雪は全てを包み込む   作:紅葉 秋

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どうも、いきなり評価1を貰った紅葉 秋です。
1貰ったけど評価者リストには載ってない…………どういうことですか?


まぁ、こんなことはさておき。予想より時間があったので早めに投稿します!

今回はノンナよりまほがメインっぽくなってます


では、どうぞ



第2話 自分の価値

「我々はやっとこの舞台にたどり着いた!相手は八連覇中の黒森峰!かなり厳しい戦いになると思う。しかし、我々には最強の砲手が付いてる!西住が居れば我々は勝てる!全員奮闘を期待する!明日は勝つぞ!」

 

 

「「「「「 Урааааааааа!!」」」」」

 

 

戦車道全国大会。我がプラウダ校は、一年生で男性ながらユキが大会一位の撃破数で危なげなく決勝戦まできました。

現段階でMVP争いを黒森峰に居る妹さんとしています。おそらく今年の大会のMVPは二人のどちらかでしょう。

 

「西住、明日も頼んだぞ」

「期待してるよ」

 

「はい、先輩方もよろしくお願いします」

 

何人かの先輩方に声をかけられたユキがこちらに来ます。

 

「期待されてますねユキ」

 

「まぁ、されないよりは良いかな。それに自分の活躍がプラウダの勝利を担ってるのは自覚してるから」

 

一年生なのにエースの自覚まできちんと持ってる。

流石は西住流というべきでしょうか

 

「ちなみに俺はノンナに期待してる」

 

「はい、ユキの援護はお任せください」

 

「本当に助かるよ、ノンナが居てくれるだけで敵を撃破しやすくなるから」

 

「嬉しいことを言ってくれますね。明日もその期待に応えられるように頑張ります」

 

「頼んだ。じゃあ俺は先に帰るな」

 

「はい、また明日」

 

ユキの後ろ姿は……いつもより怖いオーラみたいなものが出ていました。

 

きっと明日の試合のせいです。

相手は西住流の指導を受けた生徒が多い黒森峰。さらに今年はユキの妹でありながら次期家元の呼び声が高い、西住まほがいます。

 

おそらく妹さんに負けたくないんだと思います。

私はユキの為に全力を尽くすだけです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まほ」

 

「兄様」

 

決勝戦開始前、隊長と副隊長が挨拶に行くのでそれに同行し、黒森峰に行くと一番最初に妹のまほと出会う。

 

お互いに相手を呼ぶとどっちからという訳でもないが、抱擁をかわす。

 

ま、なんやかんやで三ヶ月ぶりだからな

 

「元気にしてたか?」

 

「はい、兄様もお元気そうでなによりです」

 

「まほは副隊長になったんだよな。言うのが遅くなったけど、副隊長おめでとう」

 

まほの頭に手を置いて撫でる。

妹たちは撫でられるのが好きなんだが、特にまほはみほより好きなんだ。

 

みほは顔にかなり出すけど、まほはあんまり顔に出さない。でも長年兄をやってたら微かな変化でも気づく。

微妙に頬が上がってるしね

 

「ありがとうございます兄様」

 

「今日はよろしくな」

 

「はい、お互いに全力を出しましょう」

 

隊長たちも挨拶が終わったみたいだから俺も戻るか

 

 

「あら、珍しく男が居ると思ったら『落ちこぼれの西住』じゃない」

 

うわ…………この人黒森峰の選手になったのかよ

 

「……先輩、私の前でその言葉を発言しないで頂きたい」

 

まほが睨みながら牽制をいれる。

色々俺とあったからまほもこの人のこと嫌いなんだよな

 

「ごめんなさい、でも事実よね?だって次期家元はまほさんって言うし、第一に西住流の指導を大半受けてる黒森峰に入学してこなかった時点で、貴方の価値なんてしれてるわ」

 

……面倒だな、試合前に。

 

「アホなんですか?まだ母さんは誰を次期家元とは言ってない。まほとみほのどっちかだと思いますけど。まあ、もっとも、俺は確かに家元にはなれないですけど貴方より実力はあると思いますよ。それで黒森峰に入学しなかった理由でしたっけ?女子校だからです。…………やっぱり先輩馬鹿ですね」

 

「えっ、あ、うっ」

 

まほだけには出来るだけ威圧感を与えないように喋ると、奴は口が回らなくなっている。

 

「あ、何も言わなくていいですから、もう帰ります。今日はよろしくお願いします。じゃあまほ、決勝が終わったらまた来るな」

 

「はい、兄様」

 

黒森峰を後にしようとすると、隊長と副隊長がこちらを見ていた。

 

「すいません、変なものを見せてしまいまして」

 

「い、いいのよ、別に、ねぇ?」

 

「そうそう、西住くんが馬鹿にされたままなんて納得できないから」

 

副隊長は結構動揺しているが、隊長は普通に返してくれる。

申し訳ないけどこういう所で隊長と副隊長の差を感じる。

 

「ありがとうございます。あの人、俺に振られたのを根に持ってるんですよ」

 

「え、西住が振ったの?」

 

「ええ、三年前くらいに告白されたんです。当時はピリピリしていたんでちょっと適当に振ったら、根に持たれちゃって今に至ります。もちろん、あの時は悪かったと思って謝りはしたんですけど」

 

どう見繕っても元は俺が悪いんだけどな

 

「でも、いくら振られたっていっても適当なこと言うのは―――」

「全て本当のことですよ」

 

「……どういうこと西住くん?」

 

隊長が真剣な表情で俺に聞いてくる。

少し考えてみれば分かると思うけどな……俺の口から聞きたいのかな

 

「俺は妹たちと違って、自分の砲手としての能力軸に作戦を立てるのが得意です。部隊を動かす指揮官とかより、自分と一緒にある程度数と一緒に行動する小隊長とか急襲の方が合ってるってことです。だからトップである家元に向いてない、適材適所ってことです。…………試合の前に言うのもあれですけど、実力も俺の方が低いですし」

 

「そっか…………」

 

小さく頷いた隊長はその後戦車に戻るまで喋らなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『皆、聞こえてるわね?』

 

各自、自分の戦車に乗り込んでスタート地点に向けて移動中、各車輌に隊長から通信が入る。

 

ちなみに俺は一人だけ咽頭マイクとヘッドホンを無線機として使っている。

ドイツ戦車ばっかり乗ってたからこのスタイルで慣れきっちゃったからな

 

『さっき、黒森峰に挨拶に行ったら……詳しくは言わないけど、西住が馬鹿にされたわ』

 

「「「「っ!?」」」」

 

車内の先輩たちが一斉に俺を見る。

あー、隊長それ今言います?

 

『私たちがここまで苦戦せずにこれたのは西住の力があったから、って言うのは誰も言わなくても分かるわよね?……だから今日は!黒森峰に勝って「ウチの西住は凄いんだから」って証明するわよ!』

 

『『『『『 Урааааааааа!!』』』』』

 

全く……ウチの隊長たちは

 

「西住くん……」

 

「こんなこと言ってもらったら……燃えるじゃないですか」

 

笑いながら答えると、車内の全員も笑ってくれる。

 

「今日も勝ちましょう」

 

「「「「はい!」」」」

 

こんな感覚になるのは初めてだけど…………今日は外す気がしないな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『こちら隊長車。西住、そっちはどういう状況?』

 

「こちら西住、辺りに敵車輌は見当たらないです。こっちはT-34/85が二輌と76が二輌です」

 

黒森峰との試合は、作戦通り黒森峰を誘きだして集中砲火を浴びせることに成功したが、黒森峰の重戦車に守られて思った程の戦果は挙げられなかった。流石は黒森峰と言うべきだろう。

 

今は撤退して、本隊、俺の小隊、副隊長の小隊の三部隊に分かれて行動中である。

 

『こちらアオ、こっちも周辺に敵の気配はないよ。あ、西住、KV-2の履滞が壊れちゃって、たぶんそっちに合流した方が近いから任せるね』

 

「了解しました」

 

『あっ!敵車輌発見!ティーガーIを含む四輌!攻撃を開始する!』

 

ティーガーIか……もしかしたらまほの車輌かもしれないな

 

「副隊長、もしかしたら妹のまほが居るかもしれないのでお気をつけて」

 

『分かったわ』

 

さて……さっきので二輌撃破、副隊長の所に四輌、敵本隊は最大でも十四輌。

俺の小隊が不意を突ければ勝てるか……

 

『こちら隊長車、敵フラッグ車発見!』

 

お、隊長が敵本隊を見つけたらしい

 

『あと敵車輌七輌』

 

…………本隊が八輌?他の六輌はどこへ……

ま、とりあえず本隊に合流してフラッグ車を叩くか

 

「こちら西住、そちらに合流…………出来なさそうです」

 

うわぁ……こっちに来たのかよ

 

「全車攻撃用意!」

 

前方から砂煙を見つけて攻撃準備をする。

六輌って言ってもパンターとかならやれる

 

『西住!敵の中にヤークトティーガーとエレファントがいるぞ!』

 

はい?なんでお前らがこっちに居るんだよ?

あー、合流出来るか……?

 

「全車、周りのパンターなどを攻撃、数的優位になり次第重戦車を片付ける」

 

『『『了解』』』

 

さて、始めるか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『こちら五号車!撃破されました!』

 

『十四号車も撃破されました!』

 

「ノンナ!右のⅢ号を!」

 

『はい』

 

敵車輌六輌中、三輌……いや、今ノンナが撃破したから四輌撃破。

一方こっちは二輌撃破されて、さらにノンナが砲手を勤めてるT-34/85は砲が一部回らないという故障付き。

 

相手はヤークトティーガーとエレファント…………キツいな

 

副隊長の小隊はまほによって全滅されられたって報告きたし、本隊は敵の本隊と戦闘中で援護に回せる車輌は…………いるじゃん!

 

「カチューシャ!今どこにいる!?」

 

『ちょっと待ちなさいよ!あと三分で着くから!』

 

「いや、F5地点に集合後砲撃準備、俺たちが敵を誘い込む」

 

『分かったわ』

 

『KV-2、車長了解』

 

いや、カチューシャが通信手としてKV-2に乗ってて良かった。

 

「七号車、F5地点に移動。ノンナは待ち伏せを匂わせないような感じで砲撃」

 

『了解です』

 

「それじゃあ作戦開始!」

 

『『了解!』』

 

「こっちの方が圧倒的に機動力は上です。相手との距離は空いても構わないので、敵の攻撃は受けないでください」

 

「分かってる!」

 

先輩たちの操縦ならまず敵の攻撃は当たらないだろう……後は合流したときの攻撃のタイミングか

 

『ユキ!こっちは集合場所に着いたわよ!』

 

「了解。じゃあ砲塔を西南西方向に向けて待機。俺の合図と同時に発砲してください」

 

『分かったわ』

 

後は俺たちが目の前まで誘きだせれば、ヤークトティーガーやエレファントでもKV-2の主砲なら撃破出来る。

 

「皆さん、そろそろ合流地点です。作戦の成功するかしないかで大きく状況が変わります。ここ一本集中していきましょう」

 

『『『了解!』』』

 

俺は一度戦車から体を出して辺りを見渡す。

 

敵に罠の可能性を感じとられてしまうかもしれないが、KV-2の目の前に誘導しなければ行けないから仕方ない。

 

あそこにいるってことは……

 

「先輩、このまま前進してください。KV-2が発砲後は全速で後退して、エレファントの後ろに回り、七号車と挟んで決めます」

 

「了解」

 

「KV-2、カウントを開始します…………3、2、1、発射!」

 

俺の戦車がKV-2の目の前を通り過ぎたと同時にKV-2が発砲しヤークトティーガーに命中、そして俺の戦車が全速力でエレファントの後ろに回り込み、撃つ。

 

特にタイミングを取った訳ではないが、ノンナとのタイミングが完全に合っていた。

やっぱり相性がいいのかもな

 

煙が晴れるとエレファントから白旗が上がっていた。

 

後は…………

 

『きゃあ!』

 

七号車の車長の悲鳴が聞こえる。

ちぃ、ヤークトティーガーがまだ生きてたか

 

「ヤークトティーガーの真横に!今度こそ仕留めます」

 

操縦士の先輩はすぐさまヤークトティーガーの真横に着けてくれる。

もう装填も終わってる……これで本当に終わりだ

 

真横の一撃に今度こそヤークトティーガーから白旗が上がる。

 

二輌しか残らなかったか…………最悪でも最高でもないが、良い結果だったかな

 

「七号車大丈夫ですか?」

 

『皆、大丈夫そう』

 

「それなら良かったです。すいませんが、我々は本隊に合流します」

 

『ユキ、頑張ってください』

 

「おう、ノンナもありがとうな。さっきのタイミング完璧だったよ」

 

さて、本隊は無事だろうか

 

「こちら西住から隊長車へ。ヤークトティーガーやエレファント含む敵六輌を撃破、自分の車輌とKV-2でそちらへ向かってます」

 

『流石は西住ね、やってくれると思ってた。…………こっちは恥ずかしながら結構押されてるわ。既に半数は撃破されたわ。その癖敵はまだ七輌もいるわ』

 

……予想していたより戦況は悪いな。

 

「……どれくらいもちますか?」

 

『……二十分が限界だと思うわ』

 

「分かりました、出来るだけ早く合流しますので」

 

『頼むわ』

 

二十分……ギリギリ間に合うかどうか

 

「各車、本隊と合流します。……本隊はかなり苦戦してる模様で、我々はかなり厳しい戦いを強いられると思いますが、諦めてはいけません。勝負に絶対はありません、諦めない限り、最後まで敗北は決まらないんですから」

 

頼むよ隊長。俺らが合流するまで持ちこたえてくださいよ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「良かった……まだ残ってる」

 

19分走っていると、砲弾を撃ち合う音が聞こえてきた。

さっきから無線が繋がらなくて味方の数は分からないけどまだ終わってない

 

「西住!かなりピンチだよ!」

 

戦車の外に身を乗り出している先輩がかなり焦った声で叫んでる。

俺も急いで戦車の外に出って見たのは…………かなり厳しい状況だった。

 

横に並んで砲撃をしている黒森峰の戦車五輌。

見るからに砲弾を何発も受けて傷だらけのプラウダの戦車二輌。

 

誰がどう見ても、どちらがピンチか分かる状況である。

 

俺はすぐに車内に戻り狙いを定める。

 

「ここからじゃあ無理だよ西住!有効射程距離に入ってないし、そもそもこんな距離を行進間射撃で狙うなんて無茶だ!」

 

ま、いくら障害物がなく、敵もこっちに目が向いていないとは言え、確かに普通の選手じゃ無理だ。

たが、俺は西住の中で一番の砲手だぞ

 

「あ、本隊から目を逸らすのが目的なんだよね?」

 

「当てますよ、もちろん撃破するつもりで」

 

そう答えると車内の全員が黙ってしまう。

この状況でおかしくなったとか思われたかもしれないな……。

 

 

 

一つ言うなら―――お兄ちゃんが妹の前でカッコ悪いこと出来ないだろう?

 

「発射」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『黒森峰女学院の勝利!』

 

 

「勝ちましたね副隊長!」

 

「九連覇だよ!」

 

「ああ」

 

プラウダのフラッグ車を仕留めた私のティーガーの車輌の中は歓喜で満ちていた。

 

たが、私は皆とは違うことで喜びを感じていた。

 

 

今回の戦いでキーマンになるであろう兄様に、ヤークトティーガーやエレファントという重戦車を含む六輌を迎撃に向かわせたのに、それを撃破した。

これだけでも凄いことだが、さらに有効射程距離外かつ行進間射撃でティーガーⅡの砲塔に命中させたのだ。

 

おそらくこれを出来る砲手は今の日本に居ない。

 

そんな奇跡に近いことをやりながらも兄様たちは負けた。純粋に来るのが遅すぎた。

 

個人の能力では兄様に勝てないが、チームとしては黒森峰が強かった。それが勝因。

 

戦車道は一人では勝てない。ということを印象付ける試合だった。

 

 

私が戦車から顔を出すと、丁度兄様も戦車の外に出て空を見上げていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

勝てなかった~。

ま、黒森峰の実力が上だっただけか。仕方ない

 

「ごめんね西住……」

 

全員で整列するために開始場所に集まっていると、隊長以下三年生たち数人が俺に謝ってきた。

 

「はい?なんか先輩たち悪いことしましたっけ?」

 

「……西住が頑張ってくれたのに、私たちが踏ん張れなかったせいで負けちゃった」

 

あ、そういうことね。先輩たちは戦車の大前提を忘れてるようだ

 

「俺一人の活躍じゃないですよ。戦車は一人じゃ動かせないです。皆で頑張った結果、黒森峰が強かっただけです。先輩たちが悪いなんてないですよ。それより、早く整列しましょう。準優勝も凄いですよ」

 

泣きそうな先輩たちを励ましながら背中を押す。

 

「……ありがとう西住」

 

小さな声だったが、隊長からの感謝の言葉に俺はあえて何も言わずニコッと笑顔を返しておいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――次に今大会のMVPを発表します。今回の大会は非常にレベルが高く選考に悩みました。…………では発表します

 

 

 

 

黒森峰女学院、西住まほ」

 

 

優勝旗を受け取り、表彰式の最後にMVPの発表。

私は兄様がMVPだと思っていたが、私が選ばれた。

嬉しくない訳ではないが……兄様が選ばれなかった方が驚きで嬉しさが胸に届かない。

 

なぜ私なのか?撃破数も兄様が上、最後の超距離射撃も高校……いや日本でもトップの技術だったのに。なぜ?

 

「そして、プラウダ高校、西住雪穂」

 

そういうことか……。

審査員の方たちも選ぶのに悩んだ末に二人をMVPにしたのか。

 

私個人としては一番良い結果だと思う。

兄様が選ばれ、兄様と一緒に選ばれたのはとても嬉しいことだ。

 

壇上に兄様と同時に上がる。普通ならトロフィーを貰って終わりなのだが、問題が起きた。

トロフィーは一つしか無いので二人で受け取るとして、トロフィーをどっちが保有するか?

 

壇上から降りると兄様がトロフィーを渡してくる。

 

「まほが持ってて」

 

「でも兄様には……」

 

「そうだな……じゃあ記念にこれを貰うな」

 

そういうと兄様は、私の頭に乗ってる黒森峰のベレー帽を自分の頭に置く。

 

「これならいいか?」

 

「ふふ、兄様らしいです」

 

自分の物を兄様がトロフィーと同等の価値の物として持ってることが少し嬉しくて頬が緩む。

 

「じゃあ取材とかあると思うから、その後でゆっくり話そうな」

 

「はい」

 

その後、雑誌の取材で兄様と肩を合わせて写真を撮ってもらったら、その雑誌はいつもより二倍売れたらしい。

……私もその売上に貢献した一人である。

 

あの写真は、私の大事な宝物の一つである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




読んでいただきありがとうございます。

とりあえず次も早めに投稿したいと思います!


ではまた
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