第5護衛隊群出撃録 〜17 wake till the end〜   作:しがみの

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どうも。Aobaです。設定の都合上、一部艦の艦番号、並びに護衛隊司令部の1部を変更致しました。
あおば型ミサイル搭載護衛艦
あおば DDG-169→DDG-166
きぬがさ DDG-170→DDG-167
ふるたか DDG-171→DDG168
あかぎ DDG-172→DDG169

第15護衛隊
司令部:横須賀基地→舞鶴基地


第12話◆ 会談前

「驚いたな・・・。まさか横須賀鎮守府の司令官、しかも将官クラスが秘書艦しか連れずに乗り込んでくるとは・・・。」

 

秋津艦長はそう呟きながら〝しょうかく〟の右ウイングから双眼鏡で近づいてくるタグボートをじっと見ていた。

 

 

 

 

その頃、〝しょうかく〟格納庫には、護衛艦〝むつき〟艦長の高月(たかつき)(おぼろ)2等海佐、艦長が病欠の為代わりに来た護衛艦〝あおば〟副長兼砲雷長の白河(しらかわ) (うしお)2等海佐、旗艦〝しょうかく〟副長の漣、〝あけぼの〟副長の曙、同艦医務長の大垣、5群司令の沖波の計6人が輪になって居た。

 

「各員、始めての経験で浮き足立っている。いつ沈むか分からない、しかも二度と戻れないという不安からよ。この状況で新たな戦闘が起きたら危険よ。」

 

潮が腕を組み、大きい胸を強調するような体制でそう言うと、沖波司令は納得する様な少し低いトーンで言い始めた。

 

「〝あやなみ〟と〝あけぼの〟、〝さざなみ〟各艦の砲雷長の独断でのSSM発射はその兆しか・・・。」

 

「そうです。今回は凌いだが、次はどうなるか・・・。手を打つのは会談前の今しかありません。日が経つにつれて選択肢は少なくなります。」

 

「分かってる。しかし、柳原(武整長)が発端で飛龍にこの世界がゲームの世界だと教えてしまった。」

 

「放っておけないですね。そこまで知られたら。」

 

「彼女の着ていた服を調べたけど、内側の胸ポケットに提督とのツーショット写真が入ってた。更に彼女の指には指輪がしてあった。つまり、飛龍は提督と絆を結んでいる。ということは、間違いなく鎮守府内では精鋭に分類されるはずよ。」

 

しばらく沖波司令と潮の会話だったのだが、途中から曙が飛龍と提督のツーショット写真を右手でヒラヒラさせながら話の中に割り込んで来た。それに対し、潮は少し怪訝な顔をしたが

 

「曙ちゃん。あの子はカバンとか持ってなかったの?」

 

と、曙に聞いたところ、曙は、抜の悪そうな顔をしながら、

「あったけど、飛龍を助けるだけで精一杯だったからね。水上機と一緒に沈めてしまったわ。」

と言ったため、潮はこいつ使えねぇと言った感じで「はーっ」と、ため息をついたあと、こう続けた。

 

「そう。つまり、最悪のケースね。カバンがあったなら、その中には報告書が入っていたかも。そうすれば彼女は、間違いなく情報のプロ。彼女は秘書艦経験もありそうだわ。もし仮にそうだとしたら本艦隊の全てを知るまで動き続けると思う。浮足立った隊員と戦闘でもされたら、艦隊内の保安は一気に・・・。」

 

潮の声のトーンがどんどん下がっていって、話している声が完全に消えてしまいそうになった時、フォローをする為なのか、漣が喋り始めた。

 

「でも、うっしー。補給や交渉の手段に飛龍を使うのも可能よ。燃料にしろ、食料にしろ、受けるとしたら日本の海軍機関でしょ。彼女は向こうとのパイプになる。」

 

「タダで与えてくれるわけないでしょ!?その時はこの世界の日本軍に協力する事になるのよ。そうなれば、確実に作品の中身にタッチしてしまうわ。私はあの世界に戻る事を諦めたくない!!!」

 

漣が飛龍を利用して補給をしようと提案すると、潮は怒鳴り気味な声で皆にそう言った。潮は国防海軍に協力した事によるこの世界の改変がバタフライ効果の様になり、次々と世界が変わっていったとしたら、元々いた現代日本に何かしら影響を与えてしまい、私達の居た日本は存在できなくなってしまう・・・、自分達も家族も消えてしまう。その事を彼女は恐れてるのだ。

 

「でも、所詮無理なのよ。こんな狭い艦内で全ての情報を遮断するなんてね・・・。完璧にやるなら、手は1つ・・・。」

 

「沖波司令、〝あけぼの〟に戻ってもよろしいですか?それと、大垣1尉。医務室の鍵を貸して。」

 

漣は手を自分自身の首に当て、情報を遮断する方法を話そうとする前に曙が沖波司令に意見を具申し、大垣1尉に医務室の鍵を貸すように言った。

 

「え?ああ。」

「あ、はい・・・。」

 

沖波司令は少し混乱しながらも承諾し、大垣1尉は鍵を手渡した。

 

「えっ!?」

「あっ!?」

「ちょっと!!!」

 

朧、漣、潮の3人は曙を止めようとしたが、曙は飛龍を助けたのは自分なので、手を出さないでと言い、格納庫から出て行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

曙は、大垣1尉から借りた鍵で〝あけぼの〟艦内の医務室の鍵を開けた。中には幹部用作業着姿の飛龍がベッドの上に暇そうに座っていた。

 

 

【挿絵表示】

 

 

「和服はどうしたの?」

 

「医務長が洗濯すると言ったから貸してもらったわ。どう?似合ってる?」

 

飛龍は、潮並み、もしくはそれ以上に大きく満ちた胸に左手を当て、ドヤ顔をしながら曙に聞いたところ、曙は飛龍が片手に持っている飛行甲板を指さし、飛行甲板がミスマッチだと答えた。

 

「杖代わりだからね。大目に見て。」

 

「じゃあ、歩けるね。来て。」

 

曙は、飛龍にそう促すと、ドアを開けた。飛龍は「外に出られるの!?することが無くて退屈だったの!!!」と言い、本当に飛行甲板を杖替わりに使い、歩き出した。曙は心中で、「艤装をもっと丁寧に扱わないのかな・・・。」と思っていたのは言うまでもない。

 

 

 

 

 

「ねえ、飛龍。」

 

曙は、艦内通路を歩き始めて直ぐに飛龍にそう問いかけた。

 

「何?」

 

「出処不明の駆逐艦〝吹雪〟がさ、呉鎮守府に着任する予定ってある?あと、呉鎮守府の秘書艦って長門?」

 

「え?ああ、うん。2週間後に着任予定の筈だったけど。それに、呉鎮の秘書艦は長門だよ。それがどうかしたの?」

 

飛龍は、曙の質問に対し、疑問に思いながらも答えた。飛龍は何故聞くのかと曙に聞くと、「いや、ちょっとね・・・。」と、言い、なかなか教えてくれなかった。そのまま2分くらい気まずい雰囲気になり、両者とも一言も話さずに艦内を歩いていた。流石にこれ以上黙っているのはヤバイと飛龍は感じ、曙に「艦内視察でもさせてくれるの?」と、無理矢理話題を作った。

 

「ま、そんな所ね。ここよ。」

 

曙は、ある場所に着くと、そこにあるドアを開けた。曙と飛龍が入っていき、ドアを閉めると、廊下は誰も居なくなった。が、直ぐに1つの人影が現れた。曙に医務室の鍵を貸した大垣1尉だ。大垣1尉は曙の行動を心配し、すぐ後ろを尾行していたのだ。

 

「ここって・・・!?」

 

影から見ていた大垣1尉はそう呟いた。そう、そこは護衛艦〝あけぼの〟の資料室だった。

 

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