第十八夜 予感
汽車内
車両の中で暗い席がひとつあった
私達がいる所、正確には私の隣の席が暗い
ガタンゴトンガタン
『(………………)』
どよん
そんな効果音が付きそうな雰囲気を発しているのはクロウリー君
「そんな落ち込むなってクロちゃぁーん」
「…………」(キノコはえそう…)
クロウリー君は落ち込んで暗い空気を
「しょうがねェだろ いくら説明しても信じてくんなかったんだから」
ぐす「だが…っ」
~回想~
私達はクロウリー君を連れて村人達の所へ誤解を解きに来ていた
しかし…
「アクマを退治していただと!?
そんなバカな話信じられるものか!どっちにしろワシらにとっちゃ化物だ
出て行け!二度とここへは帰ってくるな! 化物!!」
『去れ!』
村人達はクロウリー君を全否定した
トン
ラビとウォーカー君が村人達に背中を向け
クロウリー君の両肩を同時に叩き
「去れ!」
『去れ!』
「化物共!!!」
あげくのはてには私達まで
そのまま全員で村を去った
~回想終了~
「まあ気持ちはわかりますけどね さすがに僕もムカッときましたよ」
ウォーカー君も頭に来た様だ
「いいじゃん 帰れんでも男は
と言いながら右手の親指を立て心臓の辺りを指すラビ
((くさっ))
ラビはクロウリー君をなぐさめる為に言葉を重ねる
「気晴らしに汽車ん中でも見てきたら?乗ったん初めてなんだろ?」
がたっ
「う うむ…そうであるな
コホン
ちょっと行ってくるである」
恥ずかしそうに、しかし心を踊らせながら クロウリー君は汽車を探検しに行った
『いってらっさーい』
(((ほんっと発動時とキャラ違うな)))
そう思ってしまうのも仕方がないだろう
ー3時間後ー
クロウリー君がいつまで経っても帰ってこないのでラビ達はクロウリー君を捜しに行った
私は嫌な予感がしたので残った
行かないと返事をする前にウォーカー君に「待っていてください」と言われたけど
─────────
──────
────
ハッ!
ついウトウトしてしまった
あれ…?
ウォーカー君達はまだ帰ってないようだ
一体どこまで捜しに行ったんだ…?
と思っていたら扉を開けて皆が帰って来た
ウォーカー君は3人分の荷物を抱えている
あ、帰ってきた
ラビが「アレン黒ーい…」と呟いている
「…?」(何があったんだ?その荷物は?)
「なんでもないですよ」
ふーん、まぁいいか
〔キリレンコ鉱山前───〕
「はい」
ウォーカー君が窓から体を乗り出し増えていた荷物を誰かに差し出す
「仲間の物を取り返せたからもういいですよ この季節に裸は辛いでしょ?」
冬だしそりゃ裸は辛いだろうけど…
え ウォーカー君ホントに何したの
「…………」
「少年…情けをかけられるほどオレらは
カッコいいこと言ってるね
「その手は?」
ガシッ
「あれれ」
…カッコ悪いね。
ウォーカー君が誰と話しているのかはどうでもいいので会話を話半分で聞き流す
バサ
「いやぁ 助かった!実は今日からこの近くの鉱山で外働きでね 死んじまうとこだった!」
「はは…どこから来たんですか?」
「どこからも♪オレらは手癖の悪い孤児の流れ者さん♪」
ジリリリリリリ
もうそろそろ出発か
「おれい」
「?」
「イーズ それ お前の宝物だろ!待て待て 礼ならオレがすっから」ゴソゴソゴソ
何かを探す音がする
台詞の通りウォーカー君にお礼をしようとしているのだろう
「いいですよ気にしなくて」
ガタン
汽車が動き出し
ビッ「ホイ」
パシ
「!?」
「それでカンベンしてちょー」
ゴォォオオ
汽車はトンネルに入っていった
「何貰ったんさ?」
ラビが何を貰ったか聞く
「これです」
ウォーカー君は受け取った物をラビに差し出した
「トランプ?さっき使ってたやつか」
さっき?
…聞かなくてもいいや 興味ないし
「フフッ はい」
ウォーカー君はとても嬉しそうに 優しそうに微笑んでいた
「…………」(嬉しそうだねェ)
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その夜
私は妹君達と合流するために移動していた
後はふたりが待っている駅まで行くだけなので汽車の中で寛いでいた
それがいけなかったのかも知れない。
―白いオレと黒いオレ
どっちもあるから 楽しいんだよ―
ゾクッ
「(!!?)」
な んだ、今の…!?
完全に油断していた
ものすごい悪寒が背筋を走り抜け
全身から冷や汗が吹き出した
アクマに妨害されながらここまで来たのだから今夜来ないと言う保証はどこにもなかったのに
油断、してしまった。
幸い アクマではないようだ…
この時 私は予感してしまった
とても当たってほしくない、恐ろしい予感。
──今回の任務
クロス・マリアン捜索編に入りました。
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