少し付け足しました
コムリンの本部壊滅未遂事件で前の部屋の天井が崩壊し、とても寛げる空間じゃなくなったので私も新たな個室をもらいました。
前の部屋は潰されてヘブラスカの間と一緒になるらしい
今日も今日とて科学班のみなさんを少しでもラクにするため研究室に向かう
そしたら司令室に呼ばれて
「ネールく~ん、初任務だよ~」
と言われた
え、初任務?
確かに次の任務を受けるとは行ったけど早くね?
「…どこへ行けばいい。」(このお口は勝手に喋るし…)
リー君は資料をあさり一枚の紙を取り出す
「え~っとねぇ、ベルギーのクルタスって村だよー
イェーガー元帥に合流して。多分そこに居るから。多分。よろしくぅ」
「わかった」(イェーガー君って人に会えばいいの?)
人探しか
元帥って基本ひとりで行動してるらしいし団服を着てるだろう(
なんだ すぐ見つかるじゃん
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ベルギー<クルタスの村>
そう思っていた時期もありました
見つかんない
この村、意外と広かったんだよね…3日も探したのに
ここ、町ってほど人は多くないんだよね、広いけど人少ない
点々と家がある感じ
むしろ村と呼んでいいのかすら怪しい
ファインダーさん達が村人に話を聞いてくれるから私は何もしてない
…私ってば役立たず!
自己嫌悪に陥っているとファインダーさんが戻ってきた
村人の話によると山の中腹辺りに教会があるらしい
村は老人ばかりで山の斜面が登れなくなり廃れた教会になっていった
時々お金のない旅人が廃れた教会に泊まっていき、下りてこないらしい
なにそれホラー?
まぁどっちにしろ行くっきゃないんだけどね…
山の教会
村人に比較的登りやすい道を教えてもらったのだが…
何年前の道なんだろう
獣道よろしく草で埋め尽くされていた
そんな獣道としか言い様のない道なき道を進んで
やっとの思いで教会についた
意外と小さな教会だった
しかし山の中ということもあり、周りは少し薄暗く気味が悪い
壁が蔦で覆われ、大きなステンドグラスがことごとく割れている
何年も人の手が入っていない事は明白だ。
とりあえず調べなければ、と思い教会の扉へ近付く
フワ…
ん?中からかすかに血の匂いがする
中で旅人でも倒れているのだろうか…
ゆっくりと、今にも蝶番がはずれそうな扉を開ける
ギィィ…
中を覗くと長椅子が真ん中から折れたりバラバラに壊れたりしていた
埃っぽくて塵が浮いている
天井が抜けていたのか塵が日の光を反射し、どこか幻想的な空間を作り出していた
しかし私たちはその幻想的な光景ではなく別のものに目を奪われた
どこの教会でもそうなのか祭壇の上の大きな十字架が置いてあったのだが、その十字架に誰かが張り付けにされていた。
こちらに背中を向けた状態で…彼の服は破れて上半身は剥き出しだった
背中の素肌に文字が彫られ、血が流れている
こ れ、は…
さあっと血の気が失せていく
氷で足場を作り急いで、それでいて優しくイェーガー君を降ろす
本当にイェーガー君なのかは分からないけどなぜか確信があった
虫の息だが、生きている
「近くの支部に連絡を」
ファインダーさんに声をかける
しかし返事が返ってこない
振り返ると彼は放心していた
「連絡を!」
叫んで呼びかけると
ハッと気付き急いで連絡をし始めた
連絡は彼に任せていいだろう、問題はこちらだ。
私は流れる血を止めるために布切れで傷口を覆う
少し汚いかも知れないが我慢してくれ
そしてイェーガー君を極力動かさないように運ばなければならない
どうしようか…?
こういう時、担架があればいいのだが…そうだ、氷で作っちゃえ!
ってことで、氷で担架を作りファインダーさんに片方持ってもらう
持ち手を布で巻いた方がいい事も伝えておいた
そのまま持ったら霜焼けになっちゃうから
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イェーガー君は近くの支部に運び一命をとりとめた。しかし臓器が丸々ひとつ取り除かれているらしく、このままだと数日中に死ぬだろうと言われた
もう少し早く教会へ着いていれば…いや、彼がいつ襲われたかがわからない
どう足掻いても救えなかったのかもしれない…
リー君への報告は私がした
私はイェーガー君の臓器が丸々ひとつ取り除かれている事と彼がずっと口ずさんでいる歌を伝えておいた
洗脳でもされていたのだろうか、息を引き取る寸前まで歌っていた
その姿が哀れで見ていられなかった
リー君に全てを伝えた後、新たな任務ももらった
マリアン君を探しだし護衛しろとのことだ
ファインダーさん達は本部に戻って詳しい報告書を作らなくてはならないのでここでお別れだ
マリアン君を探すクロス部隊は今、病院にいるらしい
妹君とウォーカー君の意識が戻ったら出発するみたいだ。
その間リー君の手伝いをしてほしいとか。
ウォーカー君はまた左腕を壊したのか…
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「初任務なのに大変だったね…ネールくん」
「…あまり気負わない方がいい」(リー君の方が辛そうだよ、私は大丈夫だから)
人の死なんてたくさん見てきた。それはもう乗り越えたんだよ
「ありがとう…
ラビ 誰も入ってこないように見張っててよ」
リー君がラビ君に言いつける
「ヘーイ」
リー君の言葉に軽く返事するのはラビという青年だ
じーー…
「…」
ふと視線を感じ視線の方を見ると右目を開けてぼんやりとこちらを眺めているウォーカー君がいた
「あれ?」
リー君も気付いたようだ
「や」ガチャッ
ウォーカー君に声をかけながら修理器具を取り出すリー君
「!!」
おお、ウォーカー君がすごい驚いている
「目が覚めちゃったかい?」
「コムイさんとネールさん!?え?ここどこ!?」
「叫ぶな、病院だぞ」(病院だよー)
「う゛、スイマセン…」
ウォーカー君が縮こまった
「街の外に待機してた探索部隊から「街が正常化した」との連絡を受けたんだ
任務遂行ご苦労だったね」
リー君が労いの言葉をかける
流石室長。
科学班でいつもその態度ならいいのにね…
ギシ
「街が…!?」
ウォーカー君がベッドから体を起こそうとしたので手伝ってあげた
「ネールさん…ありがとうございます」
かまわないという意味を込めてゆるゆると首を降っておいた
「ミス・ミランダもさっきまでここにいたんだけどスレ違っちゃったね」
ああ、さっきのミランダ・ロットー君か。
「てか コムイさんは何でここに…」
ビシ!!
「もちろんアレンくんを修理しに♥」
テヘペロのポーズ(サムズアップ付き)をしながらリー君が言う
大の大人がキャピッてんじゃねーよ…見てるこっちが恥ずかしい。こんなの他の人が見たら…
…どうもなんないかもな。
「………マジで?」
ほら早く本題に入って!とリー君にジト目を向ける
「…実はね これから君達には本部に戻らず、このまま長期任務についてもらわなきゃならなくなったんだよ
詳しい話はリナリーが目覚めた時 一緒にする」
リー君は冷や汗を流しながら少し早口で用件を伝える
「!リナリーはまだ目覚めて………!?」
ウォーカー君より重症だからね彼女は…
「神経へのダメージだからね…でも」
リー君が不自然な所で言葉を切る
しかしすぐに別の声が飛んできた
「大丈夫っしょー 今ウチのジジイが診てっから
すぐもとに戻るよ」
別の声とは先程の青年、ラビの声だ
「!?」
後ろから突如聞こえてきた耳馴れない声にウォーカー君は驚愕をあらわにする
「ラビっす ハジメマシテ」
ラビは飄々とした態度を変えず自己紹介をする
「…はじめまして」
ウォーカー君は少し呆気にとられながら引きずられるようにして自身も自己紹介をする
ニコ
ラビ君が人好きのする笑顔を浮かべた
爽やかイケメンの登場だ
くそっ何故私の周りにはイケメンしかいないんだ!
「そうそう アレンくん
ミス・ミランダから伝言を預かったよ」
…あんな長い伝言、私聞いたことないよ。もはや伝言じゃなく手紙だと思った。
『アレンくんリナリーちゃん目覚めるまでいられなくてごめんなさい
私が時計のイノセンスを発動したあの日から街はなぜか奇怪が解けました
街の人達は34回も10月9日が来たことなど全く知りもせず
まあ私が原因だったのだからその方がありがたいのですが
ふたりは
今こうして思うとあの奇怪は
おかしいかしらこんな考え
だって
でも おかげでやっと自分の居場所を見つけられた気がする
また会いましょう 今度はエクソシストとしてお役に立ちます』
ロットー君はネガティブな人だけど決して暗いワケじゃなかった
きっといいエクソシストになれるよ
そんな、予感がする。
だいぶ長くなりましたが
これで三巻が終わりました。
アドバイス
批判
Etc.…感想お待ちしております。