魔法少女リリカルなのは〜vividと初代な夜天の王〜 作:かぴばらさん32号R
A:初代夜天の王とその周りの人々とのなにげない日常を描いたものです。一話一話が短編のようになってます。一応時間は進んでるよ!
あと、どうでもいいかもしれませんがこの小説の今後の動きが後書きに書いてあるので、見たい人は見てください。
その27
クロハネがお土産を買ってきてくれた。
管理外世界の任務に行ったときにこれを見て昔の私を思い出し、買ったらしい。
「みーさん!動かないでねー!」
「は、ははははいぃぃ!!!」
八神家の向かいにあるゴミ一つない美しい砂浜に私とみーさんはいた。
お互いの距離は30mほど。みーさんの頭の上には----小ぶりの赤く熟したりんご。ぷるぷる震えて落ちそうに見えるが、魔法で固定してあるので落ちることはない。
「大丈夫!2km先の的のど真ん中を射抜くぐらいの腕前だから!安心してー!」
「ででできませんよっ!怖いですっ!」
「デデデ大王」
「あ、私カービィ好きなんですよ!」
一瞬で話しが脱線した。
早く家の中でスマブラしたいので、手の----アーチェリーの弓をみーさんに向ける。
はっとして再び震え始めるみーさん。表情がコロコロ変わるから飽きることが基本皆無。
「天候は快晴、気温23度、湿度31%、海上から風1m、他は無し・・・・最高だね」
腰に巻いてあるベルトに付けられた矢を一本引き抜く。
先端は鋭利で太陽の光を反射し鈍い銀色に輝く、プラスチックの矢羽は独自に切り揃え、速さと貫通力を追求した。
矢をつがえる。息を吐き出し、吐いた息より少し少なく息を吸う。
「あ、あのー!ほんとに、ほんとに大丈夫ですかー!」
みーさんがなにか言っている気がするが、空耳だと流す。
狙うはりんごただひとつ、ど真ん中を射抜くだけ。
「-----翔けろッ!」
矢が放たれる。
ヒュッ、と風を切る音が聞こえた。
矢は一寸の狂いもなくりんごへと翔ける。
「へっ?」
直後、みーさんが地面にへたりこむ。
でもそれはたぶん恐怖じゃなくて---。
「えくせれんとっ!」
りんごを射抜いたときの衝撃によるものだと思う。
「あ、え、あ・・・・」
「我ながらいい腕してるなぁ。これなら新暦の那須与一を名乗ってもいいと思うんだが、みーさんは・・・・みーさん?」
近寄ってみると様子がおかしい。うつむいてじっと座り込んでいる。
もしかしてあれか、私の弓さばきに心を射抜かれたとか?よし、今うまいこと言った。
するとみーさんがゆっくりと口を開け、こう言った。
「こ、こしが抜けちゃいました・・・・ああぅ・・・・」
おんぶして八神家まで運ぶことになった。
「ほいさみーさん、お茶」
「ありがとうございます・・・・」
腰抜かして動けなくなったみーさんをリビングまで連れて来て、冷え冷えなお茶を飲ませる。
個人的にはカルピスを原液で飲ませたかったが、むやみに使うとヴィータにぶっ殺がされるので控える。
「---はっ!今動けないみーさんに色々いたずらできるのでは!?」
「いたずら?え、なにを?」
さっそくこちょこちょを実行してみた。
「ほれほれ、ここか?ここがええんやろ!」
「ふひゃっ!ひゃっ!や、やめっ、あはははっ!」
「こちょこちょこちょ」
「あ、あはは!あははひゃっ!やみぇてっ!くらひゃいぃ!」
「うりうり〜---あ」
本気でこちょこちょして遊んでいたら、私の右手がうっかりみーさんの右胸に触れた。
薄でのシャツ一枚だったみーさんの右胸の柔らかいの感触が手に伝わって・・・・。
柔ら、かい?
「わひゃぁあっ!?!?」
「!?」
突然の悲鳴にびっくりする。じたばたしてたのがさらに激しくなり、みーさんはソファーから落下。
さらに側の机に頭をぶつけて悶え始めた。
「〜〜〜っ!!!」
「痛そう(確信)」
しばしみーさんのごろごろタイムを見学していたら、耳まで真っ赤にして私を見ていた。
「な、な、なにしゅるんですかっ!!」
「噛んだね」
「そ、そうじゃなくてっ!ぼぼ僕の、む、胸を・・・・その・・・・・・」
胸?ははっ、まったくみーさんはなにを言ってるんだか。
「みーさん?たしかにみーさんは可愛い男の娘だよ。けど男同士で胸を触られた程度で恥ずかしがるのはいささかやり過ぎと言いますか・・・・」
「僕は女の子ですっ!」
はっはっは、みーさんが女の子?あぁ、胸はちょっと柔らかかったなぁ。
・・・・・・女の子?
「えっ?」
「え?」
あるぇ?
みーさんがぷんぷんに怒った。
「みーさーん、こっちむーいーてー」
「ふんだっ。ひどいですユーリさん!僕のことを男の子だと思ってたなんて!」
ぐぬぅ。まさかこの私たちがみーさんの性別を間違えていたなんて・・・・。
しかし言われてみればみーさんは胸以外は女の子らしく非常に可愛い。ヴィヴィオに次ぐ可愛さだ。
「ごめんってばー」
「許しません!ユーリさんのばーかっ!」
やべぇ、みーさんがここまで怒るのを見るのは初めてだ。というかこの子が怒ってるのを今まで見たことがなかった。
こうなってはみーさんのようなタイプの性格上、許してもらうのは困難を極める。
だが私には秘密兵器があるッ!
「許してくれたら、特製ホットケーキ」
「---ぼ、僕がそんなもので釣れると思ってるんですか?」
「釣られクマー?」
「釣られません!」
絶対に今心が揺らいだね。みーさんが色気よりも食い意地の方を優先するのは、この一ヶ月で把握している。
ホットケーキと聞いてから口の端しからよだれが垂れてますがな。
「たっぷり卵」
「!」
「新鮮なミルク」
「!!」
「ふわっふわの生地」
「!!!」
「とろけるバター」
しばらく固まった後、みーさんは小さく口を動かす。
「----し、仕方ないですね。ゆ、許してあげても、いいですよ?」
計画通り。
「やったね!じゃあさっそく作ってくるよ。あ、それまでにこの箱の中のもの着けてて」
机下からスッと取り出した小さめの箱をみーさんに渡す。
この中にはみーさんに絶対似合う特殊アイテムが詰め込まれてる・・・・なんてのは秘密。
「?この箱って何が入って・・・・行っちゃった」
後々のみーさんの姿に期待しながら、ホットケーキを作る用意を始めた。
「完成した、はいどーぞ」
そこには飾りっ気のない真っ白なお皿に乗った薄っすらきつね色に焼きあがったふわふわホットケーキと。
「あ、あの、なんで、これ・・・・なんですか?」
犬耳なカチューシャと真っ赤な首輪をつけたみーさんの姿が!
「うんうん!よく似合ってる!」
「そ、そうですか?ありがとうございます・・・・って!違います!この格好を似合うって言われても嬉しくないですっ!」
腕をバタバタ振って私に抗議しているみたいだけど、なにを怒ることがあるのだろうか?
みーさんはいかにも従順なわんこというイメージがある。控えめで断れない性格がさらにその印象を強めていた。特に捨てられた子犬のような目をするときなど、まさに『わんこ』だ
「嬉しくなってええんやで?みーさん=子犬の式はもはや確立されたんだよ。犬=ガチムチの私に希望を与えてくれたんだからむしろ誇っていいよ」
「ガチムチな犬なんていませんよ・・・・」
局に出向いているザフィーラのことは黙っておこう。
「いやぁ、最初はニャインハルトとどっちにするか悩んだんだけどさ、ニャインハルトはニャインハルトって名前がついちゃったから犬耳はないかなーって思った所存なんですぜ」
「意味がわかりませんっ!」
わかったことがあった。
それはみーさんは本気で怒ってるときとその一歩手前くらいでは全然怖くないということ。ホットケーキのおかげで怖くない。うがー!っとしてるだけ。
「と言っても、文句言いつつしっかり着けてるあたり、みーさんだよねぇ」
「だ、だってこれは・・・・着けなかったらユーリさん、がっかりするかなぁって、だから仕方なく・・・・」
もじもじ星人が現れた。恥ずかしそうにもじもじしている。
なかなか可愛いので夜天の書に記録せておく。
そしたら首まで上気させて追っかけてきた。いつのまに腰が治ったのやら。
最終的にバターを乗せて二人でおいしくいただきました。
「みーさん、お手」
「あ、はい」
なんの抵抗もなく、私の左手に右手を置いた。
すると、ピピッ!という軽い電子音が鳴った。
〈Es wird ein gutes Foto.(いい写真になります)〉
「わ、わーーーーっ!!わーーーっ!!!消して!消してくださいぃぃっ!!」
今日も楽しかったです、まる。
『お土産』
アーチェリーセット一式。
『新暦の那須与一』
初代は弓の腕ならシグナムをも凌駕する。
というか射撃系武器全般が得意。
『特製ホットケーキ』
八神はやて直伝のホットケーキ。めちゃめちゃ美味しいらしい。
『釣られクマー』
釣られたミウラちゃん。
『もじもじ星人』
なんかミウラはもじもじしそうじゃないかい?
え?思わない?
今後の方針
とりあえずこの物語の中で一年間やる。
↓
原作
空白期は原作に入ったらちょいちょい回想として書こうと思うんですが、どーでしょう?
意見、感想が欲しくてたまらない。
次回→癒しの息抜き