というわけで更新ですよ。
それでは、スタートです。
どうも、ギィギです。
唐突な話で申し訳ありませんが、最近、というか今ちょっと困ってます。
『……暇だなあ』
絶賛一人ぼっち中です。今いつも通り洞窟にいるんですけど、見事に誰も居ませんよ。お母さんもいません。
人気が無いって、とても寂しいことなんだあと思い知らされた今日この頃です。
なんで一人かと言うと……、長くなるから一言でまとめます。お母さんの言ってた一言でまとめるよ。
『ちょっとウルが襲われてるらしいから行ってくるねー』
……です。
つまりウルさん指名でハンターさんがこの凍土にやって来たらしいんです。
前に言った四体フルボッコタイムがリアルタイムで行われているって言うのが恐ろしいよね。
とりあえずハンターさんたちに合掌……。
というかお母さんも『ウル』って言ってるんだ。私命名じゃなかったのか……。
そんなわけで修羅場に行っても死亡と言う悲しき運命しか待っていない私はこうして洞窟でお留守番しているわけです。
でも予想以上に寂しい。何にもやることがない。
これっていつもお母さんが何かしらしてくれていたおかげなんだなあ、と今更ながら感謝の思いがあふれてきます。
お母さんの愛って偉大だな。
『……出かけてみようかなー』
この不便な体で歩くのにも慣れてきているからそこらを歩くぐらいは難なくできます。
まあ出歩いて迷子とかになったら洒落にならないからほどほどで済ませます。
題してっ、お家探険! ……私から見れば広いんだよ。それこそ探険できるくらい。
『と、言ってもどこを探検しようか』
確かに広いんだよ。広いんだけど……、一直線だから往復すれば終わりなんだよね。
これって探険と言うよりダイエットするためのジョギングな気がしてきた。
お腹周りがかなり気になってるからなー。お母さんの
その分毒液は出せるんだけどね……。
探険を一度諦めて素直に洞窟の奥へと戻る。古い繭で昼寝でもしてよう。そうしよう。
「あっぶねー! なんとか逃げてこれたわー」
「ありゃねえって! おい、お前ウルクスス討伐の
「あ、当たり前だよ。僕確認したし……」
「じゃああれはどういうことなのよ!」
「ぼっ、僕が聞きたいよぅ……」
ええ!? なんですかこのドッキリ。笑えない、非常に笑えないよ!
四人組、なんでしょうか。依頼の手違いがどうのこうので言い争っているようです。
大丈夫ですよー。依頼は間違ってませんよー。ただ他の三人の結束力が強いだけです。ご愁傷様!
「こんな仕事割に合わねーっての」
「違いねえな。もうさっさと
「ええ。やってられないわよ、こんなの」
「う、うん。そうだね」
なんだか僕口調の人可哀想だな。引っ張られてる感じがする。
……いや、もしかしたら扱き使われてるのかも。余計可哀想だな。
人間って、汚れてるなあ。四人の会話を聞いた時の感想です。
チームワークなんて欠片もないですよ、この
ハンター四人組は帰ることを決めたようです。さっきから荷物を漁るゴソゴソ音が煩いです。
寂しいとは言ってたけど、さすがに今の状況は煩すぎるよ。
それにしてもお腹が減った。でもハンターさんいるから迂闊に動けないしなー。
「あったあった。俺は先に戻るからな」
「俺も帰らせてもらうわー」
ボフンと音がして気配が少し薄くなりました。
もしや、これがモドリ玉? ここでもあるんだ……。一体どういう造りになっているんだろう。完全に瞬間移動だよね。
ちょっと興味が出てきたので奥からこっそりのぞかせてもらうことにする。
残っているのは女の人と僕口調の男の人みたいだ。相変わらずゴソゴソ音が洞窟内に響いて煩い。
「あっれー、おかしいわねー」
「……どうしたんですか?」
「私のモドリ玉がないのよ。置いてきたわけが無いし……」
どうやらゴソゴソと音を鳴らせつづけていたのは女の人のよう。
サーモグラフィーにも動いているのは女の人しかいません。男の人は既にモドリ玉を見つけているみたいだ。律儀に待ってるのかな。
「っ、あ! か、返してください!」
慌てたような男の人の声が聞こえてきた。その前に女の人が素早く動いたような気がする。
……まさかとは思うけど、女の人がモドリ玉を奪った? いや、事実なんだろうな。男の人が焦ってるし。
「何言ってんの。これ、私のよ?」
「え、えぇ? でも、確かに……」
「あんたはモドリ玉を“忘れた”の。私はさっきのが来たから“やむなく”あんたを置いてきた……。いいわね」
「で、でも……。……はい……」
なんか、女の人が黒いんですが……。
いまどきの女の人ってみんなああなんでしょうか。怖いです。
無言の沈黙が続いた後にボフンと音が聞こえ、女の人の姿が見えなくなった。奪ったモドリ玉でキャンプまで帰ったみたいです。
あの男の人、違うハンターさんと組み直せばいいのになあ。いや、それが出来ない理由があるのかもしれないけど。
ずっと突っ立っていた男の人がよろけながらも洞窟から出て行くのが見えた。調合素材は手元にないみたいだ。
確か……、あっちはよく吹雪になるところだ。今は音がしないから晴れてるみたいだけど。
可哀想だな、と見守っていると轟音が聞こえてきた。
『俺参上!』
「ひっ……!」
もしもーし。ティーおじさん、それ前も聞きました。一言一句同じもの聞きましたからそれはもういいです。
慌てて別の道、隣の洞窟に行く道に行こうとする男の人の前にまた違うモンスターが現れた。
『……三人いないな。置いてかれたか』
「うっ、わ!」
登場したのは相変わらずの冷静さを保つ、クール低音のジョーおじさんです。
男の人は踏まれかけて、慌てて緊急回避をしていた。踏まれたらダメージを受けただけじゃすまないもんね。ゲームとの違いを実感します。
男の人はこの洞窟にある三本の内最後の一本の道を選ぶ。ベリオロスがよく居たりするところだ。
『迷っちゃった……。あれ、家に帰ってこれた』
「ま、マズイ……」
今度はお母さんが登場しました。って、迷ってたんですかあなた。私より長生きしてるのに地形把握してないんですか。
逃げ道をすべて塞がれてしまった男の人。どんどん後退りして私の方に向かってきます。あばばばば。
『とりあえずボッコボコにすっか!』
『待て、相手は戦意が既にない。気絶させて運んでもらえばいい』
『お昼寝お昼寝ー』
皆サン、バラバラデスネ。
しかも私のお母さんだけ論点が違うよ。お母さん、娘は悲しいです。
「……きゅぅ……」
『……おい、もう気絶してんぞ』
『ならちょうどいい。運んでもらおう』
『あー、でも先にご飯が先かなー?』
相変わらず良心的なモンスターたちですよ。お母さんは相変わらずズレてますよ。
そういえばウルさんどこ行ったんだろう。自分のことなのに追撃しないで帰ったのかな。
しばらくして男の人はにゃーにゃー荷車に回収されていきました。お気をつけてー。
実はこういうのは今に始まった話じゃないんです。
私が生まれる前からもハンターが来るのは勿論あったらしいんだけど、この前の弓使いの件からちょくちょくくるようになったらしい。
うーん、ハンターってのは怖いものだ。
おかげで私は引き籠り気味ですよ。お母さんとの日課も今や遠い思い出です……。
普通に生活する事すら私たちモンスターには厳しいことです。
『よっしゃ、また祝いやろうぜ!』
『いい加減それには飽きてきたのだが……』
『ケチくせえこと言うなって! テンションあがるだろ?』
ティーおじさんはいつも通りテンションが高いです。いいね、そのテンション分けてくださいよ。
面倒そうにため息を吐くジョーおじさん。美味しそうに喉を鳴らすお母さん……、っていつの間に。
ズザーッ、と音を鳴らしながら移動する……、
『それは馬鹿なあんただけなのぉ』
『んげっ! ウル、いつの間に……』
『今よぉ。ナイト様が悪者を追い払ったのを見に来たのぉ』
『ナイト!? カッコイイな。それってもしかして俺のことか!』
『そんなわけないでしょぉ。イビルジョー様よぉ』
前にあった時思いましたけど、ウルさんってジョーおじさんのことが好きなんでしょうか。
種を超えての恋愛ってありなの? ちょっと気になる。
『……くだらんな、俺は帰る』
『ああん! 待って、あたしのナイト様ぁ!』
露骨すぎるね。逆にウザったくなるレベルまで言ってるよ。
ジョーおじさんは速足で洞窟から撤退し、ウルさんはそれに滑ってついていきました。
『ある意味、過酷ですよね……』
『ん? おう、そこにいたか、ギィギ』
『はい、いました。ここって、地獄ですよね』
『地獄……。まあでかい俺たちとババアとハンターだからな。確かにチビのお前には地獄だな』
『ちょっと誰がババアよぉ!?』
またしてもズザーッという雪の上を滑る音が聞こえてきた。
そのまま温度の主はティーおじさんにダイレクトアタック! 精神的にダメージを食らった!
う、ウルさん……。地獄耳ですね。
『うげっ!? たっ、退散!』
『逃がしはしないわぁ!』
『……どうでもいいんで、さっさと出てって下さい』
煩いです。さっきの比にならないくらいに。
私はガンガンとする頭を休めるために洞窟の奥へと這っていきました。
もう、寝たい……。
ウルさんのキャラがどんどんグレードアップしているような……。
そして何故か私が書くと人間が悪役に見える不思議。
私は社会に恨みでも持っているのだろうか……?