第5護衛隊群出撃録 〜17 wake till the end〜   作:しがみの

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ども。Aobaです。職質っておっかないですよね。


第8話 漂流者

「消えた?どういうこと?」

 

曙は驚きながら艦内電話で通じている大垣1尉に言った。

 

『私物の整理で目を離したすきに・・・。飛行甲板らしきものと弓、着物、短剣を持って出たようです。』

 

曙はその言葉を聞くと、受話器の送話口に手を被せ、沖波司令の方を向き、言った。

 

「司令、収容していた女性が脱走しました!!!」

 

「意識が・・・、回復したのか・・・?」

 

船務長が驚きながら言った。

 

「短剣は早めに処分すべきだったな・・・。自決という手段もありえる。」

 

野沢艦長がそう答えると、曙は、艦内電話のフックを下げ、ボタンを押した。

 

「CIC。全区画のモニターをチェックして。脱走した負傷者が彷徨いている。」

 

曙は、そう言うと、もう1回フックを下げ、艦内電話を艦内スピーカーに繋いだ。

 

『達する。全乗員に告ぐ。短剣を持った負傷者が移動中。接触は避けよ!!!』

 

「とっ捕まえてきます!!!」

 

曙は受話器をフックに置き、通路に飛び出した。砲雷長もそれに続く。

 

「副長、士官室から拳銃を取ってきますか?」

 

「そんな物要らないわ。相手は怪我人よ。ラッタルを登る力も無い。この甲板の何処かにいるわ。」

 

曙と相模が艦内を走っていると、上甲板に繋がる扉の前に大垣1尉が立っていた。

 

 

 

「副長。」

 

「見つけた?」

 

「はい。あそこです。」

 

大垣1尉が指を指した方向を見ると、フェンスに片手をつき、護衛艦〝しょうかく〟や〝あやなみ〟を眺めていた女性がいた。

 

 

 

「この艦隊の艦は美しい・・・。帝国海軍のものでも無いし、国防海軍の物でも、深海棲艦でもない。」

 

「急死に一生を得た身で何をする気?」

 

「このまま横須賀まで泳いで任務を遂行します。力尽きたら諦め、そのまま沈みます。」

 

曙が問いかけると、女性はずっと艦隊の艦ばかり見ていたが、呟くように言った。

 

「貴女を救助したのはこの人だぞ。1人で飛び込んで・・・。」

 

大垣1尉が女性にそう言うと、女性は驚きながら曙を見た。

 

「のつもりだったんですけど、潮風に当たったら思い出しました。艦娘でありながら泳ぎが苦手だった事を・・・。ははっ・・・。」

 

女性はそう言いながら少し笑うと、曙の方を見た。

 

「この艦隊の所属と航行目的を教えてください。」

 

「残念だけど、無理よ。何の為にここに存在し、何処に向かうべきなのか、私達も知りたいの。」

 

女性の問いかけに対し、曙はそう答えると、女性は

 

「じゃあ、味方ですか?それとも敵ですか?」

 

と、尋ねた。

 

「ただ一つだけ答えられるのは、私は日本人という事よ。私は曙 祐希。」

 

曙がそう答えると、女性は身体を曙の方に完全に向けた。

 

「航空母艦、飛龍です。助けていただき、ありがとうございます。」

 

その女性、飛龍はそう言うと、曙に一礼した。

 

 

 

 

 

 

「航空母艦 飛龍か・・・。そう名乗った・・・。ん。ご苦労。もうすぐでIFポイントだ。その場で待機していてくれ。」

 

CICに居る野沢艦長は艦内電話で曙達に指示を出し、受話器をフックに置いた。

 

「何が起こるかな・・・。来た時の異様な低気圧は観測されていない・・・。元の世界に戻ったら、1横須賀に帰投した艦隊が消え、艦娘達にも何らかの変調があるかも知れない。」

 

野沢艦長の横にいる第15護衛隊司令の城里(しろさと)(かすみ)海将補がそう言った。その後、野沢艦長が時計で時間を確認すると、

 

「よし、両舷停止。主機も停止せよ。」

 

と言った。すると、〝あけぼの〟はゆっくり、ゆっくりと停船した。〝あけぼの〟だけでなく、〝しょうかく〟などの全艦も・・・。

 

 

 

 

 

「ん?止まった・・・まま?」

 

飛龍は止まった艦隊を見渡す。

 

「これが何を意味しているの?」

 

曙や大垣1尉、砲雷長は月を眺めている。飛龍も月を眺めるが、何も起こらず、なぜ眺めているのかと、疑問に思うだけだった。

 

 

 

 

 

5分すると、艦内が騒がしくなり始め、10人くらいの自衛官と、護衛艦〝あけぼの〟の艦娘、〝あけぼの〟が艦内から上甲板に出て来て、月を見た。

 

「何故、何故何も起こらん!!!雲はどうした!!!低気圧は来ないのか!?」

 

武整長の柳原1尉は月に向かってそう叫んでからあることに気づいた。

 

「来た時と何かが違うんだ・・・。」

 

「何が?武整長。」

 

柳原がそう呟くと、あけぼのは柳原に尋ねる。

 

「アイツだよ。あの艦娘は、来る時には居なかった!!!条件が違うんだ!!!だから俺達は入口に入れないんだ!!!」

 

あけぼのに尋ねられた柳原は飛龍を指さしながら叫んだ。

 

「でも、人間ひとりで・・・。」

 

「それ以外考えられるか?俺達がここに居るのは何かの間違いなんだよ。」

 

あけぼのがそう言うと、柳原はあけぼのとは否定的な意見を言った。

 

「どうしたの柳原。非番なら自室に帰りなさい。休むのも仕事のうちよ。」

 

曙は飛龍に指さしている柳原の前にそう言いながら出る。

 

「その前に、その女性に話があるんです。」

 

「何言ってるんだ。この人は重病人。艦長命令で面会謝絶だぞ。」

 

「艦長と副長の命令が聞けないのは誰?あ?」

 

柳原が曙を避けて飛龍に近づこうとすると、大垣1尉、砲雷長が曙の後ろの進路を塞いだ。

 

「良いでしょう。聞きます。」

 

飛龍はそう言いながら柳原に近づいた。

 

 

 

 

「ああ。言ってやる!!!アンタは俺達の世界には存在しない、ただの〝艦これ〟の世界の中にいる軍艦をモデルにした架空のキャラクターで、しかも、あのまま死んでいるハズの架空の人間なんだ!!!」

 

「艦これ・・・、架空・・・?」

 

飛龍は柳原が叫びながら言ったことを聞いたのだが、内容が分からず、頭を傾げた。しかし、言ってはいけない事だったと言うのは分かった。それは・・・、

 

「止すのよ柳原!!!」

 

柳原は曙に胸ぐらを掴まれたからだ。

 

「だってそうじゃないですか!!!この世界に本艦隊は居なかった。あんたが生きているのが何かの間違いなんだ!!!あんたが居るせいで俺達は戻れないんだ!!!」

 

柳原は飛龍に向かってそう叫んだ。

 

「貴方達は確かに日本人だけど、提督と同じ、日本人ではない。この艦隊の艦は、帝国海軍の物でも、深海棲艦の物でも、国防海軍の物でもないわ。別種の精神から作り出された物よ。貴方達はどこから来た日本人なの?」

 

柳原の叫んだ事を聞いていた飛龍は曙にそう尋ねる。

 

「それを聞いて貴女は信じるの?」

 

「信じるも何も、今この状態で信じるしかないでしょ?」

 

飛龍がそう言うと、曙は、胸に手を当て

 

「私は・・・

 

 

 

別世界の、しかも、深海棲艦のいない21世紀の日本からやって来たのよ。」

 

と、答えた。

 

 

 

 

 

「深海棲艦のいない世界にも、日本があるのね・・・。」

 

「ええ。」

 

曙は、飛龍に自信満々にそう言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

メガネをかけている重巡の艦娘が島影から見えた艦隊があった。それは空母を中心とした輪形陣の艦隊、第5護衛隊群だ。

 

「あれ?あんな所に艦隊が・・・。しかも、見たことの無い艦種ね・・・。一応、攻撃準備だけして近づきましょう。」

 

その艦娘は僚艦の艦娘達を連れて、第5護衛隊群にどんどん近づいていった。




アンケートを取っています。新キャラを出します。その女性の本気モードの時の喋り方以下から決めて欲しいです。沖縄弁、博多弁、宮崎弁、大阪弁、京都弁、津軽弁の中から選んでください。締切は11月30日までです。あ、性格や見た目、声は某軽巡のだらしないネームシップです。
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