第5護衛隊群出撃録 〜17 wake till the end〜   作:しがみの

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どうも。お久しぶりです。Aobaです。次回からは作風を少し変えてみたいと思います。


第10話 合流

「横須賀鎮守府第7艦隊より発光信号!!!『本艦隊は貴艦隊を第2水雷戦隊と共に東京湾まで護衛する。』です!!!」

 

「分かった。こちらからも発光信号を。「了解した。護衛に感謝する。」と。」

 

ウイング要員から発光信号の内容を聞いた沖波司令は、そう言った。

 

「了解しました!!!」

 

ウイング要員は、沖波司令の言った事にそう答えると、ウイングに戻って行き、探照灯で発光信号を第7艦隊に送った。気がつくと、第7艦隊だけでなく、第2水雷戦隊も合流して、第5護衛隊群の護衛についていたようだった。

 

 

 

『艦橋、CIC。水上レーダー探知!!!隻数6、方位右160度、距離3マイル!!!第15護衛隊の様です!!!』

 

「第15護衛隊!?横須賀の!?」

 

急にCICから第15護衛隊を発見したという知らせが届いたため、沖波司令は、驚きの声をあげた。

 

『はい。』

 

「見間違えとかは?」

 

『ちゃんとモニターにも第15護衛隊の全艦が表示されています。』

 

沖波司令は、夢かと思い、CICに再度確認したり、頬をつねったした。が、やっぱり夢ではなかった。

 

「司令、どうされますか?」

 

「船務士。「合流せよ。」と第15護衛隊に連絡。繋がるまで何度も繰り返せ。ウイング要員。護衛中の第7艦隊と、第2水雷戦隊に発光信号を。「僚艦と合流する為停船する」と。」

 

船務士が沖波司令に聞くと、暫く腕を組んでから、こう言った。

 

「「はっ!!!」」

 

 

 

 

 

 

同刻、第15護衛隊のしぐれ、たま、むつき、あおば、そして、第15護衛隊に合流した護衛艦きさらぎと輸送艦いらごは、霧の中を進んでいた。

 

「あー。暇だー。」

 

そう言いながら〝たま〟艦橋内にある黄色のカバーで覆われた艦長席に座り、自分自身の黒髪ロングの髪を靡かせながら椅子をくるくる回している女性のは、艦長の阿賀野(あがの)善子(よしこ)である。色々あって〝たま〟クルー達から「ダラ司令」と呼ばれているのだ。

 

「何が「暇だー」ですか。ダラ司令。我々第15護衛隊を除いて全艦行方不明、さらに全ての探知システム、制御システムが障害を起こして、制御不能なんですよ?第1護衛隊も、在日米海軍艦隊も、横須賀も、防衛省(市ヶ谷)とも通信出来ません。多分、どこか別世界に来たみたいなようですね。」

 

若干呆れながらそう言った男性は、この〝たま〟副長兼航海長野上(のがみ)(やす)2等海佐である。

 

「いーじゃん。どこにも属さないことは、私たちは自由なんだよ!!!」

 

「いやいや、普通信じますか?別世界なんて。私は冗談で言ったつもりだったんですが・・・。」

 

「私は信じるよー。だって司令席で〝たま〟が寝てるんだもん。」

 

阿賀野艦長が指さした先には、司令席があり、そこにはこの護衛艦〝たま〟の艦魂から出来た艦娘、〝たま〟がスヤスヤと寝ていた。

 

「はー・・・。〝たま〟が居ても、私は別世界なんて信じま・・・

って、ダラ司令!!!艦長席でVitaやらないでください!!!」

 

野上2佐は、司令席に座っているたまを見た後、艦長席を見ると、阿賀野艦長が艦長席に座りながらVitaでゲームをやっていた。

 

「いーじゃん。減るもんじゃないし。」

 

「そういう問題じゃありません!!!没収です!!!」

 

「えー。副長酷いー。良いじゃんSAOやってもー。」

 

野上2佐が注意したが、阿賀野艦長はゲームを一向にやめようとしないので、野上2佐は阿賀野艦長のVitaを取り上げた。すると、阿賀野艦長は不機嫌そうに野上2佐に講義してきた。

 

「はいはい。ダラ司令。ワガママ言わないで下さい。今度やったらこれをウイングから海に投げ捨てますよ?」

 

「えー。」

 

阿賀野艦長は頬を膨らませながら言った。野上2佐は大変だ。

 

「まあ、とにかく、ここがどこかつきとめましょうよ。」

 

「へーい。」

 

野上2佐の呼びかけに阿賀野艦長はやる気のない声で答えた。これでも艦長である。

 

「CIC、艦橋。水上レーダーに何かを探知したら直ぐに知らせてくれ。」

 

『了解。』

 

「まあ、のんびり見つけよー。」

 

野上2佐がCICに呼びかけると、阿賀野艦長はまた椅子を回し始めた。野上2佐の胃が痛くなるのも時間の問題だ。

 

 

 

 

『艦橋、CIC!!!各種計器回復!!!水上レーダー探知!!!左20度、距離5マイル!!!大艦隊の様です。隻数20を超過。』

 

野上2佐が阿賀野艦長を呆れながら見ていた時、CICから急に連絡が来た。

 

「自衛隊バンドと、米軍バンドで確認せよ。」

 

『!!!目標からのSIF、半数のみ応答あり。行方不明中の第5護衛隊群8隻と同行中の3隻です!!!』

 

「え?行方不明中の護衛艦が?え?なぜ!?」

 

SIFで不明艦隊を調べると、11隻が行方不明中の護衛艦だったので、野上2佐は少し混乱し始めた。

 

「船務士。通信機器は使える?」

 

「はい。」

 

阿賀野艦長は、作業帽を深く被ると、船務士に通信機器が使えるかどうか確認をした。

 

「第5護衛隊群8隻と同行中の3隻に無線を。合流すると伝えて。」

 

「はっ!!!」

 

野上2佐が右往左往していたが、阿賀野艦長は迷わず指示を出す。

 

『艦橋、電信室!!!待ってください!!!第5護衛隊群から通信が!!!』

 

「内容は?」

 

『はっ。読み上げます。『こちらは第5護衛隊群旗艦〝しょうかく〟。本艦隊は暫く現位置に停船する。貴艦隊は速やかに本艦隊と合流せよ。なお、現在本艦隊は横須賀鎮守府第7艦隊、第2水雷戦隊から護衛をして貰っている。衝突せぬ様、注意されたし。』以上です。』

 

「そう。まあ、合流しよー。副長ー。あと頼むー。私寝る。」

 

その無線内容を聞いた阿賀野艦長は、艦長席に深く腰掛け、野上2佐にそう言った。

 

「え?ちょっと、ダラ司令!!!何言ってるんですか!?寝るって!?」

 

「おやすみー。」

 

「寝るなぁぁぁ!!!」

 

野上2佐が寝てしまった阿賀野艦長にそう叫んだ時、艦橋内の至るところから小さな笑い声が聞こえる。今日もこの護衛艦は平和である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「1番後尾艦の〝おぼろ〟までの距離3000。」

 

「両舷停止。」

 

「両舷停ー止!!!」

 

ウイング要員からの報告で、副長が指示を出す。その指示で、速力通信士が速力通信機のボタンを押し、〝たま〟は停船した。

 

 

『こちら旗艦〝しょうかく〟。08:30より第5護衛隊群と第15護衛隊、横須賀鎮守府第7艦隊、第2水雷戦隊の全艦は横須賀に向かう。全艦、追艦距離を4000ヤードをとれ。以上です。』

 

「前方の〝おぼろ〟との、距離3800。」

 

「両舷前進微速。」

 

「両舷前進微速ー。」

 

旗艦〝しょうかく〟からの通達を元に〝たま〟は、前方艦の〝おぼろ〟との距離を置き、ゆっくりとガスタービンの音を鳴らしながら動き出す。

 

 

「前方の〝おぼろ〟との距離、3900になりました。」

 

「両舷前進強速。」

 

「両舷前進強速ー!!!」

 

前方にいる〝おぼろ〟との距離が充分に開くと、野上2佐が指示を出し、〝たま〟が横須賀に向けて速力を上げた。大艦隊が少しずつ横須賀に向けて進み始めた。

 

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