魔法少女リリカルなのは〜vividと初代な夜天の王〜 作:かぴばらさん32号R
A:やってますよー。ヴィヴィオ強いよね!
その26
〜ミッドチルダ 飛行訓練場〜
「やだーっ!ゆーりくんと一緒のがいいのー!」
「ヴィ、ヴィヴィオ?ユーリ君のはちょっと難しいから、ママの昔使ってたのを・・・・」
「やーーーっ!!!」
早速ですが、八神ユーリ、今非常に困っています。
ヴィヴィオに飛行魔法を教えるのに困ってますよ。
サムスさんは魔法の基礎の一環として浮遊、簡易飛行を教えるつもりらしい。そこで飛行魔法なら!ということで私もヴィヴィオのために一肌脱ごうとしたわけなんだけど・・・・。
「・・・・まさかスレイプニールを使いたいって、ねぇ・・・・」
「ごめんね、ユーリ君。ほーらヴィヴィオ、ユーリ君も困るでしょ」
「うー!ゆーりくんのかっこいいもん!すれいぷにーるがいいのっ!」
「「・・・・・・」」」
サムスさんと目を合わせ、うーん、と唸る。
ヴィヴィオが習得したいと言っているのは飛行魔法、正しくは飛翔魔法『スレイプニール』。私が飛行する際に使用する三対の黒翼である。
だがこの魔法、取得難易度AAAクラスの俗にいう上位魔法ってやつなのだ。
そもそも飛行と飛翔では圧倒的に飛翔の方が難易度が高い。飛行は空を『行く』のだが、飛翔は空を『飛びかける』。簡単に言えば、魔力が一定か不安定かが違う。
速度などを見れば飛行の方が上だが、姿勢制御や旋回性能ならば飛翔に軍杯が上がる。
あと、翼が飛翔や加速に羽ばたかせる役割があるのも特徴だ。普通の飛行魔法の翼は飛行の『象徴』としての意味しかない。
なにを言いたいのかと言うと、飛行系魔法を初めて使うヴィヴィオがいきなり上位魔法を使うのはいささか不安がある、ということなのだ。
「ゆーりくん・・・・・・だめ?」
涙目+上目遣い+金髪+ヴィヴィオ=正義。
私の中で不安が消し飛んだ。
「----任せなさい、ユーリ君がなんとかしてあげよう」
この大魔導騎士(笑)。当時は『月下の騎士王』なんて厨二ネームを付けられたりした実力で、ヴィヴィオをサポート!!
「えっ!?ユ、ユーリ君!君はヴィヴィオに甘すぎだよっ!」
「ヴィヴィオの笑顔さえ見れれば私はこの命だって差し出しましょう」
「規模がでかっ!?そ、その意識は素晴らしいけどっ」
「ヴィヴィオの安全は保証します。騎士の名にかけて誓いましょう!」
「う、うーん・・・・・・」
サムスさんは顎に手をあて考える動作をする。
十秒ほどたったころ、「途中でやめちゃだめだよ?」とヴィヴィオに言った。
ぴょんぴょこ跳ねて喜ぶヴィヴィオを見てると、私もあったかい気持ちになる。
「やったよ!おしえてー!」
「はいはい、頑張ろうか」
私とサムスさんは、ヴィヴィオに飛行魔法を教えるべく、練習に入る。
「最初はゆっくりでいいから、空を飛んでるというよりかは、浮かんでる感じで」
「う、うん・・・・」
ヴィヴィオは凄い。
なにが凄いかって言うと、ものの十分程度で単純な飛翔術式を組み上げたことだ。
術式が組めなければ飛行はおろか、浮遊滞空すらできない。飛行術式ならともかく、飛翔術式でやってのけるのはかなり驚いた。
お姫様の両手をとり、私は静かに、床から10cmほど浮く。まだスレイプニールは展開していない。
「私について来るように・・・・いや、私の胸に向かって浮いてみて」
術式はできている。飛行適性があるのは間違いないけど、センスが無ければどうしようもない。
不安そうに見守るサムスさんが視界の端に写る。
「ゆーりくんにむかって、ゆーりくんにむかって----」
「・・・・お?」
手にとるヴィヴィオの手から抵抗が消える。
ふわり、と静かに音も立てずヴィヴィオの体が浮く。
そのまま私の胸の中へぽすんと・・・・いい匂い。
「やたっ!やった!ゆーりくん!できたよ!」
「うん、やったねヴィヴィオ!すごいすごい!」
ヴィヴィオを抱いてくるくる回る。楽しい。
これで空を飛ぶことが好きになってくれれば私も嬉しい。
「ちょっと、さみしいかな・・・・」
サムスさんが何か言った気がしたが、ヴィヴィオと喜びを分かち合っていてよく聞き取れなかった。
「よーし!次は翼の形成だ!まだまだいけるかい?」
「うん!」
時間がくるまで練習しました。
八神家に帰ってからそのことを皆に話した。
「ほぇー。ヴィヴィオがスレイプニールを・・・・。これは四人で飛行せなあかんなー」
「とは言っても翼はまだ一対しか形成できてませんでしたから、まだまだ修行がいりますねー」
なんと今夜は最後のさんと私の二人しかいない。番犬ザフィーラも局の武装隊のところへ行っている。他のみんなも各々の用事があって忙しいとか。
テーブルの肉じゃがをつつきつつ、他愛もない世間話しをしながら夕飯を楽しむ。
学校は楽しいとか、爺の腹探りが嫌だとか、ヴィヴィオが至極可愛いとか、くだらないことで盛り上がるのも悪くないと思った。
「あ、初代」
「なんでぃすか?」
煮崩れせず、程よい硬さで味が染み込んでるじゃがいもに舌鼓を打っていたら、最後のさんがなにか思い出したかのように話しかけてきた。
「もっとアインスにかまってまげたらどおなん?」
クロハネにかまう・・・・。
そういえば最近はクロハネとなにもしていない気がする。だからここ数日ふくれっ面をしていたのか。それなら確かに説明がつく。
「かまうのはいいんですけど、いったいなにすりゃいいんでしょう?」
「デートしかないやろ」
即答、断言された。
「最後のさん。主と騎士がデートなんて聞いたことありますか?」
「ないよ。ないなら初代達が初めになればいいことやし」
なんか昔、似たようなことを言われた気がする。
あれはたしかユーリ(本家)と私がどう仲良くなれるかをあいつに相談したとき・・・・
“でーと、すればいい”
そんでデートしてみたのはよかったが、ユーリのパンツを見ちゃったりしたんだよなぁ。
でも、もう昔のことだ。
「初代?なんや急にしょぼくれた顔しよってからに、らしくないで?」
少し笑いながら最後のさんは私を見る。
・・・・そうだ、今は今、昔は昔!
「しょぼくれてませんよ?この初代さんがしょぼくれるなんてありえませんがな!」
「ふーん・・・・ならええんや」
クロハネとのデートプランを考え合いながら、もぐもぐしました。
「マリカするよ!」
食器の片付けも終わったのでマリオカートをすることになった。
ちなみにゲームキューブです。
「マリカかぁ。もうちょい人数欲しいんやけど」
「そう言うと思いました」
私と最後のさんとの二人じゃどうも人数的に足りないと感じてしまう。八神家が大家族なのも理由の一つだと思うが・・・・。
マリカは四人でやってこそなので助っ人を用意してみたのだ。
「へいかもん夜天の書!」
呼びかけに応じ、虚空から現れた夜天の書。そして光を放ち------。
「-----む?なにか用か?」
なはとを出した。
「おっすなはと、マリカやろーぜ」
「そんなことで無理矢理引っ張りだしてくれたのかお前は。・・・・まぁいい、やってやろうではないか」
こいつ実はかなりノリがいい。私が一人で暇なときは大抵ゲームの相手をしてくれる。
仕方ないとか今回だけだぞっとか、たまに暴言を言うが、根はすごくいい奴だってことがよくわかる。
なはとはコントローラーを握り、私と最後のさんの間に座った。
「なはとー。今日もかわええなー」
「なっ、う、うるさい!黙っておれ最後の!」
照れてるなはと。
なんかこういうことだけは初々しいのが不思議。いかにも興味なさそうだけど・・・・人それぞれだと結論付けた。
「さぁ始めるよー」
「うむ」
「ほいさ」
〈Yes〉
私はマリオ、なはとはヨッシー、最後のさんはカロン、夜天の書はクッパを選び、コースを選択してさっそく始め----。
「・・・・・・ちょっと待った」
---ようとしたら最後のさんにストップをかけられた。
なにかあったのだろうか?
「どうしました?なにか問題がありましたか?」
「大問題やっ!なんで夜天の書がマリカしようとするん!?」
ははっ、そんなことか。コントローラーと共に浮いている夜天の書に指差している最後のさん。だがなにも問題はないはずだ。
〈Es ist befriedigend.(問題ありません)〉
「ほら、問題ないって」
言っておくと、夜天の書がどうやってコントローラーを操作してるのかは私もわからない。
古代ベルカの技術ってことにしておく。
「なんか納得いかないんやけど」
「気にしたら負けです」
なんとか言いくるめてみんなが帰ってくるまでマリカをしていました。
〈Shot!〉
「なぜミドリコウラの命中率が100%なんでしょうかねぇ・・・・」
「よっしゃキラーやっ!」
「甘いわ!スター!」
夜天の書はすごく強かった。
『スレイプニール』
初代、アインス、はやての使用する飛翔魔法。
作者に捏造されて上位魔法になった。
『月下の騎士王』
初代の初陣の際についた二つ名。
『ミドリコウラの命中率100%』
なんでもできる夜天の書のスキル。なんなんだこれ。
ネタに困ったら夜天の書。
意見、感想が力になる。
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