雪は全てを包み込む   作:紅葉 秋

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どうも、紅葉 秋です!

イブとクリスマスにラブライブの一番くじを秋葉でやってたら楽しくて、更新が遅れました!

今回はノンナが出ておりません!
折角付き合ったのに出せなかったです

ノンナとのイチャイチャを期待した人は申し訳ないです


では、どうぞ




第10話 大事な出会い?

「あれ、備品が無い……」

 

春休みに入る一週間前

俺は一人で備品の確認をしていた。

 

本来なら春休み前日に全員でやるんだけど、何せ広いから備品の数が多いからたぶん一日じゃ終わらないと思うんだよね。だから時間がある今のうちに少しでもやっておこうかと思いやってるんだけど……

 

「これも無くなってる……」

 

さっきから修理用の予備パーツや砲弾、食料が無くなってる。

 

「書き間違えたか?……いや、それにしては間違えが多いよな」

 

じゃあ原因はなんだ?

 

考えながら歩いていると、カチューシャ用のお菓子が転がっていた。

 

なんでこんなところにあるんだ?

お腹が空いた誰かがこっそり持ち出して食べたのか?

やめろよ、カチューシャにバレたら俺やノンナにとばっちりがくだんから

 

誰だか知らんがちょっと注意しておくか

 

丁度近くに隠れられる場所があるので行ってみると

 

「あ……」

「ん……」

 

チューリップハットをかぶった可愛い女の子が、カチューシャのお菓子をパクパクと食べながら俺を見てる。

 

たぶん、こんな所で会わなかったら可愛いなと思う程の美少女なんだけど……。

 

「……このお菓子はあげないよ」

 

「いやいらないから」

 

会って初めての第一声がそれって、どんだけ食い意地が張ってるんだか

 

「それより君は何してるの?」

 

戦車道をやってる生徒は全員覚えているが、この人は知らない。っていうか会ったことあったら覚えてるはず

 

「……西住雪穂」

 

「俺の名前を知ってるってことは戦車道はやってるな。……継続?」

 

「っ!?」

 

お菓子を食べていた手が止まり、顔には驚きの表情が見てとれる。

いや、驚いているところ言いづらいんだけど

 

「ジャージに『継』って書いてあって、戦車道やってる高校で継の字が入るのは継続高校だけ」

 

ま、反応を見る限り継続高校の人で間違えないだろう。

 

「それで、継続高校の人がこんな所で何の用?」

 

「風と一緒に流れてきただけさ」

 

うん、ごめんよくわかんない。

 

「じゃあそのお菓子はどこから持ってきたの?一応カチューシャの物なんだけど」

 

「これがその人の物だってなぜ分かるんだい?名前でも書いてあるのかい?」

 

凄い屁理屈。んー、どうしょうかこの人

 

「そういえば名前は何て言うの?」

 

「それは知る必要があることかな?」

 

「だって君は俺のことを知っていて、俺は君を知らないのは不公平じゃない?」

 

「人生なんて不公平なことばかりさ」

 

 

「おーい!ミカ!なんか収穫はあったかー?」

 

 

「………………」

「ミカさん、呼ばれてるよ」

 

ちょっとカッコ悪いね。

自分は隠してたけど他人にバラされる。

 

ミカも恥ずかしいのか頬が少し赤い

 

ミカを呼んだ人の方を見るとミカと同じジャージを着た赤髪の女の子がいた。

 

はぁ……聞き捨てならないことを聞いちゃったな

 

「ミカ、収穫ってなに?」

 

「………………」

 

目を閉じて答えないミカ。

ミカのそれは肯定と取るよ

 

「ミカ?返事ぐらいしてよ……ね」

 

赤髪の子から俺の姿が見えなかったらしく、こちらに近寄って来てやっと気がついたようだ。

 

「今ね、備品がいくつか無くなってるんだ」

 

「………………」

 

ミカは目を閉じたままだけど、赤髪の子は額が汗で滲みだした。

継続の人たちは分かりやすいね

 

「ちょっと話を聞かせてもらえるかな?もちろん赤髪の子も」

 

「ミ、ミカ……どうする?」

 

「どうするってもちろん…………」

 

ミカは自分のジャージのジッパーを少し下げて、中のシャツの中に手を入れる。

ってミカ!男の前で何をやってるんだ!

 

「意外だったよ。女の子だらけでこういうことには耐性が出来てると思ってたよ」

 

そう言いながら笑っているミカが服の中から棒のような物を取り出す。

棒?…………やべぇ!

 

「じゃあ私たちは失礼するよ」

 

取り出した棒を地面に叩きつけた瞬間、棒から煙が出る。

 

最悪

煙で辺りは見えないし、二人が走ってる足音は聞こえる。つまり逃げられたってことだよな

こんなことなら手でも掴んでおけば良かった

 

はぁ……とりあえず今はこの辺に誰も来ないことを願おう。この煙を見られたら何を言われるか分かったもんじゃない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どこ行ったんだ、あの二人」

 

煙が晴れてから辺りを探したが、二人は見つからなかった。

 

ま、今回は何も取られては無かった。食われた物はあったけど、それは取り返せないので仕方ない。なので今回は見逃すことにした。でも次は必ず捕獲する

 

「ここで最後にするか」

 

最後に探す場所に決めたのは、殆ど使われていない部屋で俺も中に入ったことがない部屋だ。

 

捜索三割、興味が七割ってところかな?

 

扉を開けて中に入ると、水の入った段ボールと毛布がたくさん置かれていた。

ああ、ここが緊急時の備品置き場か

 

備品が綺麗に整頓されてるんだが…………隅の一ヶ所だけ異様に毛布が散らかってる。

 

絶対になんかあるよね

 

散らかってる毛布を退かしてみると…………段ボールの箱にすっぽりお尻がハマってるミカが居た。

 

 

「……ぷっ」

 

「この格好の女子を見てニヤけていると、変態に見えるよ」

 

いやいや、この間抜けな泥棒さんを見たら誰でも笑うだろう。笑うのを堪えてるだけいい方だと思う。

 

それにしても変態か……

 

「そうか、じゃあミカを襲わないように変態は帰るな」

 

「君がここに来たのは意味があるからじゃないのかな?」

 

帰ろうとした俺の手をミカが掴む。

 

「ここの部屋が備品置き場ということを知れた。意味があったじゃないか」

 

「……閉じ込められた女子を見捨てて行くのかい?顔は良いのに性格はSなんだね」

 

「ありがとう、じゃあな」

 

「ちょっとくらい待ってくれても良いんじゃないかな?」

 

再び出口に行こうとするとまたミカに掴まれる。

 

「そんなに急ぐ必要があるのかい?」

 

「面倒だからハッキリ言うけど、助けないとは言ってない。素直に助けてくださいって言えば助けるよ」

 

「…………君は意地悪なんだね」

 

目を細めて俺を見るミカ。

本人は睨んでるのかもしれないけど、状況的に上目遣いになってるから怖くない、むしろちょっと可愛い

 

「意地悪してるつもりはないよ。知り合いなら何も言わなくても助けるよ。ただミカとは今日知り合ったばっかりだし、泥棒の可能性もあるからね」

 

「うっ…………」

 

「それにミカが素直になればもっと可愛いと思うよ」

 

「……けて」

 

ミカは下を向き小声で何かを言ってる。

聞こえた部分だけで何て言いたいか分かったけど

 

「聞こえないよ」

 

「…………助けて」

 

頬を真っ赤にしたミカがやっと素直に助けを求めた。

 

「よく言えました」

 

後輩のように見えてきたミカの頭をつい撫でる。

さっきの雰囲気がみほと似ていたからかな

 

そういえばチューリップハットを被ってないけどどこにいったんだろう?

「……君は誰にでもやっているのかい?随分と手慣れてようだけど」

 

「誰にでもやってない。妹たちや仲の良い人だけだよ。今回はミカが妹と似てたからついやってしまっただけ。嫌だったら悪かった」

 

俺がミカの頭から手を離そうとするとミカが離そうとした手を掴み、再び自分の頭の上に置く。

 

「別に構わないよ。それになんだか君に撫でられてると心地が良い」

 

「なら良かった」

 

「ところで私と君の妹は似ているのかい?」

 

「いや、全然。たださっきの『助けて』って言うときのミカが、恥ずかしがりやの妹が頼み事するときに似ていただけ……特に顔を赤くしてるところが可愛くて」

 

「っ!?……撫でるのはいいから、ここから早く出してくれるかい」

 

不機嫌そうな声で返してくるミカ。顔が赤いから分かりやすい照れ隠しというのが分かる。

 

「はいはい、手を引っ張ればいい?」

 

ミカがコクリと首を縦に振る。

 

俺はミカの両手を掴み引っ張る。

だが、余程ピッタリハマっているのか抜ける気配がない

 

「ちょっと強く引っ張るな。痛かったら言えよ」

 

先に強く引っ張ることを予告しておく。

 

強く引っ張ると少しだけミカの体が動く。

これならあともうちょっとでいけるな

 

「あともうちょっとだから頑張れ」

 

ミカがコクリと頷く。

 

更に力を入れて引っ張ると、ハマっているミカのお尻が抜けた。ただ勢いがありすぎてミカが勢いよく俺の胸に飛び込んでくる。

なんとか踏ん張り、倒れずミカを支えることに成功した。

 

「ミカ?」

 

「………………」

 

なぜかミカが俺の胸に顔を埋めてる状態から動かない。

 

「……西住」

 

体勢はそのまま、顔だけた上げたミカが小声で俺の名前を呼ぶ。

……無駄に色っぽい

そして密着しているので柔らかいものももちろん当たっているし、良い匂いも感じる。

 

 

 

 

「―――お腹空いた」

 

 

 

 

くぅー、と可愛らしいお腹の音が静寂の部屋の中に響き渡る。

 

ということは、ずっとこうしてるのもお腹が空きすぎて動けないってことか?

 

はぁ、呆れた。どんだけご飯食べてないんだよ

 

「ご飯食べる?」

 

首を何度も縦に振るミカ

……そんなにお腹が空いてるのか?

 

えー、じゃあどこで食べよう?

食堂は無し。他校の人間を連れていくと後々俺がめんどくさい。町も知り合いが多すぎて駄目だし。

 

…………あそこしかないか

 

「食べさせてあげるけど何があっても文句は言うなよ」

 

俺はミカにあるものを被せる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「この部屋から出るなよ」

 

「…………まさか段ボールに入れられて運ばれるとは思わなかったよ」

 

「だから文句は言うなよって言ったじゃん」

 

結局、ミカを段ボールで隠して俺の家に連れてきた。

安全な場所がここしか思い付かなかった

 

そもそも、ここまでやってあげる義理があるのか?

凄い今更感がある

 

「ちょっとだけ待ってて」

 

とりあえず手軽に出来る炒飯で良いか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ほい、召し上がれ」

「いただきます」

 

出来上がった炒飯を出すと、勢いよくかつ綺麗に食べ始める。うん、女の子なら綺麗に食べた方が良いよね

 

っというか、もしかしなくてもあれだけじゃ足りない?

 

「おかわり」

 

米粒一つすら残ってない綺麗な皿を俺の前に出すミカ

 

どんだけ食べるんだ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ごちそうさまでした。男の人なのに料理が上手なんだね」

 

「一人暮らしだからな、これぐらい出来ておかないと寂しいご飯になるから。とりあえず満足させられて良かったよ」

 

ミカの食欲は想像以上に凄く、炒飯、野菜炒め、パスタなど家にある色んな食料を使った。

恐ろしいものだ。こんな女の子のどこに入るんだか

 

ミカのお腹辺りを見ると、少しだけお腹が出ていて妊婦さんの二歩出前くらいだった。

 

ちょっと安心した。全く大きさが変わってなかったら怖いもんな

 

「女の子の体をジロジロ見るのはあまり良いことではないね」

 

「それは悪い。ただその体のどこに入るんだろうと思ってな」

 

「…………君に孕まされてしまったみたいだね」

 

自分のお腹を優しく擦るミカ。

 

「そのお腹は自分で作ったんだだろうが。それに女の子が孕まされたなんて言うんじゃありません」

 

注意の意味が半分、笑みを浮かべてるミカにムカついたのが半分の理由で頭にチョップを落とす。

 

ミカが非難の目を俺に向けてきたけど気にしない、自業自得だ

 

「少し休んだら仲間の元に帰れよ。今回は何も見てないからスルーするけど、次俺の目の前でやったら捕まえるからな」

 

「風と一緒に流れていくだけさ、どうなるか私にも分からないよ」

 

さいですか。ま、どっちでもいいけど

 

「あ、そうだ」

 

俺は台所にあるものを取りに行く。

そして取りに行った物をミカの前に置く。

 

「これはなんだい?」

 

「何人で来たのか知らないけど、ミカがあんだけお腹空いてたってことは他のメンバーもご飯食べてないんでしょ?だからお弁当。一応三人分だ」

 

ミカが驚いた表情で俺を見つめる。

なんだ、なんかおかしいか?

 

「……君は本当に優しいだね…………プラウダ校の女子が君のことを好いてる理由が分かるよ」

 

「最後の方、何て言ったんだ?」

 

「気にしなくて良いことさ。ありがとう、丁度三人だ」

 

なるほど、赤髪の子以外にもう一人居たのか。次の時はその子にも警戒しなければ

 

「それは何より。じゃあ俺は皿洗ってるから適当にくつろいでてくれ」

 

「ああ、お言葉に甘えるよ」

 

ご飯食べて満腹だから、やけに素直だな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ミカ?」

 

皿を洗え終わると、先程までいたミカの姿がない。

そういえば、俺が渡したお弁当もない。

 

…………まさか仲間の元に帰った?

いや、他校のジャージを着ている奴がいたら目立つはず

 

そんなことを考えながら家の中を探してると……なぜか俺の部屋のドアが少し開いていた。

 

「やりやがったな……」

 

気になって中に入ってみると、制服の上一式が無くなっていた。

プラウダ校の制服の上は男女でほとんど一緒なので、あれを着てれば目立たないけど

ミカの奴、人の物を勝手に使ってるな

 

制服を手に入れたってことは…………もう外か

 

俺は家のベランダに出て外を見渡すと、手が制服の袖から出ていないミカを見つけた。

 

ミカも俺に気がついたようでこちらを見ながら口パクで『ありがとう』と言うと、一回微笑むとどこかに姿を消した。

 

はぁ……本当に風のように来て風のように消えていったな

ま、今度来た時は覚えてろよ

 

次にミカが来るのがちょっと楽しみな俺だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あっ、ミカ!ミッコー!ミカが帰ってきたよ!」

 

私が二人との集合場所に着くと、アキが私に気がついて出迎えてくれる。

 

「ミカ!大丈夫だった!男の人に見つかったけど?」

 

アキに呼ばれたミッコも私に駆け寄ってくる。

 

「ああ、特に何もされなかったよ。……面白い人だった」

 

「へぇー、見つかっても何もしない人か、心が広いんだねその人。名前とか聞いた?」

 

「西住雪穂」

 

「え……男の人で戦車道やってる、あの西住雪穂?」

 

「ああ」

 

「去年の大会でMVPを取ったあの西住雪穂?」

 

「それ以外にいるのかい?」

 

「いや、普通に言ってるけど凄い人と会ったんだよ!いいな、私も会ってみたいよ」

 

西住は凄い人気者みたいだね。

本当に面白い男だ

 

「あ、忘れていたよ」

 

西住からもらったお弁当をアキたちの前に出す。

 

「これどうしたのミカ!?」

 

「お弁当!それも全員分ある!」

 

お弁当を持ってキラキラした目で聞いてくるアキに、我慢できずに食べ始めているミッコ。

 

仕方ない、二人とも腹ペコだったんだから

 

「西住に貰った。私がお腹が空いたっていたらご飯を食べさせてくれてね。お弁当は仲間にって」

 

「西住さん、ありがとう!」

 

「このお弁当うめぇー!」

 

きっと彼がこの光景を見たら微笑むんだろうね。

 

西住雪穂…………本当に興味深い男だ。

 

「お弁当を食べ終えたら帰るよ」

 

「「はーい」」

 

 

またプラウダ校に来るときは会いに行くよ

 

 

 

 

 




読んでいただきありがとうございました!

今年中に、完成すれば二話投稿したいと思っております。できなかったらこれが今年最後になります。ならないように頑張ります

感想や評価を心よりお待ちしております!
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