とある科学の人工能力   作:ダモクレス

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常盤台

心理定規と別れた後、絶対数値は常盤台の前にいた。

第三位を探しそうにも探せないので、手がかりがありそうな常盤台に来たのだ

 

 

(レベル5ともなれば有名人だ。誰かどこにいるか知ってんだろ。)

 

「あの、」

 

「えっ・・えと・」

 

「僕は運営委員の者で御坂美琴さんにインタビューをしたいんだけど、どこに居るか知らない?」

 

 

「きゃ。」

 

「・・きゃ?」

 

「きゃああああああああああああ!! 男の人が! 男の人が居ます!!」

 

男の人?まさかそれだけで悲鳴をあげているのだろうか。女子校だからと言っても驚きすぎでは無いのか?

 

「男の人?」 「男の人ですって・・・」 「え?男ッ!?」 「ど、どうしましょうか」

 

「あの殿型・・うちの生徒に話しかけていますわ。」 「ま、まさかナンパと言われる物では」

 

「常盤台の眼前でナンパとは・・・」 「先生を呼んだ方がいいんじゃ・・」

 

「それより御坂様を・・・」 「いえ 御坂様はおられませんわ」

 

 

(・・・・・ヤバいな、これは。)

 

 

「そこの殿型!我が校の生徒に狼藉を働くとは、無礼にもほどがあるんではなくって?!」

 

(何で、悪いことした事になってんだ? 俺、)

 

これはどう絶対数値を悪くみても、絶対数値は悪いことはしていない。だが、真実も数の暴力に屈する事がある。それは、まさに今の様な状態の事だった。

 

  その時だった。  

 

体の中を少量の電気が走ったような感覚に襲われる。気が付けば、常盤台の生徒達の様子が、全員同時に様子がおかしくなっていた。まるで感情が無い目、それが全て絶対数値を見つめていた。

 

「こっちこっち」

 

向こうに居る金髪の長い髪の子が手をひらひらさせていた。どうやら驚いていない様子からあの金髪

の子がやっただろう。しかし、これほど広範囲で多数の人間にかけるとは、第5位か。

 

「早く来ないと、そこにいる子達を起こしちゃうんだゾ」

 

「・・・・・分かった」

 

なんか最近、精神能力者に屈してばかりな気がするが、気のせいだと思うことにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

「で、おまえはやっぱ、第5位か?」

 

「そうよぉ。しっかし、あなたも私の能力が効かないって事はレベル5かしらぁ?」

 

「・・・・・・・・」

 

「そうみたいねぇ。あ、さっきの子達の記憶はちゃんと改ざんしといたんだゾ」

 

今、絶対数値と心理掌握は図書室にいた。心理掌握がどうやっているのか知らないが、授業中にサボって話している。まったく不真面目な事だ。学校にすら行っていない絶対数値の言う事では無いが。

 

 

「どうやってサボってんだ?」

 

「私がクラスの子達の記憶を改竄したのよぉ。結局、私の改竄力でどうとでもなっちゃうのよねぇ」

 

 

「でもぉ」

 

   

 ピッ

 

 

「あなたには、効かないのよねぇ」

 

 

「なあ、痛いからリモコン連打はやめてくれないか?」

 

ピッ、ピッ、ピッ、ピッ、ピッ、ピッ、ピッ、

 

「ふうん、どうしようかしら」

 

ピッ、ピッ、ピッ、ピッ、ピッ、ピッ、ピッ、

 

「分かったよ。何をすりゃいい?」

 

「メアドを教えてくれたら、やめてあげるかもしれないわねぇ」

 

「ほら、これだ。」

 

「あと、今度一日私に付き合ってくれるなら、御坂さんが何してるかも教えてあげるんだゾ」

 

「おい・・・なんで俺の任務の事を知ってるんだ?」

 

「あなたに喋っていたあの男?私が通ってる研究所で面白そうな事言ってたから記憶を見たのよぉ。

でもぉ、本当に本人に会うとは思わなかったわぁ。」

 

「じゃあ、俺の事も全部知ってたって分けか。」

 

「いやねぇ。別に変な事を企んでるわけじゃないのよ?」

 

あの男に同情を覚えつつ、恐ろしい能力だと思った。もしレベル5をも操れたら間違いなく第一位だろう。どうやら、レベル5を操るのは無理のようだが。

 

「で?イイの?だめなの?」

 

「・・・本当に知ってんだな?」

 

「もっちろん。」

 

「しょうがねぇ、承諾してやるよ。だから教えろ」

 

「ふふ、御坂さんは、とある男子高校生に躍起なの。それで毎日毎勝負を挑んでるって話よぉ。」

 

一瞬、それを疑った。レベル5と戦える人間、それは限られてくる。同じレベル5か、あとは木原ぐらいか。同じレベル5だったら、暗部の線は無い。じゃあ、第七位ぐらいしか。

ーーーーーーいや、あんな、根性根性言ってるむさ苦しい奴を女子高校生が追っかけるなんて、ありえない。あってならない。

 

「その、とある男子高校生ってのは誰だ?」

 

「本当にただの高校生らしいわよぉ。でも本当かしらぁ」

 

これ以上聞いても無駄か。そう分かると絶対数値は立ち上がった。

 

「もう行くの?」

 

「ああ、」

 

「今度の日、楽しみにしてるんだゾ」

 

「ああ、」

 

今日だけでも大変だったのに、今度第五位に付き合うなんて面倒を抱えてしまった。

嗚呼、面倒臭い。いい加減家に帰りベッドで寝たい。だが悲しきかな。現実は厳しい。

一日の労働としては十分な働きをしたにも関わらず、ベッドで寝る事さえ叶わない。せめて、この苛立ちを全ての元凶である第三位にぶつけてやろう。

 

「じゃあな、」

 

絶対数値はまた任務の為、歩き出した。


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