前回は次回予告を書いてみましたが基本は無いです。
とりあえず今回で一区切りになります。
前半は現実味があまりありませんがそこは目を瞑っていただきたい。
では、どうぞ!
ユキの家で一週間過ごし、私が前の部屋であったカチューシャと同じ部屋に戻って約二週間。
色々ありましたが、私の日常はいつもの平和に戻っていた。
「あ、ノンナ、これあげる」
そんなある日、ユキが私に数枚の紙を渡してくる。
これは……数字を予想する宝くじですね
「調べるの面倒だからノンナにあげる。"もし当たってたとしても"それはノンナのだから」
「そうですか?では、頂いておきます。ありがとうございますユキ」
当たっていたら皆で美味しいものでも食べに行きましょうかね。貰った時はそんな軽い気持ちでいました。
でもよく考えてみれば、あのユキが意味もなく宝くじなんて買うわけはないのに
コンコンコンコンコンコン
「…………何だよ、こんな朝早くに」
朝、家のドアを叩く音で起こされる。
……全く誰だよ
「はーい、今出ますよ」
急いで布団から出て玄関を開けると……はぁはぁ、と頬を赤くして息を切らしたノンナがいた。
…………うん、エロいな
「どうしたノンナ?朝から何の―――」
「これはどういうことですか!?」
いつもより大きな声で俺に小さいな紙を見せて問い詰めるノンナ
……ああ、宝くじの件か
「すまん、もう少しボリュームを下げてもらえるか、起きたばっかりなんだ」
「あ、すいません。それよりこれについて教えてもらえます?」
やっぱりそれのことなのね……。
「とりあえず中入って」
朝から玄関で騒いでいたら近所迷惑になりかねないので、ノンナを家の中に招き入れる。
「悪い、ちょっとまだ頭が覚醒してないからシャワー浴びてくる。ノンナなら部屋にあるもの好きに使っていいよ」
ノンナには悪いが、本当に起きたてなので頭を覚醒させないとボロが出る。
それに身だしなみも整えたいからな
「はい。すいません」
「いいよ、気にしなくて。ちょっと待っててね」
ユキがシャワーを浴びに行ってしまったため、一人になってしまいました。
ただ今日は珍しくユキの部屋が空いていました。暇だったこともあり好奇心から部屋に入りました。
ユキの部屋に入ったことは何度かありますが、ゆっくり見たことがありませんでした。
入ってすぐに目に入ったのは、机の上に開いたまま置いてあった大量のノート。
珍しい。普段のユキは整理整頓がきちんとしていたので、ちょっと驚きです。
中身を見ると数字がたくさん書いてあります。…………私には内容が分かりませんが、他の数字に比べて大きく書いてある数字には見覚えがあります。
これは宝くじの番号…………どういうことですか?
丁度シャワーの水の音が止まります。
これについても聞かなくてはいけませんね。
「ごめんな、待たせて。それで今日は何の用?」
「……この間の宝くじが当たっていました。何の偶然か、一千万円」
「おお、凄いな。良かったなノンナ」
当たることを知らなかったように驚くユキ。
私も先程のノートを見なかったら、きっとそのままこのお金について話をしていたと思います。
「……ユキは偶然と言いたいのですね?」
「宝くじなんて物に必然なんてあるのか?運のいい人、普段の行いが良い人が当たる、それだけだと思うんだが?ま、普段の行いが良いからノンナは当たったんだな」
ユキはあくまでもしらを切るつもりみたいです
「……では、ユキの部屋にあった大量のノートはなんですか?」
「っ!?部屋に入ったの?」
珍しく動揺した顔を見せるユキ
「すいません、空いていたので入ってしまいました」
「…………いや、空けておいた俺が悪い」
ユキは失敗したな、っと呟きながら頭をかく。
「正直に話すと、当たる可能性が凄く高かっただけだ。当たるかな?って言うぐらい」
「そうですか……」
「ま、でも良いじゃん、これでノンナはお金から解放される。これで全て良し!」
「ですが―――」
「気にするな。俺がノンナと対等な立場になりたかっただけだ」
ユキはニコッと笑うと私の頭に手を置き、頭を優しく撫でます。
…………結局全てユキが解決してしまいました。
ユキは凄いです。無理難題も解決して皆を幸せにしてしまう。まさにヒーローのようです。
そしてやっと一つ、大事なことに気づきました。
私は、西住雪穂の隣にずっと居たいと言うことに。
ユキが幸せになるらなら他の誰かと付き合っても良いと思っていましたが…………他の誰がユキの隣で笑ってることを考えたら、胸が締め付けられます。
ユキは、私がこんな気持ちを抱いてると知ったらどう思うんでしょうね?
「そういえばノンナ、朝御飯食べた?」
「いえ、まだです」
「じゃあ一緒に食べようか?」
「はい」
雪穂、こんなに重い女ですが貴方の側に私は居ても良いですよね?
「西住くん!ずっと前から好きでした!よ、良かったら私と付き合ってください!」
「……ごめんなさい、先輩とはお付き合い出来ません」
「そっか……ありがとう西住くん」
目に涙を貯めながら去っていく三年の先輩。
俺に取ってはあまり嬉しくない時期がきた。
卒業式。三年生が卒業し、学校から居なくなる。
先輩が居なくなるのが寂しいというのもあるが、この時期になると思い残しがないように、あまり関係のない人たちがたくさん告白してくる。
せっかく勇気を出して告白してきてくれたのに断るのは……なかなか精神的にくるものがある。
卒業式まであと一週間、告白する人が多くなってきて少し滅入り始めた。
「大丈夫ですか?」
「ああ、大丈夫。心配してくれてありがとうなノンナ」
「西住くん!またお客さんだよ」
「あ、分かった!じゃあまた後でなノンナ」
そういえば最近、ノンナと喋ってる時間……少ないな
「今日から休みだからって羽を伸ばし過ぎないでね。解散」
卒業式が無事に終わり、プラウダ校は春休みに入ろうとしています。
ユキは告白の嵐をなんとか耐え抜いてちょっとホットしています。
結局何人の告白を断ったのでしょうね
「ノンナ、この後用事あるか?」
皆が帰宅為の準備をする中、ユキが私の席にまで来てます。
「ありませんけど」
「じゃあ俺と陸に行かないか?」
ああ、そういえばユキはまだ陸に上がったことがないんですよね。学園艦が陸に来てもユキは学園に残ってますし、長い休みは実家に帰ってますから私に案内してほしい所でもあるんでしょうね
「別に構いませんよ。行きたい場所でもあるんですか?」
「いや、特にないよ。ノンナと出掛けたいだけ」
「えっ……」
私と出掛けたいため?
いや、カチューシャもいるお出かけかも―――
「あ、先に言っておくけどカチューシャとか他の人は居ないよ」
じゃあこれは正真正銘の……
「簡単に言うと―――俺とデートしないか?」
先輩たちからの告白を断った後に私をデートに誘うということは…………そういうことを期待していいんでしょうか?
「喜んで」
ユキから差し出してくれてた手を取り、立ち上がります。
「じゃあ行こうか」
ユキは立ち上がった私の手を自分の手と繋ぎ歩き出す。
ちょ、ちょっと待ってくださいユキ
「ユ、ユキ、ここは学校の中ですよ?」
「分かってるけど」
それが何と言わんばかりに首を傾けるユキ
……廊下なんかで手を繋いで歩いていたら噂されますよ
「ちなみに俺は相手がノンナなら別に付き合ってるとか噂されても構わないよ。……ノンナは嫌か?」
「いいえ、 私もユキなら構いません」
ユキが問題ないなら私に問題があるわけありません。
「デートって言っておきながらこの辺が全く分からないので、ノンナさん案内お願いします」
そういって頭を下げるユキ
大丈夫ですよ、初めての人にそこまで求めていないですから
「ユキはどこに行きたいのですか?」
「そうだな…………ノンナの好きな場所に行きたいな」
「私の好きな場所ですか……?」
「それか行きたい場所でもいいよ」
「ユキの行きたい場所じゃなくて良いのですか?」
ユキが誘ってくれたのに私の好きな場所にしか行かなくていいのでしょうか?
「行きたい場所は一ヶ所あるけどまだ時間じゃないから。それにノンナがどういうのが好きなのか知りたいから」
「ユキがそういうのなら……」
私の好きな場所ですか…………ユキも楽しめる場所が良いですよね
「では、あそこに行きましょう」
「了解」
再びユキの方から手を繋ぐと歩き出します。
……やっぱりちょっと恥ずかしいです
「疲れた?」
「いえ、大丈夫です」
最初に町にある商店街を食べ歩きをし、続いてデパートで服や雑貨を見て歩き、今は飲食店でご飯を食べて休憩しています。
「まさかあんなに美味しいパン屋があるとは思わなかった」
「昔はよくカチューシャと一緒に食べに行きました」
二人の姿が思い浮かぶよと微笑むユキ
「そういえば二人は幼稚園からのずっと一緒なんだよね?」
「はい、幼稚園からずっと一緒ですよ。プラウダ校に入るまではクラスも一緒でした。会った時からカチューシャとは長い付き合いになると感じていました」
「良かったな、そんな大事な友達と早くから会えて」
「はい、そのことは神様に感謝しています。出会いで言えば雪穂に会えたのも、カチューシャと同じくらい感謝してます」
「っ!……そ、そうか」
ユキは驚くと顔を真っ赤にして私の顔から目を剃らします。
ちょっと意地悪したくなりますね
「ユキ、こっちを見てください」
「……なんで」
「ユキとおしゃべりしたいからです」
「……顔を見なくても喋れるよ」
「ユキはいつも顔を見て喋ってくれてます。……私の顔は見たくないですか?」
「そんなことはない」
「じゃあいつも通り、顔を見て話してください」
「っ…………わかった」
ゆっくり顔を私の方を向けたユキに笑顔で返します。
すると更に顔を赤くするユキ
「…………ノンナ、わざとやってるでしょ?」
「はい、ユキの反応が可愛かったので」
「……そういうのはノンナだけで充分だよ」
いつもはユキが私の頭を撫でてくれてますけど、今日は私がしても良いですよね
「……なんでいつもより立場が逆なんだ?」
「駄目ですか?」
「…………たまになら良いかもね」
こちらの立場もはまりそうです。
カチューシャを愛でるようで楽しいです。
「あ、ノンナ、行きたい場所がある」
時計を確認したユキが私に告げてくる。
「最初に言ってた場所ですか?」
「そうだよ」
「どこに行きたいですか?」
「それは内緒。ここだけは道も調べておいたから」
ユキが唯一行きたいと言った場所。初めての土地で道まで調べて行きたい場所…………とても気になります。
「ここは…………」
ユキに案内されて着いた場所は……私とカチューシャが初めて会った夕日が綺麗に見える丘。
「カチューシャに教えてもらった。ノンナにとって大事な場所、大事な出会いの場所だって聞いて」
確かに私にとってはとても大事な場所。
カチューシャと初めて会った場所
カチューシャと初めてケンカした場所
カチューシャと親友になった場所
私の大事な思いでが詰まってる場所
「ノンナの大事な思い出が詰まってるのを知ってから今日ここに来た」
真剣な顔をして私の顔を見つめるユキ
…………ここまで来たユキが何をするのか、もう分かります。
「もう、ここまで来たら何するか分かってると思うから先に言っておく。断っても、ノンナが良ければだけど、これからも大事な友達でいたい。でも俺はノンナとその先に行きたい。だから―――」
「俺はノンナという女性が好きです。俺と付き合ってください」
ニコッと笑ったユキが右手を私の方に差し出します。
ユキは私が断っても、この場所での思いでが傷つかないように逃げ道を作ってくれた。
……ユキは気を使いすぎですよ
私がどれだけ貴方のことを思っていたと思います?
答えなんて一つ以外あるわけないじゃないですか
「雪穂」
一言、彼の名前を呼び、彼の右手を握り、彼の唇に自分の唇を重ねます。
そして少し名残惜しいですが唇を離して雪穂の顔を見ます。
「……私も雪穂が好きです、大好きです!」
雪穂は笑うと私をぎゅっと抱きしめます。
私も雪穂の背中に手を回して答えます。
「雪穂」
「なに?」
夕日が沈んで辺りが暗くなった道をノンナと二人で歩いている。
俺もノンナも家は学園艦にあるからな
「これからもよろしくお願いします」
「?悪いが俺の背中はノンナ以外には預けないぞ」
プラウダ校に来てからずっと決めてた。ノンナ以外に相棒は居るわけがない。
「それも嬉しいですけど、私が言っているのは戦車道ではなくて彼女としてですよ」
頬を赤くしながらもため息をつくノンナ
「それこそなんだ。ノンナが俺のことを嫌いにならない限り、別れることはないぞ
「そうですか。なら死ぬまでよろしくお願いします」
「おう。よろしくなノンナ」
恋をすると人は変わると言うが……それは本当かもしれない。
彼女になったノンナは
―――前よりも可愛く、綺麗に見える。
読んでいただきありがとうございます!
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最後にミカさん、お誕生日おめでとう!