どうでもいいですが私の一番好きなモンスターはヤマツカミです。
あの口が堪らない……。
では、スタートです。
ギィギです。そろそろ前世の人間名を思い出したいです。
前の世界のことは覚えてても自分の名前を憶えてないとかどんだけ馬鹿だろう。
確かモンハンでも自分の名前を付けたんだよな……。なんだっけ。
『……一回置いておこう』
これ以上、今考えても思い出せそうにない……、って前もこうだった気がするのは気のせい?
とりあえず今の問題は私の周りで起こっている状況だ。
現在位置、どこか。とりあえずいつもの洞窟じゃない日が当たる場所なのは確か。
現在の時間、温度的に見て多分昼。あと二時間くらい経ったらお腹が減り出すと思う。
周りにいるモンスター、
『んで、こいつどうすんのニャ?』
『知らねーニャ。誰ニャ、こいつ盗ってきたのはニャ』
『そいつならさっき出かけてったニャ』
『……無責任にもほどがあるニャ』
……メラルー、だと思われる。
うわあ、ゲームの時は小さかったメラルーが私と同じ高さだよ。大きい猫って可愛くない。温度で見えるのが幸いだよ。
というか、どうしてこうなった……。
思わずアルファベットの小文字三文字のあの体勢になりたいです。この身体だからいろいろキツイけど。
よし、一回回想してみよう。何がどうしてこんなことになったのか知りたい。いや、頭を落ち着けたい。
えーっと、確か……。
――――――――――
『お母さん、ティガの加勢に行ってくるねー』
『行ってらっしゃーい』
既に日常の一部となりはじめたお母さんの見送り。
今日はティーおじさんが標的になっているようです。
そろそろギルドは四体同時討伐の
今日のハンターさんたちに合掌を送りつつ、私は辺りを見回しました。
お母さんがいなくなった後の退屈さと言ったら……。もう言葉では表せないくらいです。
簡単に言ったら発狂死するレベルまでいけます。それだけ退屈なんです。
……そういえば、お母さんとティーおじさんたちって古くからのお友達なんだよね。いつからのお友達なんだろう。
私も友達、欲しいなあ。こういう時いつもそう思っちゃうよ。
『……』
今日こそ、出かけよう。
こんな狭苦しい洞窟に留まってたら、それこそ発狂死しますよ。
外はゴウゴウと吹雪いてるけどここにいるよりはきっとマシだ! 吹き飛ばされたくないけど!
あとはハンターに見つからなければいいわけだし……。あ、一気に自信なくなってきた。
ハンターに見つかったら即人生終了って言うのはやっぱり怖いよねー。死んだフリなんかしたら生きたまま皮剥がれますよ、恐ろしい。
森で熊さんに遭遇したって言うレベルじゃないのが悲しい。
死んだフリしたら見逃してくれよ……。
『うー、出かけらんない……』
洞窟から出たら確実に死亡フラグが一つは建つんだな。
……よし、今日は引き籠ろう。頑張るよ、引き籠り。
そうして結論付けた私はそのまま洞窟の奥へとUターンした。
――はずだった。
『いいモン見つけたニャー!』
『うおおおおお!?』
唐突に私は何者かに持ち上げられてそのままどこかへ連れ去られました。
えっ、ちょっ、……え?
――――――――――
……回想終了。
うーん、探してみても私に悪い所はない気がするね。
しかも今のじゃこの状況に関わってくる場面って最後の方にちょこっとあっただけだよね。
私が一体何をしたというのだ……。
『ともかくこいつどうするニャ』
『あの四体に恨まれたら後々面倒ニャよ』
『いっそここで処分するかニャ?』
おい待て猫共おおおお!!
可愛らしい容姿してるってーのになんつー凶暴な会話してんだよ! もうちょっと容姿に見合う思考力を持て!
ツッコみたいけどツッコめない。なんか面倒になりそうなので。
『あの馬鹿猫に動機を聞いてからでも遅くないんじゃないかニャ?』
『それに処分したら余計恨まれそうニャ』
あ、私の命がちょっと危険から遠ざかった。
というかこれ、何匹いるんですか……。さっきから様々な声が聞こえてくるよ。
周り見ても熱ばっかりで個数が見えない。
『おーい、あいつ帰って来たニャー!』
そんな声が聞こえたとき、
『なっ、なんなのニャ!? なんで連行されてんのニャ!?』
『とりあえず道を開けろニャー』
私の周りにあった温度がサッと退いて、少し周りが見えやすくなった。これはこれで好都合だな。逃げられないけど。
多分両肩を掴まれて連れてこられたであろうメラルーは私の正面にドカリと投げ出された。同族なのにひでぇ。
そういえば、メラルーが地面に落下した時の『んニャッ!』って声が可愛かった。あと五年は軽く生きられる予感がするよ。
『おまっ、何するんだニャ!』
『俺たちの質問に答えるニャ』
『質問? それにこの白いの……。何ニャ?』
『このギィギを連れ帰ったのはお前かニャ?』
おいコラ、さっきから『この』って煩いよ。物じゃないんだから『この』って呼ぶんじゃないよ。
私は……えーっと……、ギィギっていうちゃんとした名前があるんだよ! モンスター名だけどね。
『え、ギィギなんて持ってきてないニャ』
『お前が言う『白いの』のことニャ』
『……こ、こいつ、ギィギなのか、ニャ?』
『そうニャ。知らなかったとは言わせないニャ』
……え? もしや私って何かに間違われて持ってこられただけ? それはそれで少し悲しいものがあるよ。
だって、それってつまり私が物に見えたわけでしょ?
私はっ、物じゃない……。
私を拉致ってきたメラルーは頭を抱え込んでいるようで『やべーニャ、やべーニャ……』とさっきから連呼している。
そんなに重要な問題なのかな。生き物を盗むってさすがにないのかも。
『おい、ギィギ』
『……なんですか?』
初めて私に話しかけてきたのはさっきメラルーを尋問していたメラルー。……ややこしいからここではメラルーAとする。
威圧的な態度だったから私も同じように低めの声で返しておいた。向こうは動じなかった。
『とりあえず、拉致って来た事は謝るニャ』
お、なんだ、意外といいモンスターじゃないか。
不手際はちゃんと謝らないといけないよね。ちょっと感心しちゃいましたよ。
……私も偉そうな態度だな。改めないと。
『だから、謝罪の意を込めておもてなしさせていただけませんかニャ?』
『はい。……はい?』
一度私が承諾の返事をしたことを拾ってしまったのか、周りにいたメラルーたちが一気にあわただしくなった。
えー……、これはもしかして、帰れない感じなんでしょうか。
残念なことに、私は残留決定みたいです。トホホ……。
この小説のお気に入り登録が少しずつですが増えています。
とても嬉しいです、ありがとうございます。
正直もっと批判が来ると思ってヒヤヒヤしてました。
これからもよろしくお願いいたします。
〇メラルーA
ギィギが仲良くなったメラルーの中でも特に仲がいいメラルー。
ツッコミ役しかこなせず、ボケの処理に困っている。