ティア・ドロップ   作:心があくタイプの人

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ネールくんは役立たずです



第五夜 黒の教団壊滅事件<前編>

アレンside

 

 

ガコォン

 

舟が教団に着いた

 

ふあああ

「だいぶ遅くなっちゃいましたね~」

思わず欠伸が出てしまう。疲れた、すぐにでもベッドへ行きたい気分…

 

今回一緒に任務へ行ったファインダーのトマがが返事をする

 

「この嵐で汽車が遅れましたから…」

 

「もう真夜中だなあ…回収したイノセンスはどうしたらいいのかな」

 

任務で回収したイノセンスを思い浮かべひとりごちる

 

「科学班の方なら誰か起きてらっしゃると思いますよ」

 

一人言にも答えをくれるトマは優しいと思います

 

「じゃあ行ってみます」

 

と声をかけて階段をのぼろうと角を曲がると黒い何かが目の前で倒れ──

 

 

ネールside

 

 

ちわ、ネール(仮)です

 

今、私は科学班の皆さんと一緒にエレベーターにいる

私はもうダメだ…

 

私のゴーレムから現状を中継します

 

 

 

妹君を抱えながら見事に逃げおおせているウェンハム君

 

不本意ながら私が足止めしてたからだけどね

 

水路へ逃げたところで階段に引っ掛かり妹君を放してしまう

 

ドサ

 

「!?」

 

落ちたところは丁度帰ってきたウォーカー君の目の前

 

「え?」

 

ウォーカー君は驚き一瞬動きが止まる

 

「リ リナリー!?どうしたんですか!!」

 

ウォーカー君が慌てて妹君を抱き起こし呼び掛ける

 

暗がりからいきなり人があらわれたら

まぁビビるよね、普通は。

 

 

ゆらっ

 

とウェンハム君がなんとか壁を使って立ち上がり階段の上から降りる

 

「も 戻ったかアレン…」

 

「!」

 

ウェンハム君は傷だらけで息も切らしていた

 

…皆キズだらけだ

教団内もコムリンによって少し…いや結構破壊されている

 

この現状ヴァチカンが見たら何て言うか…

リー君 室長の座からおろされたりしないよね?

 

「リーバーさん!?

そのキズ…?何があったんですか」

 

倒れそうなウェンハム君を片手で支え何があったか聞くウォーカー君

 

「に…逃げろ コムリンが来る…」

 

キズだらけのさなかウェンハム君の警告もむなしく

 

「は?」

 

ドドドドドドドドドドド

 

(コムリン)はやって来た

 

ドカン

 

壁を盛大にぶち破って来たのは巨大万能ロボ コムリン

 

ウォーカー君が目を見開いて驚き

ウェンハム君が疲れたかのように――いや疲れてるんだろうけど――呟いた

 

「!?」

 

「来たぁ」

 

コムリンがウォーカー君達に突っ込んでいく

 

ザッパーン

 

「え゛ぇえ゛!?」

 

目標に避けられて勢いのまま水路へ落ちるコムリン

 

ザババババババ

 

しかし すぐに起き上がってくる

 

「な 何アレ?何アレ!?」

 

ウォーカー君困惑してるなあ

 

「くっそ なんて足の速い奴だ…」

 

ウェンハム君がぼやく

 

同感だ。

ロボットとは思えない程素早く動く

 

ピピピピ

[発…見!]

 

コムリンがウォーカー君達を捕捉する

 

ピピ

[リナリー・リー アレン・ウォーカー

エクソシスト二名発見]

 

「!」

 

「逃げろアレン!こいつはエクソシストを狙ってる!!」

 

ウェンハム君はウォーカー君に叫ぶ

 

[手術ダーーー!!]

 

ブオ

 

コムリンの腕?がのびる

 

 

ウォーカー君が妹君を背負いウェンハム君、トマ君と一緒に階段をかけ上がる

 

ドガドガドガドガ

 

コムリンは壁を破壊しながら追ってくる

 

「うわわわっ!追ってくる!追ってくる!!」

 

ダダダダダ

 

「リーバーさん!ワケがわかりません!!」くわっ!

 

ウォーカー君が決死の表情でウェンハム君を問い詰める

 

ダダダダダダダダダ

 

「ウム あれはだな!コムイ室長が造った万能ロボ「コムリン」つって…

見ての通り暴走してる!」

 

「何で!?」

 

ウェンハム君が走りながらこの状態になった経緯を説明する

 

 

~回想~

リーバーside

 

 

あれはほんの30分前

俺達が相変わらず給料にならない残業をしていた時だった

 

 

「転職しようかな…」

 

「オレこのまま眠れんなら一生目覚めなくていいやぁ」

 

「終わらねェ…このまま一生終わらねェんじゃねェかな…」

 

「あきらめんなよ 多分 終わるさ…」

 

そんなことを体をだらけさせながら言い合っているといつもコーヒーを作ってくれるリナリーがネールを手伝わせコーヒーを運んできてくれた

 

リナリーがネールを連れていったのはこういうワケか

 

「…大丈夫か」

 

「コーヒー飲む人ー?」

 

はーい♥

 

リナリーの問いに疲れながらも皆で返事をする

 

リナリーmj女神 心の癒しだ

 

ネールはコーヒーを作っている間に仲良くなったのかリナリーと話している

 

かくゆうオレもネールとすぐに仲良くなったのだが。

 

「ネール、コーヒーありがとう」

 

「かまわない」

 

言葉少なな返事だがその声にわずかながら暖かさを感じる

普通に心配してくれているようだ

 

しばらく飲みやすい温度のコーヒーを堪能しているとガションガションガションと何かが歩いてくる音と

室長の「おーいみんな起きてるー?」という気の抜けるような声がした

 

「見て見て!」

 

ガッシャーン

 

「ジャーン♪我が科学班の救世主こと「コムリン(ツー)」でーす!!」

 

室長は玩具を見せびらかす子供のようにはしゃいでいる

室長と一緒にラボへ入ってきたのは大きなロボットだった

 

「室長ぉ…何スかそのムダにごっついロボは…」

 

科学班一同あぜんとしてコムリンとやらを見つめる

 

「…………」

 

科学班員は口をポカーンと開けている

ネールはいつもの無表情だった

 

「だからコムリンだってば、たった今やっと完成したんだよー」

 

カッコイイカッコイイとハートを飛ばしながら嬉々としてコムリンの説明をする室長

 

「ボクの頭脳と人格を完全にコピーしたイノセンス開発専用の万能ロボットさ♪

あらゆる資料の解析はもちろん 対アクマ武器の修理 適合者のケアサポートも(おこな)うんだ

 

まさにもうひとりのボク!!これで仕事がラクになるぞーーー!!!」キラーン

 

『室長ぉ~~♥マジですかーーーっ!!』

 

ひしっ

 

班員達が室長にしがみつく

 

仕事がラクになるなんて夢のようだ!

 

「うんうんボクってすごいよね」

 

だからこそ、ここで気付けばまだ止められたかもしれない

黒の教団壊滅事件を……

 

ウィィィィィ

 

「うやまいなさい ほめたたえなさい」

 

ゴクゴクゴク

 

「……っ!」

 

ネールが無表情のまま 息を飲む

 

「それ…兄さんのコーヒー……………」

 

リナリーが呟いた

 

「…!………!!……」

 

ネールは顔は真っ青だ

 

「兄さんコムリンてコーヒー飲めるの?」

 

コムリンを見上げたままリナリーが室長に質問した

 

「何言ってるんだリナリー いくらボクにそっくりだといってもコムリンはロボットだよ?コーヒーは……………」

 

え゛?

 

「飲んだの…?」

 

室長の声が震えている

コレ、ヤバいんじゃ…?

 

 

ドン!

 

コムリンが軽く爆発した

 

ブスッ

「!?」

「……ッ!」バッ

 

リナリーに注射器を刺した

この時ネールはとっさに後ろへ跳び事なきをえた

 

ドサッ

 

リナリーが崩れ落ちる

 

「キャーーー!!」

 

『リナリー!!!』

 

皆で叫びながらリナリーに駆け寄る

 

[私…は…コム…リン エクソシスト…強く…する…]

 

コムリンはその間も呟き続ける

 

「コ…コムリン?」

はわはわ

 

室長がリナリーを支えながらコムリンをみやる

 

[この女…は エクソ…シスト]

 

ティキーン!

[この女をマッチョに改良手術すべし!!]

 

想像~リナリーのマッチョ姿~

 

『なにぃーーーーーーーー!!!』

 

室長は号泣しながら

皆は想像のリナリーをマッチョ姿に青ざめながら叫ぶ

 

 

カツン

 

そのとき

ネールがオレ達をかばうかのように前へ出た

 

「…ウェンハム。妹君を、頼む」

 

オレにリナリーを託して

 

「あ、おいネール!?」

 

ピシピシピシ

シャキン

 

驚いて呼びかけたけど

ネールは一瞬で武器を造ってすでに戦闘準備を始めていた

 

「…時間を稼ぐ。妹君を連れて 逃げろ」

 

ネールはいつもの無表情でこちらを一瞥した

 

直後コムリンがめちゃくちゃに動きまわって皆を吹き飛ばした

 

ドギャーン

 

「ギャーーーー」

「うげーーーっ」

「コムリーーン」

 

~回想終了~

ネールside

 

 

「……というワケだ 悪いな…こんな理由で」

 

今でも思う。スッゴいアホらしいわ…

 

「リナリーは大丈夫なんですか?」

 

ウォーカー君が背中の妹君をふりかえりながらウェンハム君に聞く

 

「コムリンの麻酔針くらって眠ってるだけだ」

 

あ、そうなんだよかったー いきなり倒れたから心配だったんだよね

 

「はあぁ~~~~ラクになりたいなんて思ったバツかなあ…」

 

「え?」

 

ウェンハム君?なに言って…

 

「お前達エクソシストや探索部隊(ファインダー)は命懸けで戦場にいるってのにさ 悪いな

おかえり」

 

ウェンハム君…そんな風に考えてたのか

私は…意気地無しだな 頑張ってる他のエクソシストに申し訳ないよ

 

ときどきでも 任務受けようかな…

 

「アレン?」

 

ん?

 

「え…あっ はい!」

 

ウォーカー君も考えごとかな?

 

「何だよ、もしかして任務の傷が痛むのか?報告はうけてるぞ」

 

あぁ、その可能性もあったか

 

「いえっ平気です、た ただいま」

 

「?」

 

あの反応 私は考えごとだと思うな

 

なにか思い出したのかね?

 




初のオリ主以外の目線!
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