復讐者は足を止めない   作:廉造

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第2話

 

オーガに酷似した怪物の群れを蹴散らし、歩き続け一時間程経った頃である。

 

 

道の先に村を発見した。

 

 

 

「アゼムさん!村ですよ!」

 

「見ればわかる...住民がいれば話を通しお前もここに置いていく」

 

「ええー...まだ一緒にいたいですー!」

 

 

サリアは駄々こねているがアゼムはそれを無視し村へ入る

 

ーーー瞬間、足を止める。

 

 

 

 

「? どうかしました?」

 

「サリア。さっきの話は無しだ。見てみろ」

 

 

そう言われサリアは村を見渡す。少し小さな村であるが住民....人のようだが耳が長く尖っているためエルフかそれに近い亜人だろうが、変わっているのはそれだけで特に異変は無さそう.....

 

 

「あれ?」

 

サリアは気づく。このエルフ(仮称)の住民達....何故かその場から一歩も動かない。それどころか、『まるで生気を感じられない目』をしていた。

 

 

 

「..........」

 

 

「アゼムさん、この人たち....どうしたの...?」

 

「魂を抜かれているな。もう死人同然..いや死人そのものだな」

 

 

 

間違いない。この村の住民の魂を抜いた何か......ソイツこそがアゼムがこの世界に来た目的にして倒す目標....

 

ガタッ

 

 

ふと近くにで物音がしたのでアゼムは刀を抜き出しその音がした方....一件の民家へ剣先を向ける。

 

 

 

「ア、アゼムさん....!」

 

「下がっていろ。すぐに終わらせる」

 

 

 

 

 

アゼムはサリアを自身の後ろへ隠し、物音のした民家に向けて斬撃を放った。

 

 

(ええー!)

 

これには幼いサリアちゃんもびっくり。

 

 

「あ、アゼムさん....普通こういう場面ってまず中を調べるんじゃ?」

 

「生憎そんな手間をかかす暇はない

 

 

.....ん?」

 

 

 

 

アゼムは自らが破壊した民家の残骸の中からあるものを発見する。

 

それは周りの住民と同じ耳が尖ったエルフの女性だった。一瞬死体かと思ったが....

 

 

 

「....うぅ..」

 

 

うめき声を上げた。魂を抜かれたら者はこんな事を発する訳がない。つまり

 

「生存者か」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「...う、うう....?ここ....は....。私は....何を...」

 

 

「どうやら目が覚めたようだな」

 

「!!」

 

 

 

突如聞き覚えのない男の声を聞きハッとなってエルフの女性は勢いよく起き上がり警戒する。

 

 

「そんなに怯えるな....気絶していたお前を介抱してやったんだぞ...?」

 

「気絶した原因、アゼムさんのような気がするけどね」

 

「....それもそうだったな」

 

 

「....あ、あなた達....ダレ?」

 

「起きたばかりだから知らないだろうな。

 

 

おれはアゼム。この子供はサリア」

 

「よろしくね、お姉さん!」

 

 

「....わ、私は....ルカ....」

 

「ルカ、か。ではルカ。早速だが聞かせて貰おう。お前の村で何があった?

 

おれはたまたまここにたどり着いだのだが、来た時に死人しかいなかったのだが」

 

 

アゼムのいきなりの問いにエルフの女性 ルカは一瞬息を止める。そして表情が蒼白し怯えるように体が小刻みに震えだした。

 

 

「ルカお姉さん、大丈夫...?」

 

「言いたくないのであれば言わなくてもいいが」

 

 

アゼムはそう言ったが、ルカは口を開いた

 

「....私達の村は....選ばれた」

 

 

「選ばれた?」

 

「そう。この世界を支配する...『暗黒樹』の餌に」

 

「暗黒樹....」

 

 

 

 

 

ルカの話によれば

 

 

この世界は『生命樹』なる巨大な樹の恩恵を受けて創られたという。そういうことでこの世界の住民達からしてみれば生命樹は神にして母に値する存在。

 

いや、実際神なのだろう。生命樹は人だけでなく動植物達....あらゆる万物から自分に向けられる信仰を受け力を蓄えその蓄積された力を大地に注ぎ世界を安定させていた。

 

 

 

 

しかしある時...『空間に亀裂ができ』、その亀裂から『禍々しいオーラのようなもの』が生命樹を覆ってしまった。

 

 

その結果生命樹は変わった。平穏と慈愛に満ちた生命の樹は禍々しく変化し邪悪なオーラを放ちそして同じような邪悪な自我へ目覚めた。

 

生命樹は死に、『暗黒樹』へと生まれ変わってしまった。

 

 

世界は激変した。暗黒樹から生まれ落ちた闇の魔物達が瞬く間に世界を蹂躙し暗黒樹自身もまた生けとし生ける者の魂を貪りくらうことを快楽としゲーム感覚で世界にある村をランダムで選び選ばれた村の生命の魂を食らうようになった.....

 

 

 

 

「....なるほどな。『選ばれた』とは文字通りその暗黒樹の餌場として選ばれたという事。

 

あの村の者達の魂を奪った...いや喰らったのもその暗黒樹なるものの仕業

 

 

道中遭遇したあのオーガもその暗黒樹から生まれた化物だったのか...」

 

 

「そう....かつてはこの世界に生きる私たちの母親のような存在だった....でも変わってしまった!今ではこの世界のあらゆるモノを喰らうただの化物....!

 

何とか救おうと試みた!でもダメだった....逆に救おうとした者達....私の親友も暗黒樹に喰われた!もう私たちは喰われるのを待つ家畜....!!

 

う、うう....!!」

 

「...ルカお姉さん...」

 

 

 

「....泣き崩れている所悪いがね。案内してくれるか

 

その暗黒樹のところへな」

 

 

「....!?あ、あなた何を言ってるの....?まさか....!?」

 

「ああ。そのまさかだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その暗黒樹....おれが刈り取ってやる」

 

 

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