何故か毒怪竜になった件について   作:キョロ

14 / 40
三週間とか置いておいたら申し訳ないよな、と思って投稿。
来週の日曜日は投稿できるかどうか今から模索しますよ。

では、スタートです。


13、食事は生きていくうえで大切な件について

『おーにーくー食ーべーたーいー!』

 

『まーだー駄ー目ー!』

 

 どうも、サヤです。今日も元気に洞窟暗闇ライフです。イエイッ! ……どうせ根暗ですよーだ。

 そういえば少し前にまた繭タイムがきました。そのおかげで私の両腕のところに少し翼らしきものがっ。まあどう見てもまだ飛べないですがね。小さいし薄いし。

 私とリオのこの差は何なんだろうね。同い年らしいんだけどなあ。私はたぷたぷお腹ののっぺらぼう、リオは可愛いショタ。酷い差だ。

 

 いつも通りのお昼くらいのこと。

 お母さんから血を貰おうとしたらちょうどお母さんも食事時のようでお肉を食べようとしていました。で、それを少し分けてもらおうと思って今に至ってます。

 うーん、まさかお母さんがこんなに頑固だとは思わなかったよ。

 

『ヤダヤダヤダヤダヤダー! 食べたいー!』

 

『まだ血だけの時期なの! 我慢しなさい!』

 

『いーやーだー! 食べたいのー!』

 

『それにこれは私のご飯だから駄目なの!』

 

 ええ、醜い駄々をこねていますが何か? 食べたいんだよー。

 前世では野菜嫌いお肉ウェルカムだった私。久しぶりに食べたいというのが心情なんです。

 するとこれ以上の異論は受け付けないと言う様にお母さんはお肉を早食いしてしまいました。ああっ、お肉……、お肉があ……。

 お肉のほんの一切れもくれなかったお母さんを思い切り睨み付けます。目はないから雰囲気で睨み付けます。なんで目が無いのさ! こういう時必要だよ!

 でも血は貰っときます。こうなったらいつもの十八倍は飲んでやるんです。意地です。

 

『お前たち……、耳に悪いから少しは静かにしろ』

 

『最近は人間に目をつけられないように大人しくしてんだ。その努力を分かれよ』

 

 馬鹿らしいと言うような感じでジョーおじさんとティーおじさんが洞窟に入ってきました。私とお母さんの先程の会話は洞窟の外まで聞こえていたようです。なんと。

 というか、さっきまで私はお母さんとかなり大事なことを話していたのにそれは無いですよ。まあお母さんの強行のせいでご破算になったんだけどね。

 少し不機嫌になりながらもちゅーちゅーと血を吸い、唐突にいいアイデアを思いついて私はお母さんの身体から口を離しました。

 

『そうだ、お二人のお肉を分けてくださいよ』

 

『『お前は何を言っているんだ!?』』

 

 結果。二人からツッコミを受けました。えー。

 ジョーおじさんのツッコミは珍しいから別にいいんだけど、ティーおじさんはなんというか……飽きた。いや、数少ないツッコミ役ってことは分かってるよ? 私の知り合い、ぶっ飛んだモンスター多いもんね。

 でも、私はただお肉を食べたいだけなんだけどなあ。なんでそれくらい協力してくれないのかな。いつも通りちょっと齧り付いてお肉を抉る程度ですよ。協力してくださいよ。

……あ、脂肪はいらないからね? これ以上脂肪ついたら泣くよ。

 

『私はお肉を食べたいんですよ』

 

『つまりあれか、お前は俺らを歩く食材として見ていたって訳か?』

 

『はいっ!』

 

『いい笑顔でそういうことを言うんじゃない!』

 

 またジョーおじさんにツッコまれた。食べたいんだもん。文句言わないでください。またウルさんたちに知恵を吹き込みますよ? 良いんですか?

 『頭痛が……』と疲れたように呟くジョーおじさん。え、大丈夫ですか? 今日はもう帰って休んだほうが良いと思いますよ。

 やがてジョーおじさんとティーおじさんは揃ってため息をついて、何かアイコンタクトをした。仲良いんだなー。でもなんで詰め寄ってくるんですか? 怖いんですけど。

 

『お前が俺たちを食材として見ていたということは、』

 

『俺らがお前を食べても問題ねえんだな?』

 

『え……、ヤダ。なんかエロイ』

 

『『ふざけんな!!』』

 

 今日は二人のツッコミデーみたいだ。あはは、息ぴったり。

 それにしても二人とも来たばっかりだというのに随分と疲れてるみたいだ。さっきよりも温度が上がってるし。風邪? いや、モンスターって風邪引くのかな。

 

『誰がお前なんぞに対して食指が動くか』

 

『そうそう! 論外だぜ!』

 

『ちょっ、そこまで言うことは無いでしょう!?』

 

『私の子供をいじめるなー!』

 

『元はと言えば原因はお前なのだろう!?』

 

『ややこしくなるから引っ込んでろ!!』

 

 やっと会話に入ってきたお母さんが即座にログアウトしました。洞窟の奥のほうに歩いていってしまった。あー、うん、なんかごめんなさい。だから泣かないで。

 とにかくこの失礼なモンスターをこの洞窟から早々に追い出さなくては……。どうしたらいいかね?

 しばらく解決策を出すためにうんうん呻っていると、ため息混じりのジョーおじさん発言が聞こえた。

 

『……そんなに肉が食べたいなら成体になってからにしろ』

 

『嫌ですっ! 今食べたいんです!』

 

『だからなんでその理由で俺らが痛い思いしなきゃいけないんだ!?』

 

『ちょっと抉る程度ですよ。問題ないでしょう?』

 

『大有りだわ! ちょっとは俺らの身にもなれ!』

 

 それを言うならお肉を食べたい私の身にもなってもらいたいものですね。どうせ普段お肉を食べているモンスターたちに私の気持ちは分かりませんよーだ!

 一人いじけながら、そう言えばまだ満腹じゃないんだよなと思う。さっきは途中でジョーおじさんとティーおじさんが入ってきたから中断したんだよね。

 お肉は食べさせてもらえないだろうからな、血だけ貰おうか。さすがに承諾なしで抉る私じゃないよ。血は無許可だけども。

 

『はむっ』

 

『ちょ、あ、いてえええええ!? 何噛みついてんだオイ!』

 

『おひょふひは(しょくじタ)ふへふ(ムです)ー』

 

『相変わらず分かんねえな!』

 

 ちょっと黙っててください。そんなに動かされると吸えないじゃないですか。暴れられると噛みつくだけで精いっぱいなのに……。

 せめて献血には協力してくださいよ! お肉は諦めた。だってこのモンスター頑固だし。

 どうにか説得しようにも噛みついた状態じゃ伝わらないだろうし、でも離すのは面倒だしでそのまま血を頑張って吸うことに決めました。異論は受け付けないよ!

 

『むむむ……』

 

『抉るなよ!? 抉ったら許さないからな!』

 

『落ち着け。多分普通の食事だろう』

 

『あの話の流れでくると本気でやりそうで怖いんだよ!』

 

『ご愁傷様、とだけ言っておこう』

 

『てめえええええ!! 俺の気持ちになってみろ! 絶対喚くからな!』

 

 ぎゃあぎゃあと煩いな。まあティーおじさんが突然物静かで頭良さそうなキャラになったら私が泡吹いて倒れるけどね。でもちょっと見てみたいかも。

 んー、やっぱり吸いづらい。私ブラブラしたまま吸ってるんだよ? すごくない? ここで口を離したら飛ばされて壁にぶつかること間違いなしなんだけど。どうしよう。

 喧嘩は数分続き、それが終わるとようやくティーおじさんが落ち着いてくれた。助かった……。壁にビターン! は私の死亡フラグだよ。

 

『そういえば、お前食事量増えたよな』

 

『そうなのか? 俺は滅多に吸われないから分からんが』

 

『俺はお前と違うんだよ。本当一度代わってくれ』

 

『断る』

 

『即答か……』

 

 よーし、大分お腹が満たされた。ご馳走様でしたー。

 ……さっきの会話、聞いていたんだけどさ。私食事量増えてるんですか!? これはデブ道まっしぐらな予感だね! はあ……。

 太ってしまうのはギィギである以上仕方がないことだと分かっているんだけどね。やっぱり気になるんだよ、どうしても。私が前世で男だったら気にしなかったかな。

 食事量を減らすって言うのは私の成長的な意味で無理だしなー。うん、こういう時こそ現実逃避だよね。目の前のモンスターたちいじくりまわそう。

 

『ところで、ジョーおじさんはウルさんとベリィさんのどっちが好きなんですか?』

 

『言うまでもないだろう』

 

『やっぱりウルさんが……』

 

『違う! なんで別種に恋をしなければいけないんだ、俺は』

 

『じゃあ好きなイビルジョーはいるんですか?』

 

『この地には今は俺以外いないみたいだから分からないな』

 

 なんだ、つまんないの。ここで好きな人がいたらウルさんたちが交じって面白い展開になっていたかもしれないのに。空気読んでよ、ジョーおじさん。とにかくこれ以上ジョーおじさんを弄れる話題を私は知らない。

 と言うわけで方向転換! ここは同じ流れでティーおじさんにも聞いてみちゃおうか。恋バナ。ちなみに私は好きなモンスターいませんよー。

 

『ティーおじさんは好きなティガレックスいるんですか?』

 

『火山にいるティガレックス亜種かな』

 

『ですよねー。……っているんですか!?』

 

『なんでそんなに驚かれてるんだ!?』

 

『お前が一番女に関心がなさそうだからだろ』

 

『そのままそっくりお前に返すよ!』

 

 えーえーえー。ティーおじさんに好きな人がいるなんて……。俄かに信じがたいですよ。

 でも火山、かあ。こことはまるで逆の環境だよ。そんなところにティーおじさんは行ったことあるっていうのかな。随分な遠出だね。

 私も大きくなったらいろんなところ行ってみたいな。火山はさすがにキツイかもしれないけど、雪山とか行ってみたいよね。ポッケ村の近くの。まあ場所は知らないんだけど。

 

『どうせティーおじさんのことだから遠巻きに見ているだけなんでしょう?』

 

『うっ、よく分かったな』

 

『ストーカー』

 

『ジョウに言われると言い返せない!!』

 

 最近ジョーおじさんがノリが良い気がするんだけど、それは私の気のせいなのかな?

 もうここまで来ると『お肉ください』なんて話題はもう出せなさそうだなー。ちっ、いい機会を逃しましたか。

 お腹も満腹だからそろそろ寝たい。食べた後すぐに寝ると太るって聞いたことあるけど、私は何をするにしろ太るって分かってるから気にしないことにしています。開き直るよ。

 まだ何か言い合っている様子の二人を放置し、私は洞窟の奥へと向かっていきました。

 あ、お母さん寝てる。




他の作品みたいに何か大型イベントを入れたいと思う今日この頃。
でもこのメンツだと大賀イベントが思いつけないという悲しい事実。
というかそもそも大型イベント入れても二話で終わりそう。小型イベントだ。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。