魔法少女リリカルなのは〜vividと初代な夜天の王〜 作:かぴばらさん32号R
A:忘れてないよ、出すタイミングが難しいだけですよ。
その28
八神ユーリ、ただいま初の嘱託魔導師としての任務を請け負っています。
任務内容は『アルトリエ』という薬草を見つけること。常に薄っすらと青白く輝く特性を持っており、発見するのは比較的容易・・・・なのだが、あくまで『近くにあるときの存在発見』が容易なだけ。
無人世界スワイムという大陸中が原生林に覆われている世界のごく一部のみに生息し、実際に見つけるとなれミッドチルダの数倍の面積を誇るこの土地を探し回るなんてめんどくさいことになるのだ。
本当は複数人で行われる任務だが、SS−の力なら余裕でしょ?とのことで私一人(なはとはいるが寝てる)での任務----に、なるはずだったんだけど・・・・。
「ニャインハルトー、見つかったー?」
「いえ、それらしきものはありません」
ニャインハルトがいるんですよこれが。
本来はニャインハルトいなかったよ?いなかったはずなのにさ・・・・。
任務のために必要なものを買いにスーパーで買い物。
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八神家で荷物をまとめる。
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本局で転送してもらう。
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現地で甲冑を展開するため夜天の書を出すとニャインハルトを吐き出す。
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なんだかんだで一緒に薬草探し←今ココ
「疲れた!休憩!」
「了解しました」
探索をいったん中断し、夜天の書から黄緑色のシートを取り出し敷く。地面の草と同化して見にくい。
靴を脱いでシートに座り、水筒を出しコップにお茶を注いでニャインハルトに渡す。
「ありがとうございます」とコップを受け取り琥珀色の液体を一口飲み息をつく。
「なんか最近ニャインハルトには迷惑しかかけてない。ごめんね」
「・・・・たしかに困ることもありますが、貴重な体験させてもらうこともあるのでこっちとしてもありがたいです」
ニャインハルトは微笑を浮かべてこちら見る。
その言葉に内心とても安心しながらも、私の視線はニャインハルトのバリアジャケットに向く。
彼女の纏う白を基調とした簡素な装飾がほどこされているバリアジャケット。自らのスタイルである武術を邪魔しないように丁寧に構成されている。
考えられている、考えられているんだ。
だからスカートがすっごく短いのも仕方ないんだ。
「ニャインハルト、そのバリアジャケットって自分で考えたの?」
「ええ。最低限の防護機能を保ちつつ、私の動きを一切阻害することのない、今考えられる最高のバリアジャケットだと」
あぁ、自信を持っているなぁ。ニャインハルトの言う通り、格闘技をするにあたってはあのバリアジャケットはかなり完成している。
ただ羞恥を無視してるだけだ。なんの問題もないね。
「しっかし見つからないねぇ、アルトリエ」
「先ほどGoogleで検索してみましたが、アルトリエは非常に希少な薬草だそうですよ。夜にならないと発見が困難らしいですが・・・・」
ニャインハルトがGoogle先生を使ってることに驚きを隠せない。
夜にならないと発見が困難か・・・・おや、これはもしや。
「ニャインハルトと熱い一夜を過ごすことになるのか」
「・・・・・・熱い一夜?」
ちょうどいい気温のお昼過ぎ。風が枝葉を揺らす音が心地よく耳に響く。
その音しか聞こえない空間をたっぷり十秒ほど感じた。するとニャインハルトの顔がみるみるうちに真っ赤に染まっていき、わなわなと震える。あら初々しい。
そして突然ニャインハルトは、カッ!と目を見開く
「ユユユユーリさんと!殿方と二人っきりで一夜!?ああここには止める人も居なければ監視の目もない!そ、そうですね・・・・アブノーマルなプレイがたくさんできると、そういうことですね!?まずバインドで拘束してから物理的で頑丈なロープを使ってる私を縛り上げ、私が一切身動きをとれないようにしてからAMFを発動!完全に無力化してからじっくりと責める戦法!なんてエロ同人展開・・・・!それから目隠しで視界を奪ってなにをされているかわからない、ただひたすら何かに触られ挿入される恐怖を味合わせる!ギャグボールを噛ませることにより声も出せず私は絶頂を迎えるっ!けどそれはまだ序章にすぎません。次に三角木馬に騎乗させられてしまうんですね!?しかも極太の【自主規制】付きの!まだ小さく幼い恥部に無理矢理ねじ込まれ猟銃で撃ち抜かれた獣のように絶叫する私、太すぎる【自主規制】はお腹の上からでも確認できるほど。しかし!それでは飽きたらず両足に重りを吊り下げてくるユーリさん。体重とほぼ同等の重りを吊らされ三角木馬が恥部に食い込む、メキメキと悲鳴を上げる恥骨!追いうちするローソク!あぁぁ!どうすればいいんでしょうかユーリさん!?」
ニャインハルトが盛大に暴走を始めた。初号機もびっくりである。
何かしら返答してあげないと暴走がもっと酷くなるのは明らかなので、アドバイスをあげよう。
「実行すればいいんじゃね?」
「た、たしかに・・・・なら、さぁユーリさん!私にバインドしてください!」
目を飢えた肉食獣のようにギラギラ光らせ、はぁはぁ息を荒げ両腕を広げるニャインハルト。理性が本能を上回った瞬間である。
これはこれでおもしろいが、これ以上ニャインハルトが暴走するとこっちの貞操も危なくなるので、威力を最弱に設定した魔力弾をニャインハルトの額にぶつける。
「あうっ!?----あ、あれ?私はいったいなにを・・・・」
ニャインハルトの特徴はあれだけの卑猥な単語を連呼しておきながらその時のことが記憶に残らないことだ。
本人がこのことを知ると首をつりかねないので、私と夜天の書だけの秘密になっている。ちなみに二週間に一回はこうなる。
休憩する気分じゃなくなったので探索を再開するために水筒とシートを片付けて甲冑についた草を払う。
念のために自分とニャインハルトに衝撃緩和の保護魔法をかけておく。もしも飛竜とかでっかい獣が出てきたとしても、多少は耐えられる、はず。
「・・・・・・そういえばユーリさん。ここには危険な原生生物などが現れることなどはないのですか?」
「たぶんないよー。任務資料にも『穏やかな気候で危険な原生生物も生息しておらず、Dランク魔導師からでも受注可』って書いてあるし」
今さらなぜそんなことを聞くんだろう?こっちに来てから四時間ほどたった今も危険な生物どころか普通の生物にも遭遇していないというのに。
「では・・・・では、上空で口から炎を溢れさせているあの赤色の竜らしき生物はなんなんでしょうか」
非常に嫌な予感がした。
見上げたくはなかったが、ここで臆病風を吹かせればベルカの騎士の名が泣く。
そもそもおかしいと思ったんだ。この世界は一面が原生林に覆われている----だが、私達が休憩していた場所は木々が生えていなかった。
たまたまかと思って休憩していた。でもよく見るとこの木々が生えていない場所だけ緑が薄い。
光を遮るものがないのに、だ。
ゆっくり、それは生まれたての鶏の雛を持ち上げるかのごとく、丁寧に、ゆっくりと私は空を見上げた。
体長は8m前後だろうか。全身を真っ赤でゴツゴツとした鱗で覆い、筋肉のついた足と腕、ギラリと輝くかぎ爪。
翼を力強く羽ばたかせ、厳ついフェイスと鋭い眼光がこちらを睨んでいた。
「ゴォォォァァァァアアアアアォォォォォォンッッ!!!」
「のぅわっ!?」
「ぐっ!?」
鼓膜を破らんばかりの大音量の咆哮が澄んだ空気を切り裂き、辺りに響き渡る。
おいおいなんじゃこりゃ・・・・!なにが危険な原生生物はいないだよ!なんかラスボス臭のするヤバイのがいるじゃない!?
「ここここれはまずはは話し合う必要があるな。そうだろ?ニャニャニャインハルト」
「そんなことしてる場合じゃありませんッ!早く逃げ---」
どうやら私とニャインハルトの会話を待ってくれる気は無いようで、さっそく火炎ブレスを私達に----。
「って!危なぁぁぁぁぁぁッ!?!?」
〈Flame protection〉
容赦無く私達を消し炭にするであろうブレスを、夜天の書を開き蒐集魔法であるバリアタイプの耐熱プロテクションで防ぐ。
灼熱の炎が凄まじい勢いで放出され、私のプロテクションを溶かしにかかる。
「ぐぅおぉっ!?これ、は・・・・なかなかッ!ニャインハルト!大丈夫!?・・・・・・ニャインハルト?」
なにを思ったか、ニャインハルトは地面をじーっと見つめたまま動きを止めている。え、本当になにしてんのこの子。
「あ、ユーリさん!ありましたよ、アルトリエ」
「キェェェァァァ!?私達のトラブルはいつだってダークネスゥゥゥッ!!」
「それ返事なんですか!?」
ちょっとご乱心しちゃってたらニャインハルトの手にいつの間にか薄っすら青白く光る小ぶりの花をつけた薬草、アルトリエが・・・・。
あれ、こんなあっさり?
「てかどこに生えてたの?」
「ここです」
ニャインハルトの指が示すのは、さっきまでシートを敷いていたすぐ真横の岩の間。あんなとこに生えんのかよこの薬草。
ともあれ、これで帰れる!!
「こうなりゃやつをぶっ飛ばして帰るよッ!ニャインハルト!目をつむって、耳塞いで、口開けて!」
「へっ!?「早く!」は、はい!」
必要なことだけどけっこう間抜け面になるね。
さて、しっかり従ってくれたニャインハルトのためにもあの魔法を使う時がきたようだ。
プロテクションは溶解しかかっていて長くは持たない。けれど十分仕事はしてくれた。
だからこそ、そんな魔法に感謝しつつ、発動させます。
「---バルスッ(クラールゲホイル)!」
轟音と閃光が走り、飛竜が悶えブレスをやめた。
これがチャンス!
「久々にやろうか!夜天の羽衣---『ドラグーンシフト』!」
視認できるようになった魔力の羽衣が展開したスレイプニールを覆う。
翼として固定されていた形が、煌黒の魔力に覆われることによって、エネルギー翼のような流動的翼に変化する。その大きさは一枚2mほど。
体格と全然合ってないけどこれでいい。こういうものだから。
攻防速一体の翼。主に加速翼、姿勢制御の役割を果たす!・・・・防御力は落ちるけど。
ニャインハルトを抱え、高速で飛翔。竜の真上まで一瞬で到達した。
夜天の書の開いたページを向け、魔法を発動させる。
ピンク色の魔力球が九つ現れ、夜天の書の前方に魔力が集まる。
「これは痛いよ?吹っ飛びなされ-----ストライク・スターズッ!!!」
次の瞬間、急所を狙った魔力砲が九つと、竜の姿を隠すほどの極太砲撃が放たれた。
「いやー、あっはっは!大変、だったねぇ!」
「ほ、ほんとに、た、大変、でした!」
あの竜との戦いから既に六時間が経過していた。日は落ちて、辺りは真っ暗。ただただ星だけが光を放ち、その存在を主張しているだけだ。
なぜ六時間も経過したのか?答えは簡単で、あの一撃じゃ竜がやられなかったから。
やったか!?なんて言ったのがまずかった。あれはドラゴンボールで使い古された『エネルギー弾連射→やったか!?→やられていない』のフラグだったことをすっかり忘れていた。
私がバインドや砲撃などで火力支援しつつ、動きが止まったらニャインハルトが肉質が柔らかいところへ打撃、これをひたすらループ。おかげでニャインハルトは魔力枯渇と疲労、私は魔力枯渇はしなかったものの、疲労と生き返ってからまだ慣れていない大魔力運用のせいで動けない。
両者とも動くことができないのでニャインハルトと大の字で背の低い草の上に寝っ転がり夜空を見つめている状況。
「強かったなぁ。まさか炎ブレスに加えて氷ブレス、雷ブレスまで撃ってくるとは」
「それよりも一定までダメージを受けたら回復魔法を使ってくる方が大変でしたよ」
「むぅぅ。それを言っちゃあの最後の追い込みのときに金色に輝いた時が一番大変だったじゃないか」
「あぁ。魔法、ききませんでしたからね・・・・」
ひたすら質量魔法で馬鹿みたい硬い鱗を削ぐのは本当に骨が折れた。それに負けなかったニャインハルトの拳は小さいながらも、立派な『騎士』の拳だと感じる。
「疲れたし痛かった。けどさ、楽しくなかった?」
「・・・・考えていたことは一緒でのようです。同感します」
「以心伝心か!」
これは運命というものを感じざるを得ない。でもそれ以上に心が爽やかだった。
こんなに気持ちがスッキリしたのは久方ぶりだ。あの時代では感じることのできなかった思い。
ふと、ニャインハルトが横目で私を見てきた。私も横目で見返す。
「また来てみたいです。連れきてくれますか?」
「我が友の願いであればいつでも」
私の返事に満足したのか、「ならよかった」そう呟き、視線を空へと戻す。
天に広がる星々が、私達を静かに見守ってくれていた。
『アルトリエ』
青白く光る希少な薬草。小ぶりな花をつける。
『無人世界スワイム』
大陸一面が原生林で覆われた、温暖な世界。危険な原生生物はいない、らしい。
『赤色の竜らしき生物』
正式名称はエアネードで、古代龍と呼ばれる種族。
ピンチになると金色に輝く。
『Flame protection(フレイムプロテクション)』
耐熱に特化したバリアタイプのプロテクション。蒐集魔法。
『夜天の羽衣-ドラグーンシフト-』
自らを守る羽衣を全て翼であるスレイプニールに注ぐ形態。
高速で飛翔したり翼本体で攻撃できたりと万能だが、厨二。
『ストライク・スターズ』
どっかの白い砲撃魔導師から蒐集した砲撃魔法。
相手の上空かた叩きつけるように砲撃を撃つ。おまけで魔力砲もついてくる。
久しぶりに気合を入れた。
意見、感想、待ってますよん。
次回→ギガント息抜き