第5護衛隊群出撃録 〜17 wake till the end〜 作:しがみの
※設定1の一部を修正
曙と数人が内火艇に乗って零式水偵機に近づいた。内火艇と水偵機との距離が50m程になると、内火艇は停止し、1人の自衛官が水偵機を覗き込んだ。
「操縦席が狙われたようです。蜂の巣だ・・・。パイロットは・・・、死んでいるようです。後部の少女も恐らく・・・。」
「まだ分からないわ!!!現状報告!!!」
「はっ!!!」
通信担当の自衛官がトランシーバーを出し、話し出した。
「November,This is November2.搭乗員2名のうち、パイロットの死亡を確認。後部に橙色の着物と緑の袴姿の女性が搭乗。生死不明。只今から接近し、確認します。
あっ!!!』
「どうした!?」
急に自衛官が驚き声を上げたため、それを〝あけぼの〟ウイングで聞いていた野沢艦長がトランシーバーで問いかける。
『沈み始めました!!!水密区画に浸水した模様です。あっ!!!副長!!!何を!!!』
途中から乗艦し、野沢艦長と同じウイングに居る沖波司令が不時着地点を見ると、曙が鉄帽とライフジャケットを内火艇に脱ぎ捨てて、作業着で海に飛び込んでいた。
『副長が飛び込みました!!!』
「曙2佐・・・。またやったか・・・。これで3人目だな・・・。」
内火艇に搭乗中の通信担当者から野沢艦長にトランシーバー報告している時、スピーカーから漏れてきた音声を聞いた沖波司令は若干呆れながら言った。
「状況判断を優先すべき、幹部の行為ではありません。」
「隊員以外の人命が関わると命令よりも先に身体が動く、彼女はそういう人じゃないのか?」
野沢艦長が曙の問題点を言うと、沖波司令は双眼鏡を片手に持ちながら言った。
「副長、生存者と共に浮上!!!」
「艦橋に報告。生存者1名を救助!!!」
曙は、息を切らし、脇に女性を掴みながら内火艇に寄ってきた。内火艇に上がると、自衛官から受け取ったタオルを肩から下げ、そして通信担当の自衛官からトランシーバーを受け取った。
『生存者1名を救助。』
「了解。容態を確認、報告せよ。」
ウイングで野沢艦長からトランシーバーを受け取った沖波司令はそう答えた。
『操縦者遺体、機体と共に水没。後席少女の容態は意識不明の重体。回収所持品は和弓と、飛行甲板のミニチュアらしきもの、そして、短剣です。見た目からして一般人に見えますが、水上機に搭乗していたことから、軍属だと思われます。』
「〝あけぼの〟での治療を許可する。収容せよ。」
『了解。』
曙は、沖波司令の言った事に答えながら沖波司令と野沢艦長のいる〝あけぼの〟艦橋のほうを見た。
「20・・・、いや、西暦、月日不明明朝1:02に軍属と思われる女性1名を救助。我々は踏み出してしまった。」
野沢艦長は、ウイングでそう呟きながらその様子を見ていた。
「
「入って。」
衛生長の大垣
「失礼します。」
「ご苦労。
救助した女性の容態はどうかな?」
大垣1尉は機関長の横の椅子に座ると、沖波司令が聞いてきた。
「はい、銃創等の外傷はありませんが、着水時の衝撃によるものと思われる肋骨3本の骨折の疑いと頸部捻挫、前頭部打撲、血圧が著しく低下し、脈拍が落ちています。絶対安静が必要です。医療設備があまり整っていない本艦でも大丈夫かと判断できたので、現在骨折箇所を固定し、点滴による投薬を実施しています。鎮痛剤を投与していますので、意識が戻るまで時間がかかると思われます。」
「では、全治まで1ヶ月以上は必要だな・・・。」
大垣1尉が言ったことに野沢艦長はそう答えると、大垣1尉は
「はい、2ヶ月と判断します。」
と、答えた。
「では、本題に移ろう。現在君が管理している医務室の個室だが、あの女性の為に使いたい。」
「はい。では、あの部屋の私物を・・・」
「一切合切撤去して欲しい。新聞、雑誌、漫画、ゲーム、パソコンに至るまで全てよ。あの女性が回復する間、本艦隊、並びに乗員の状況を一切与えたくないのだ。当然、接触する乗組員は大垣1尉、君のみよ。」
少し疑問気味に大垣1尉が提案してきた沖波司令に聞くと、代弁するかのように曙がそう答えた。
「軟禁しろ。と、おっしゃるのですか。」
「あの女性は軍属、しかも、今の時代が分からないし、戦時下かも知れない。当然の処置よ。」
「分かりました。では、今から作業に移ります。」
大垣1尉がそう答えたあと、直ぐに立ち上がり、医務室に行こうとしたが、その時、沖波司令が彼を呼び止めた。
「すまんな。面倒な事を押し付けてしまって。」
「いえ、全然。私も少し刺激が欲しいところでしたから。」
沖波司令は申し訳無さそうに言ったが、大垣1尉は笑顔で答え、士官室を後にした。
「無理無理。2ヶ月なんて。艦内全ての情報を遮断なんて出来っこない。それよりも、お互いが情報を出し合って、必要な情報を貰っちゃえばいいんですよ。バンバン。」
「この艦隊の能力を知られたら、あの女性を返せなくなるぞ。もし返す時になったらどうするつもりだ?」
「・・・。」
〝あけぼの〟船務長がそうみんなに言うと、沖波司令がきつく言ったので、船務長は黙った。
「(目覚めたら別世界の船の中か・・・。夢にも思わないだろうな・・・。)」
大垣1尉は、そう考えながら艦内の通路を歩いていると、目的地の医務室の入口にはピンクとパープル色の中間みたいな色の髪をシュシュでまとめているポニーテールの女子が1人、立っていた。彼女は〝あけぼの〟飛行長でもあり、大垣の同期でもあり、さらに大垣の幼なじみでもある
「あ、大垣、ちょっと酔ってしまって・・・。アスピリンでも・・・。」
「アンタこの艦に配属されて半年以上は経ってるだろ?なのに今更船酔いなんておかしいだろ。上甲板に出て潮風にでも当たってこい。」
「通常の空母艦娘がどんな感じなのか、1枚だけ!!!寝てるところを1枚だけ撮ってもいいですよね!?」
大垣1尉が冷たく接すると、青葉3佐は両手を合わせて頼んで来た。
「ウロチョロしてっと、そのカメラごと海に放り込んで、サメの餌にするぞ。このパパラッチチビ巨乳。」
「そんな殺生な・・・。てゆーか、青葉に対する悪口混じってない!?」
大垣1尉は呆れながら言うと、青葉3佐は悲しそうな顔をして大垣1尉に抱きついた。
「艦長命令なんだよ。面会謝絶!!!」
大垣1尉は鍵をすぐに開け、青葉3佐を身体から引き離すと、直ぐにドアと鍵を閉めた。
大垣1尉が一息付き、ベッドの上で寝ている女性を見ると、その女性は、目を開けていた。
「(意識が戻った・・・?)」
女性は、大垣1尉の姿を見ると、問いかけ始めた。
「こ、ここは何処?天国・・・でもない。じゃあ地獄?」
「それも違う。君は生きてるよ。今は何も考えないで寝てて。・・・。」
大垣1尉はそう言いながら個室に向かって行った。
「この揺れ・・・、船の中ね・・・。
私は・・・、私は生きている。」
大垣1尉がドアノブに手を掛けながらその女性の顔を見ると、涙を流していた。
それを見た大垣1尉は個室に入り、深呼吸を1回した。
「初恋の人じゃないのにドギマギしちゃダメだ。今すぐ作業しないと・・・。」
大垣1尉はそう独り言を言いながら倉庫のような状態になっていた医務室直結の個室の整理をしていると、医務室からドアが開く音がした。怪しんだ大垣1尉がこっそり個室から医務室をのぞくと、通路に続くドアが開いており、ベッドに寝ていたはずの女性が消えていた。
アンケートをとっています。新キャラを出します。その女性の本気モードの時の喋り方以下から決めて欲しいです。沖縄弁、博多弁、宮崎弁、大阪弁、京都弁、津軽弁の中から選んでください。締切は11月30日までです。あ、性格や見た目、声は某軽巡のだらしないネームシップです。