何故か毒怪竜になった件について   作:キョロ

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今回ちょっとギィギのテンションがおかしくなります(笑)
ご注意をー。

では、スタートです。


07、なんだかんだ家に帰れない件について

 にゃあにゃあと周りで騒いでいるメラルーたち。

 一応私にはそのにゃあにゃあ声もきちんと日本語に変換されて聞こえているんですが、その声の中には「祭りだニャー!」という声も。

 ……私が言うのもなんですけど、主旨、見失ってません?

 

『とりあえず、酒でもどうぞですニャ』

 

 さっきからメラルーAさんが私に料理とかを勧めてくれています。

 美味しいことには美味しいんですけど、主食が血の私には血のほうが美味しく感じられます。重傷です。

 そのことを正直に話したら血が多く含まれた料理が運ばれてくるようになったけどね。まあ主に血のジュースですが。

 

 今メラルーAさんが勧めてくれているのは恐らく血のお酒なんだと思う。……内心嬉しいと思ってしまっている自分が嫌いです。

 と言うか血のジュースとか血のお酒とかどこで作ってるんですか。

 ……考えたら怖くなったので、追求しないことにしました。知らぬが仏、です。

 

『い、いえ。私は(多分)未成年なのでお酒は……』

 

 成体になっていない私はきっと未成年で合っているのだと思う。

 そもそも前世で女子高生の時点で人生を終了した私はお酒の味も煙草の味も知りません。

 煙草は吸おうと思わなかったけど……。お酒って、美味しいのかな。

 未成年の密かな疑問です。

 

『無礼講なので問題ないですニャ! さあ、飲んで飲んで』

 

『うっ、うぷぷぷっ!!』

 

 半ば強制的に私の口の中にお酒が流し込まれました。

 ちょっ、いきなりだから私の口の中が大洪水を起こしていますよ! 下手したらそのまま口からドバドバ出ます。

 そ、それはちょっと精神的に辛い。

 

(飲み込みたくないけどこの状況マズイって!)

 

 飲み込まなければ確実に地面にお酒を溢す。飲み込んだら未成年として大事な物が失われる気がする。

 うぅー、かなり危険な二者択一ですよ。どっちも不幸が待っている気がしてならない。

 でも口に入れたものを出すのは人として、基モンスターとして嫌なので……。

 

(ええいっ! 飲み込むしかない!!)

 

 私は覚悟を決めてお酒を飲みこみました。

 ゴクゴクと喉を鳴らして(上を向きながら飲むといい音するんだよね)お酒を飲んでいる私を見て、メラルーAさんはとても満足そうだ。

 良かったですねえ……。美味しかったけど。……ひっく。

 

 って、私、もしかして、酔ってる……?

 うひゃあ、酒に弱いタイプですか、私。

 今もちょっと身体が軽いような……。重傷じゃあないですよねえ?

 

『どうですかニャ? お酒の方は?』

 

『美味しいですぅ……』

 

 自分の口調が段々とウルさん似になってきた気がするよー。

 信じたくないなあ。これが自分の口調だなんて。

 メラルーAさんは私がいけるクチだと勝手に解釈したようで、お酒をまた口に入れてきます。

 

『ごぼぼぼぼぼっ!』

 

『まあまあ、もっと飲んで下さいニャ』

 

『ごばばばばばっ!!』

 

 正直に言うと私は今、軽く溺死しかけています。

 ……ギィギに、鼻はないのですよ……。これだけ言えばきっと分かってくれるはず。酸素不足で、酸欠です。

 慌ててお酒を飲み込み、口で息を吸う。

 

『おおっ、良い飲みっぷりですニャ! もっとどうぞですニャ』

 

『ごばあああああ!!』

 

 飲み込む、息を吸う、注がれる。飲む、吸う、注ぐ、飲む、吸う、注ぐ……。以下ループですよ。終わりがない。

 そして早くも私の頭が死亡寸前です。クラクラしてきました。

 お酒の力って怖いです……。

 

『あれ? もう無理ですかニャ?』

 

『も、もう無理れす……。ひっく』

 

 というかメラルーAさんはお酒強いんですねえ。ああ、飲んでないからかー。

 自分のテンションの異様さを感じていても気分はとってもいいれすよー。

 前世で保険の教科書に意識を失ったら危険とか書いてあった気がするけど、もうどうでもいいです。お酒ばんざーい。

 

『浴びすぎましたかニャ。まあ料理の方もどうぞですニャ』

 

『むぐむぐ……』

 

 もう完全に餌付けされちゃってますね、私ー。

 ジョーおじさんがこの場にいたら呆れた顔をしていそうだなあ、とぼんやりしたまま思ってみる。

 ……あ、そういえば私って心配されてるんでしょーかー?

 気付かれていないとかは勘弁してほしいなあ、悲しいしー。

 

『むぐぅ……。もう、いらない……』

 

『まだまだこれからですニャよ? いいんですかニャ?』

 

『無理ぃ……、無理ですぅ……』

 

『うーん、しばらく寝ますかニャ?』

 

『そうしますぅ……』

 

 むぅー、ポカポカ気分で寝付けそうにないです。凍土でポカポカなんておかしいってことは分かってるんですけど……。

 ぼんやりしながら辺りを見回します。なんか温度がたあくさん動き回って訳が分かりません。

 今ばかりはお母さんの特訓が全く生きませんよお。

 

『むに、寝れない……』

 

『ウニャー……。そうは言われましてもニャ……』

 

『あー、我儘言ってるの分かってるので無視してくださいぃ』

 

『うーん、それはそれで困りますニャ』

 

 酔ってる状態で気付いたことー。

 メラルーさんたちは思ってたよりも優しい人でしたあ。

 こうなってくるとなんで私は拉致られたのか分からなくなってくるよねえ。

 ……そうだよ、なんで私は拉致られたんだろう?

 

 私の表情(あるのかな?)を察してくれたのか、メラルーAさんが答えてくれました。

 

『顔が見えなかったので何かの鉱石と勘違いしたようですニャ』

 

『むうぅぅー、私は硬くないですよぉ』

 

『それは本当に申し訳ありませんですニャ』

 

『謝って済むなら警察なんているかあ!』

 

 もうそこら辺の酔っ払いと変わらない気がしますよお。

 あー、でも騒いだらちょっと眠くなってきたかも……。

 メラルーAさんは『警察?』って首かしげてますけどお。

 

『今度こそ、寝ますぅ……』

 

 私はそれだけ言い残して寝落ちしました。




拉致話は次話で終了です。
三話だけしか触れなかったメラルー涙目(笑)
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