どうも、クリスマスは家族と過ごすキョロです。
彼氏なんてできたことありませんからね、ははははは。
さて、今回は番外編です。
今までのキャラを全部詰めてみました。ぶっちゃけ詰め過ぎて存在感ないやつもいます。
とりあえずプレゼント交換というイベントのおかげで全員喋らせることには成功しています。
筆が乗りすぎて一万字を少し越えてます。いつもの倍ですよ。
用事がある方は先にそちらを片付けることをお勧めします。
では、スタートです。
『多分、もうじきクリスマスかあ』
どうも、サヤです。今日も引き籠りですよ。
そういえばホワイトクリスマスって初めてかもしれない。まあここだと年中雪降ってますがね。
……ふふっ……、アベックが町中でイチャつくあの日だよ。あれは本当に止めてほしい。いない方の気持ち、絶対考えたことないよねあれ。家でやれ、家で。そんで人に迷惑かけずにイチャつけ。
『また何かイベントでもあるのか?』
眠いなー、とか思いながら欠伸をしていると隣から声がかかる。あ、ジョーおじさんもいるんだった。すっかり忘れてたよ。ごめんなさい。
でもどう説明しようか? 確かにこの前もハロウィンの時に説明をした覚えはあるけど、私の記憶が確かならそんなに分かったような感じじゃなかったんだよね。果たして説明をする意味はあるのか。そこが悩みどころですよ。
『……ええとですね、クリスマスなるものがありましてですね』
『ほう、クリスマス』
『正しくはイエス・キリスト生誕祭ですかね。……ま、要するにプレゼント交換の日です』
私、間違ってないよね? 確かこんな感じだったはず。まあ詳しくはググるなりなんなりしてください。私の手元には生憎インターネットがありませんがね! というかこの世界にインターネットってあるんだろうか。
まあとにかく、ここまでジョーおじさんに話しちゃったから多分またイベントが開かれるんだろうなあ。……プレゼント交換、か。ろくでもない面子になりそうだけど、少しくらいならプレゼントにも期待していいよね?
――後に、私はこの思考を後悔する羽目になりました。
――――――――――
『プッレゼントー! プッレゼントー!』
『なんかお母さんのテンションがいつも以上に高い』
ただでさえ普通のテンションも高いのにそれ以上だとか勘弁してよ。ちなみに私はハイテンションな人はあまり好きじゃありません。ちょっと、ついていけないんだよ。
今日お母さんのテンションが高いのにはれっきとした理由がある。それはズバリ、この前のジョーおじさんとの会話。
そう、つまり、このモンスターたちはどうやら今日クリスマスパーティーを開く気のようなのだ。ちなみにまだ昼だ。真昼間からやろうとしてるモンスターたちはどう見ても知識がない。
『なんだろう、始まってもないのにこの不安』
『サヤは何をプレゼントにするの?』
『ああ、私は……』
『サヤー! 来たぞー!』
『うわ、うるさっ』
洞窟の入り口から大きな声……、ティーおじさんがそこにはいました。相変わらず煩いモンスターだ。しかもお母さん同様浮かれているのかその煩さが三倍まで増量している。あああ、頭が痛い。
ズキズキと痛む頭を押さえながら、私は大変なことに気付いてしましました。
……これから来るモンスターたちは、
『ジョウ様っ! 私からのプレゼントは私の……ヤダ、言わせないで!』
『このエロモンスター! ジョウ様は私のものよぉ!』
『……母さん、僕は今とても縁を切りたいよ……』
『サヤ! 着いて早々悪いが助けてくれ!』
『私の頭のために死んでください』
ティーおじさんよりも騒いでいるモンスターたちだと。
あちゃー、早速ジョーおじさんがピンチ。まあ助ける気はさらさらないんだけどね。だって面白いし。因果応報? ってやつだよ。使いどころが違う気がするけど。
リオが既に「帰りたい」オーラを出しまくってるけど帰す気はないよ。それに帰ったって寂しくなってまたここに来るのが落ちな気がするのは私だけ? ……あれ、本当に私だけ?
『リオ、久しぶり』
『久しぶり、サヤ。……いつもながら、ごめんな』
『あはは、何を今更。次言ったら血液全部吸うよ?』
『……脅しに聞こえないのは気のせいか?』
『いや、本気だから。信じないならそれでもいいけど』
『サヤは言ったことは実行しそうだしね、信じるよ』
リオは苦笑しながらついさっき一緒にやってきた三体のモンスターを眺めて大きなため息を吐いた。うん、あれはどうにかしないとパーティ以前の問題だよね。
こういう時くらい大人しくなってくれないものなのかな。いくらお約束だからってさすがにちょっと限度があると思うんだよね。ついでにお約束的なタライ、降って来てくれないかな。
『ふぐぅ!?』
『さっ、サヤ!?』
そう思ってたら降ってきました、タライ。私の頭上に。
……これはあれかな、喧嘩売られてんのかな私は。ふふっ、ちょおっと私もそろそろキレちゃうかもしれないよー? いつも大人しいからって怒らないとは限らないんだから。私だって怒る時は怒るの! 溜めこんでた分怒りは結構大きいよー?
いつもと雰囲気が違うことに気付いたリオが無言で洞窟の中に入って行った。賢明な判断だね。私は嬉しいよ。
『そろそろ静かに……!』
『おー! みんないらっしゃーい!』
『ふぎゅっ!?』
『サヤーーー!!』
声を張り上げて洞窟の入り口近くで騒ぐモンスターたちを一喝しようとしたらお母さんに踏まれました。ちょ、お母さん死んじゃうから! 死んじゃうからそこ退いて!
リオの大声でお母さんは私のことに気付いてくれたのか案外すぐに退いてくれた。まさかパーティで死ぬなんて思ってなかった。……いや、よくよく考えたら私の周りは大型モンスターばっかりだからそれで死んでもおかしくないんだね。
『どうも、お邪魔しまーす』
『あっ、ミキ、来てくれたのか』
『うん。僕もクリスマスをひ一人、いや一匹で過ごすのは寂しくて』
『来てくれてありがとうございます』
『こっちこそ、誘ってくれてありがとう』
ティガレックス亜種のミキさんもカオスになりそうなクリスマスパーティに来てくれた。誘った私が言うのもなんだけど、ミキさんは来ないほうがよかったんじゃないかな。この絶対にグダグダになりそうな場所に放り込んでもいいのかな。ミキさんは純粋でいてほしいです。
ミキさんが他のモンスターたちに挨拶に回っている間に来ているモンスターの事を考える。私、お母さん、ティーおじさん、ウルさん、ベリィさん、リオ、ジョーおじさん、ミキさん。これで全員揃ったのかな。
『みなさーん! 全員揃ったのでプレゼント交換始めましょう!』
『『ジョウ様、交換してください!』』
『詰め寄ってくるな!』
『……あのー、音楽が鳴っている間自分のプレゼントを回すんですけど』
私がそう言ったらみんなが『は?』って見事に息が揃った。ああ、各々の自由でプレゼントを渡す気だったんですね。そういう私的なプレゼント交換はプライベートのときにやってほしいよ。
とにかく説明。プレゼント交換中は音楽を鳴らす。音楽が鳴っている間にプレゼントを隣の人に回していく。音楽が止まったとき自分の手元にあったプレゼントをもらえる。と簡単に説明しました。うん、これで納得してくれるよね。
『ねえ、サヤ。音楽はどうするのー?』
『どうするって?』
『誰かが歌うのか、って言いたいんだと思うよ、ギギィさんは』
『……あ』
そういえば、そうだった。前世では普通に音楽を流すための機械でクリスマスらしい曲を流していたけど、ここにはそういう機械とかCDとかないんだった! それを忘れてやろうとしてた私って、いったい……。
非常事態にもほどがあるよ。うーん、何か代用できるものは……。
『ティーおじさん、歌ってください』
『俺!? てか、そしたら不平等にならないか?』
『なに、簡単なことです。ティーおじさんが交換の輪から外れればいい』
『俺だってプレゼント欲しいよ!!』
ちっ、駄目か。これが一番いい方法だと思ってたのに。
でもそしたら誰を代用に使おうかな。あ、私はやる気ないよ? だって音痴だし、なにを歌えばいいのさ? 日本の国家とか?
『……俺がやろうか』
『え、ジョーおじさんがですか?』
『俺はプレゼントはいらないし、そもそも用意してないからな』
『用意してないんですか』
『何を用意すればわからなかったからな。あ、鼻歌でいいか?』
『ええ、それはもうジョーおじさんのご自由に』
というわけで音楽の係りはジョーおじさんになりました。なんか厄介払いみたいな感じですみません。雌のモンスター二体がすごく不機嫌になってるけど気にしない。すごく私のほうをにらんできてるけど気にしない。
早速ぐるりと円になり、ジョーおじさんの鼻歌で始まるプレゼント交換。
『『『『『『……』』』』』』
『誰か喋ってよ……』
この沈黙は何!? 何故かみんな必死になってます。たかがプレゼント交換ぐらいで。あ、でもプレゼント交換なんてやったことないから楽しみなのかもしれない。それでも楽しんでるって空気じゃないよね。
静かな洞窟の中にジョーおじさんの鼻歌が響き渡ります。なんか、寂しいね……。
『よし、そこまで』
ジョーおじさんの合図で一斉に動きを止める。そして一斉に自分のプレゼントが誰からのものかを確認し始める。既にジョーおじさんが抜けた時点で脱力しきっているモンスターがいますが、面倒なので触れないことにします。
えっと、私のは……誰のだ? こういうとき熱視覚って不便だよ。分からない。
『あっ、私のはサヤにいったんだね? やった!』
『ああ、お母さんのでしたか』
私の真正面にいたお母さんが喜びの声を上げた。お母さんからのプレゼントかあ。なんだろう。一番予想できないモンスターだよ。
プレゼントはハンターさんたちが使っているビンに入ってるみたい。何だろう、と思って好奇心で開けてみた。
『……』
『ねっ? サヤにはいいプレゼントでしょ?』
『むしろ私以外に喜ぶモンスターいませんよ』
お母さんからのプレゼントは『血』でした。よくそんなものをプレゼントにしようとか考え付いたね……。私は血が主食だから別に構わなかったけど、他のモンスターに当たったらどうするつもりだったんだろう。回り回って私のところに来るのかな。
ちょうどお腹も空いていたのでその場で飲み干した。お腹が苦しくなった。
『お母さんはなんだったんですか?』
『私? ……ティガからお肉もらったよー』
『美味そうだろ? さっき獲ったばかりのポポ肉だ』
『『南無阿弥陀仏……』』
『サヤ? ミキ? どうしたんだ?』
同じ日本生まれなだけあって考えは同じようです。なんだか他のモンスターと一緒だと嬉しくならない?
するとお母さんの隣から疑問の声が聞こえてきた。
『あらぁ? あたしもポポ肉を持ってきたんだけどぉ?』
『僕も草食竜のお肉を持参しました』
『なんですか、この肉率』
つまりお肉を持ってきたのはティーおじさん、ウルさん、ミキさん、と。ちなみにウルさんのはリオへ、ミキさんのはミキさんへ回ったそうな。ミキさん戻ってきちゃってるよ。
これで残るは私とベリィさんとリオのプレゼント。もらってないのはティーおじさんとベリィさんとウルさん。ベリィさんはどうやら自分のものではないみたい。
『えっと、俺のは……血石?』
『あ、それは私からのプレゼントです』
『お前かよ……。まあお前らしいといえばらしいんだが』
昨日必死で探した血石だよ! 鉱石が綺麗かどうかは私の目では確かめられないんだけどリオと一緒に探したから問題ないよ。大きさは私の口でぎりぎり入らないくらいとかなり大きめ。……え、どれくらいか分からない? でもそれ以上の説明のしようがないんだよ。
『血石なんていらねえなー』と呟くティーおじさん。いらないならハンターさんの使うキャンプに置いてきたらいいと思いますよ。捨てても構わないものですし。
『ええっと、私のは……。あら? 首飾り?』
『僕のは母さんにいったか。えと、鉱石で作ったんだ』
『リオ……!』
『ん? どうしたの、母さん』
ベリィさんの目が潤んでるんだろうな、と見えないながらも想像してみた。子供からのプレゼントって親から見たらすっごい嬉しいんだろうね。現に『リオー!』ってベリィさんがリオに抱きついちゃってるし。『うわわ、なに!?』とリオは戸惑っているみたいだけど声はちょっと嬉しそうだ。
ベリィさんがリオに強く抱きつきすぎて『ギブギブ!!』と助けの声を上げるまでそれは続いた。二分くらいは続いてたと思う。
『えぇ? あたし、このブスからもらうわけぇ?』
『いらないなら捨ててきなさいよ』
『そうするわぁ』
そう言うなりウルさんはさっさと洞窟から出て行ってしまった。え、そんな、プレゼントが何だったのか私には分からないんだけど。そんなに嫌味っぽいものを? でも最初はジョーおじさんに渡す予定だったみたいだし、さすがにそれはないか。
……本当に、プレゼントなんだったんだ。
『あの、ベリィさん。プレゼントは何を?』
『黄金骨、ドスヘラクレス、ゴッドカブト。この三つだったはずよ』
『何それ豪華』
ハンターさんたちが羨ましがるものばっかりじゃないですか。換金アイテム。
というか、それってやっぱり八番エリアに行ってきたんだろうか。あの、ハンターさんたちはモンスターに壊してもらわないと入れない場所。
ちなみに八番エリアはハンターさんたちが去った後でモンスターがまた塞ぐんだって。『あいつ、後で厄介ごとを俺らに押し付けるくせにあっちに逃げんの止めてくれねえかな』とティーおじさんがぼやく。“あいつ”が誰かは分からないけど、向こうに逃げるモンスターって決まってるようなものだと思う。
八番エリアを塞いでる理由だけど、『貴重な素材を採りつくされないため』だそう。確かにあそこがいつでも行ける場所だったらあんなにレアな素材、なくなっちゃうもんね。
『よし、みんなにプレゼントが回ったようだし俺は帰るぞ』
『一体捨てに行ったモンスターいますけどね』
『ジョウ様のプレゼントがないのは残念だけど、私は首飾りだけで満足だわ』
『俺も肉を貰えたし、母さんと一緒に帰るよ』
『バイバイ、リオー』
ジョーおじさん、リオ、ベリィさんが帰宅。いいな、なんでリオにお肉がいって私には来ないんだろう。所詮私には血がお似合いって事ですか? 酷い。
ビンはまだ再利用できそう。ところで私がお肉を食す日はいつ来るのでしょうか。未練がましいとか言わないで。本当に食べたいんです。いつもその機会逃してるんだけどね……。成体になったらいろんなとこに飛んで行ってお肉とかお魚たくさん食べてやる。人間への迷惑とか考えない。
そういえば私が成体になるのって何年先何で成体になれるんだろうね。
『俺は血石を人間のキャンプに置いてから帰るわ。悪いな、サヤ』
『いえ、どう使うかはティーおじさん次第ですし』
『気持ちだけは貰っておくぜ!』
『ティーおじさんにそれを言われてもうれしくないです』
『……お前、本当厳しいよな』
『じゃあ僕もティガさんと一緒に帰ろうかな』
『ミキさんさよならー』
『俺には言わないくせに……』
ティーおじさんとミキさんも帰宅です。なんとなくティーおじさんお背中に哀愁が漂っていた気がします。まあ熱視覚だから気のせいかもしれないんだけどね。
次にミキさんに会うのはいつになるのかなあ。でも近いうちにまた会いたいな。人間バージョンで話したいんです。……同じ、地味な色同士だよ。リオを密かに妬んでる私です。
それから数分後、ウルさんが洞窟に戻ってきました。なんで戻ってきたんだろうこのモンスター。
『あれぇ、ジョウ様はぁ?』
『もう帰りました。ところであの三個、どうしたんですか?』
『虫は食べて骨は全力で空に放り投げたわぁ』
『勿体無いなあ』
って、虫って食べれるんですか。というかあれって食べてもいい虫なの? いや、普通食べれる虫なんてそうそうないんだけどね。私は食べようと思わない。だって気持ち悪い。
骨を放り投げたって言うのもかなりもったいない気がするし。どうせならティーおじさん同様キャンプに置いて来ればよかったのになあ。……まあ私だったらハンターさんたちがいる前で粉々に砕くけど。
『ジョウ様がいないならここにいても意味がないわぁ』
『さり気なく失礼ですね』
『バイバイ、ウルー! また遊びに来てねー!』
『……えぇ、今度遊びに来るわぁ』
『ウルさんが、ジョーおじさん抜きで約束を……!?』
『何よぉ、失礼ねぇ。ギギィはあたしの友人よ、当然でしょぉ』
何故だろう。ウルさんが言うとより一層いい言葉に聞こえる。普段そういうことを言わないモンスターだから尚更なのかもしれないね。
お母さんはウルさんの言葉を聞いて『わーい、楽しみー!』と今から喜んでいる。さすがお母さん単純思考。私みたいにぐだぐだ考えたりはしないんだね。
なんだかんだでウルさんも帰宅しました。残ったのはいつもこの洞窟にいる私とお母さんです。やっといつも通りに戻った気がする。
『ふう、静かになりましたね』
『そうだね! 静かだね!』
『そうでもなかった』
『あれー?』
多少静かではないけど、これくらいの煩さがここの定番だよ。最近はティーおじさんやウルさんたちがよくここに来てたから朝と夜以外はこんな空間になれなかったんだよ。
ふう、と一つため息を吐いて私は洞窟の奥に向かった。実はお母さんに渡したいものがあったんです。
リオと一緒に鉱石を探したのには、きちんとした理由があるんです。
『お母さん』
『んー? ……その輪っか何ー?』
『さっき、リオがベリィさんに渡してたものと同じです』
リオが鉱石を探して私が首飾りの作り方を教える。つまり、二体で二つの首飾りを作ったんです。お母さんと私にはそれが綺麗かは分からないけどリオが頑張って探して来てくれたものだから保証がある。きっと、綺麗なんだ。今多分、人生で一番この熱視覚を恨んでる。
お母さんはきょとんとしてたけど私から首飾りを受け取って器用に首にひっかけました。あ、首って二つあるけど、普通に前の首だからね。……普通に前の首ってなんだ。
『えへへ、ありがとう、サヤ!』
『いえいえ、どういたしまして』
その日、洞窟の中には笑い声が絶えませんでした。
――――――――――
今日はクリスマスである。もう一度言わせてもらおう、クリスマスである。
しかし、ハンターと言うものに休みなど無い。だが今日はクリスマスである。
どうも、スウです。こんな日に限って「採取行こう!」と言い出した先輩をとても恨んでる。まだ討伐
「キャンプに到着っ」
「今日も寒いなー」
「そうですね……」
「ん? なんかテンション低いな、男共め! ハイで行こうよ!」
「寒いんだよ。やってられん」
男先輩のごもっともな意見にうんうんと頷けば「えー」と不満の声を上げる女先輩。何故か女先輩は寒い所に来ると異様に元気になれる。なんでだろうな。
今日は俺たち三人で凍土にやってきた。実はここ最近俺たちは凍土に来ることが多い。この凍土には大型モンスターが他の場所と違ってとても多い。しかしその姿はなかなか見られず、見つけて交戦したとしてもどこから湧くのか他のモンスターが乱入してきて非常に厄介だ。
俺たちはその調査をしているのでよく来ている訳である。それなら採取ぐらいその時にやれという話になってくるのだが。
「はあ、ホットドリンクあってもまだ寒い」
「暖かいとこ好きだもんねー」
「火山行きてえなあ」
「それは暖かすぎるでしょう」
この先輩たち、前のハロウィンの時と言い正反対だな。そんな二人が仲がいいって正直驚きである。
ちなみに今の恰好は当たり前だが武装である。男先輩はシルバーソル装備をし、輝剣リオレウスを豪快に担いでいる。リオレウス装備なのにクシャルダオラとかテオテスカトル大好き人間である。ユクモ村から出たことがない俺は見たことがないが。
女先輩はバンギス装備をし、毒刀カンタレラを愛おしそうに撫でている。そんな女先輩が大好きなモンスターはヤマツカミやフルフル、ギギネブラである。前二つのモンスターは聞いたことしかないが、あまり良い趣味で無いのは確かだと思う。
なんだかんだ言いつつも、先輩たちの装備すごいな……。それだけ狩ってるって事だし。こんな二人がなんで俺みたいな初心者ハンターをグループに入れてくれたのか、未だに疑問である。
そんな俺の装備はアシラ装備。武器はハンターボウⅢだ。少しだけ進歩したな、と最近少し思っている。まだまだ二人と比べたらしょぼい装備ではあるが、この装備一式は俺一人で狩りに行って作った装備なので案外お気に入りだったりする。
「ふっふーん、さて、行こー……。んん?」
「どうした……。あ?」
「どうしたんですか? ぶべえ!?」
何か固いものが俺の顔面にヒット! 俺の体力は半分まで減った!
……いや、ふざけてる場合じゃない。かなり痛い。固さ具合からして多分石か何かだと思うんだけど……、誰だこんなもん人の顔に投げつけてきたやつ。ふざけんな。
「今投げつけてきたの、ティガレックスだったよね?」
「ああ、何故か亜種もいたな」
「俺、モンスターにピンポイントで狙われたんですか……」
これならまだ普通の攻撃をされたほうが良い。顔はヒリヒリと痛むし、俺の精神力も減るし。俺ってモンスターに嫌われる体質とかあるわけ? モンスターは敵って分かってても凹む。
なんだかもう早々に帰りたくなってきた。するとどこからかヒュンヒュンヒュン……、と風を切る音。今度は一体なんだっていうんだよ。
「……何の音?」
「さあ、俺には分からな……。スウ、避けろ!!」
「え? ぶふぅ!?」
また何かが顔面にヒットした。何なの、今日。俺の厄日?
さすがに二回も顔に当てられると痛い。いや、さっきも十分痛かったんだけどね。顔を両手で覆って思わず蹲る。あ、ヤバイ、なんか涙出てきた。
今度は何が俺の顔に当たったんだよ。そろそろ本気で泣くぞ。現在進行形で涙出てるんだからな。
「……黄金骨、だよね。これ」
「良かったな。お前へのクリスマスプレゼントだぞ」
「どっちも換金アイテムとか……!」
え、俺って哀れまれてるの? モンスターから? 何それどういうこと。
確かにここの大型モンスターからは前にこっぴどくやられたけどさ、だからってモンスターが人間をいちいち覚えてるのか? そんなに頭が良かったら今頃人間なんて滅んでるだろ。
それに、頭が良かったらハンターも酷い返り討ちに遭ってるだろうしな。……なんか寒気してきた。俺、前に酷い返り討ちに遭ってるんだった。
「ま、メリークリスマスってことで!」
「そうだな、メリクリ。さあさっさと帰ろう」
「えー、折角凍土なんだからホワイトクリスマス堪能しようよー!」
「嫌だよ。俺は家で寝ていたいんだから」
「夢ないなー」
「出来れば一生家に居たいよ、ほんと」
「なんでハンターになったのさ」
とりあえず、この二つはありがたく頂戴しておくか。うん、クリスマスプレゼントと思えばちょっと元気出てきたかもしれない。モンスターからクリスマスプレゼントをもらった人間って多分俺が初めてなんだろうな。
顔面の痛みが少し治まり、立ち上がってみるといつの間にか先輩たちの姿がキャンプから消えていた。……あれ、これってひょっとしなくても置いていかれた? なにこの仕打ち酷い。
「寂しいな、俺……」
クリスマスってこんなんだったっけ。
俺は今拾ったばかりの血石と黄金骨をアイテムポーチにしまいつつ、俺は二人を追いかけるために走り出した。
そういえば火山から出張でティガレックス亜種出しちゃいましたけど、まだ凍土にもいましたね、出てないやつ。
……すいません、忘れてました。
さすがに新しいのが出てすぐに、というのもどうかと思うのでキャラを練りつつタイミングを計って行きたいです。
次回の更新は一月一日の予定です。
さあこれから大仕事だ。