなんて、どう云う風の吹き回しですか?」

 ハヤ姉が相手の顧問を鋭く睨んだ。・・・・といっても、身長差があり過ぎてあまり迫力がない。

「いえいえ、此方からしては願ったり叶ったりですよ。なんたって女子野球部がグラウンドを譲ってくれるんですからね」

 相手顧問は満面の笑みで、ハヤ姉の質問に答えた。

「・・・・こっちが負ける前提かよ」

 ハヤ姉の呟きは、隣に居る俺にしか届かない。

「お手柔らかに・・・・と言いたい所ですが、出来れば 全力 で来てくださいね。弱すぎると、此方の練習にもなりませんから。一応、選手たちには 練習試合感覚で と言ってあるので」

「そうですか・・・・」

 なるほど。勝ち負けを気にするのでは無く、個々の 技量向上 に今回の試合を使う訳か・・・・。

 まぁ、向こうからしたら 負け なんて在り得ないんだろうな。・・・・・・けど、

 

「---練習試合に選んだ相手の実力を、あなたは本当に把握していますか?」

 

「・・・・何が言いたいんですか?」

「いえ、ただの独り言です。・・・・・・あ、そうだ。これがこっちのオーダー表です」

 そう言って、俺は相手顧問にこちら側のオーダー表を渡す。

「・・・・こっちのオーダーです」

 向こうのオーダー表を貰い、試合の準備が完了する。

 そして俺たちは、互いのベンチに帰っていく。

 

 ---選手たちの、士気を高める為に。

 

 

 

 

「はっきー! もちろん勝ちに行くんだよなっ!」

「あぁ、もちろん」

 真帆の言葉に頷いてから、俺は全員の顔を見る。

 少し不安気だが、決して諦めていないこの子たちを俺は 勝利 に導きたい。

「よし! 絶対勝つぞ!」

『おーーーっ!!』

 俺の言葉に、全員が手を上げて答えた。

「まずは、オーダーの発表だ」

 

 一番 センター   真帆《まほ》

 二番 ファースト  紗季《さき》

 三番 ショート   迅理《はやり》 

 四番 ピッチャー  智花《ともか》

 五番 サード    友香《ゆうか》

 六番 ライト    愛莉《あいり》

 七番 キャッチャー 黄名子《きなこ》

 八番 レフト    ひなた

 九番 セカンド   希 《のぞみ》

 

「・・・・で、行こうと思う」

「けっこう 変わりました ね」

 紗季がアイガードに触れながら、冷静に答える。

「打席の順番と 智花がピッチャー 」

 全員が思ったであろう 変更点 を希がツッコむ。

「え、え? 智花がピッチャーなんですか!?」

「もっかん! ピッチャー出来たのかっ!?」

「う、うん! 迅輝さんと練習したの」

 友香と真帆の質問に、智花が顔を赤くしながら答える。

「おー? どうして友香が投げない?」

「切り札《友香》は出来るだけ取って置きたいんだ。確かに智花は 付け焼刃 で不安定な所もあるけど、友香は最後の方に使いたいと思う」

 ひなたが両手を上げながら聞いてきた質問に、迅輝は落ち着いて答えた。

「・・・・ど、どうしてですか?」

 今度は愛莉が質問する。

「あぁ、それは・・・・」

「同じピッチャーを使い続けると、相手がそのピッチャーに慣れ始めて相手の攻撃を抑え難くなるやんね。だからピッチャーは多い方がいいやんね!」

「・・・・そ、その通りだ。よく分かったな黄名子」

 迅輝が答えようとすると、黄名子が横から答えてくれた。

 確かに、それが 大きな理由 である。ピッチャーは多いことに越したことは無い。それにもう一つ理由を上げるなら、友香は 完投出来ない可能性が高い のだ。小学生ピッチャーの中では スタミナ がある方だが、友香はその 超高速ボール のせいか スタミナがすぐに無くなってしまう 。

「それにしても、黄名子は初心者なのによく知ってるな」

「たぶん、後藤《ごとう》くんに聞いたんだと思います」

「後藤くん?」

「男子野球部の 天才プレイヤー って言われてる、凄く野球の上手な人です」

 へぇ~、偶然だな。俺にも 後藤 って知り合いがいるよ。まったく同じで 野球の天才プレイヤー って呼ばれてる知り合いがな・・・・。

「男子にそんな 隠し玉 があったなんてな。これは油断できないな、智花」

「はい! 全力で戦って、絶対勝ちます!」

 一緒に話していた智花が、気合の入った声で答えた。

 

「それでは試合を始めるので、整列をお願いします」

 この試合の主審を務める教員から、試合開始の準備をするように声を掛けられた。

「じゃ、行くか!」

「みんな、絶対勝つぞっ!」

『おーーーっっ!』

 全員で最後の声だしをして、整列を始める。そして・・・・

 

「---それでは、男子対女子の試合を始めます」

 

 『---よろしくお願いしますっ!』

 

 待ちに待った試合が、遂に始まった---

 

 

 

  




茅倉 「新年、明けましておめでとう!」
全員 『おめでとうございます!』
真帆 「はっぴーにゅーいやーっ! ゆーゆーも一緒に祝おうよ!」
茅倉 「いや、そのために俺居るんですけど・・・・」
希  「ホントならもっと話が進んでいて、登場人物ももっと多かった」
茅倉 「それ禁句です」
智花 「の、希! 遊さんを困らせないで!」
友香 「そ、そうだよ!」
黄名子「そうやんね。新年をみんなで楽しく祝うやんね!」
ひなた「おー! みんなで祝う~!」
迅理 「お兄ちゃんも一緒に祝おうよっ!」
迅輝 「分かってるよ。えーっと、新年明けましておめでとうございます」
茅倉 「さて、本編も遂に男子との試合が始まりました。新年と試合が同時に始まった訳ですが、試合の方はどうですか?」
愛莉 「・・・・ぜ、絶対勝ちます!」
紗季 「当然、男子なんかに負けられないわよ」
茅倉 「気合入ってるねェ~」
迅輝 「お前も気合入れて執筆しろよな。ホントなら本編もっと進んでるはずだろ?」
茅倉 「ホントなら、アンタの高校でのチームメイトや 幼馴染 も登場してるんだけどな」
智花 「は、迅輝さんの幼馴染っ!?」
茅倉 「智花、ライバルは多いけど頑張れ」
智花 「そ、そんな~~っ!」
真帆 「さてさて、ゆーゆー。そろそろ最後っぽいよ!」
茅倉 「よし! じゃあ、最後に・・・・」

後藤 良一《ごとう りょういち》 「今年も全力で頑張るぞ!」
嶋崎 真由美《しまざき まゆみ》 「今年も良い年になりますように!」
長谷川 綾人《はせがわ あやと》 「これからも ヤウきゅーぶ! をよろしく!」

全員 『・・・・誰ですか?』
迅輝 「お前らなぁ~・・・・」
茅倉 「本編が進めば登場する人達ですよ」

 茅倉「今年もよろしくお願いします!」

 ---感想等、書いてくれると嬉しいです。
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