ここはどこだろう────。
僕が目覚めて最初に思ったことがこれだ。
見渡す限りの竹林、これだと方向感覚を失ってしまいそうだ。
「おっ、目が覚めたか」
僕に声をかけてきたのは白髪の紅い目をした女の子だった。細身ではあるがそこに貧弱というものは感じられない。とりあえずこの人にいろいろ聞いてみようと思う。
「えっと…こんなに竹林があるところなんて見たことないんですけど、ここってどこなんですか?」
「ん?人里の奴らだったらこんな所に迷うわけないし知らないはずがない…ということは、お前は外の世界から来たのか?」
外の世界??なんのことだ??
「外の世界ってなんです?えっと…」
「おおっと、まだ自己紹介がまだだったな、私は藤原妹紅という。妹紅とでも呼んでくれ。お前の名前も教えてくれないか?」
「はい、妹紅。でえっと僕の名前は…」
ここで少し言葉に詰まってしまう…あれ?僕の名前が思い出せない…
「ごめんなさい、思い出せないです…」
「そっか…まぁそのなんだ…これから思い出せばいいさ。名前が思い出せないってことは他にも思い出せないことがあるんじゃないのか?」
そう言われ僕は自身の記憶を探る。だが、探っても探っても何も出てこない。
「………ここに来る前の記憶が一つもないです。」
本当に何も覚えてないのだ。僕が今喋れることが不思議なくらいである。喋れるという事は、知性があるということはこれまでの知識はあるみたいなんだけど…と、僕の言ったことを聞き妹紅はとても悲しそうな顔をして
「それは辛いな…私でよければ必要最低限のことは教えてやるよ」
と、心配をしてくれた。僕に気遣う言動からして優しいとは思っていたのだがここまで世話を焼くものかと疑問にも思うのだが、
「ありがとうございます。」
と、お礼を言い、素直に妹紅の厚意を受けるのだった。
──少女説明中
「────ということはここは幻想郷ってところで外の世界とは、結界で分けられている世界ということでいいんですか?」
「まぁ、細かいとこは違うと思うが大体はそんな感じだな」
僕が幻想郷に迷った夜、僕は妹紅の家にとめてもらい幻想郷のことについて教えてもらった。妹紅はとても親切でいろいろなことを教えてくれた。
「そういえばさっき話してくれた人里のことですけど、どうして妹紅は人里に住まずにこんな竹林に暮らしているのですか?」
ふと疑問に思った。この世界に妖怪や神様なる者がいることは教えてもらったがどう考えても妹紅は人間だろう。なのになんでこのような妖怪が出そうな物騒なところにいるのだろうか。
「あー…話せば長くなるんだが…まぁ人が来ないと言ってもこの竹林に用事がある奴もいるわけだからその道案内をしているってところだな。」
んん??なんか含みのある言い方ですね、まぁ追求しても仕方ないし僕も妹紅がいなかったら危なかったし深くは聞かないでおこう…それよりも
「それって大丈夫なんですか?妹紅って人間ですよね??だったら妖怪とかに襲われたら危ないんじゃいですか?」
よく妹紅はここまで生きてこられましたね!と思うくらいには疑問に思う。
「あー、それなら問題ないぞ。私は負けることは無い。何たって不老不死だからな。」
「不老不死……??」
この時、私の中で何かが疼いた。過去の経験か何かに不老不死に関わる何かがあるのだろうか?頭の片隅が疼き、次第にそれが頭痛となる。なんだ…不老不死って、人間って何でしたっけ…うぅ、余計痛くなってきた。
「…大丈夫かー?」
「あっごめんなさい。でもすごいんですね妹紅は」
今は何も思い出せそうにない。これ以上考えても無駄だろう。時間はあるのだからこれから少しずつ考えていけばいいか。
「まぁ妖術も少し使えるから、妖怪には遅れを取らないよ。」
へぇ妖術か
「僕にも使えるかな?」
そうすると妹紅は僕を品定めするように見ながら
「うーん、お前は妖術には向いてないかな…才能の方はともかく、妖力が普通の人間並……いや、それ以下だな、もはや皆無と言っていいほどにない。」
「そうですか…」
僕の心がズタズタに引き裂かれた気分です。妖術の才能が全くないと言われたのだ。僕としてはかなりショックである。だって妖術って使えたらかっこいいじゃないですか…
「でもお前筋肉は結構ついてるよな。」
確かにそうだ。ガチムチマッチョみたいにムキムキという感じではないが腕や足が引き締まっていて筋肉はついていそうだ。その割には細いけれど…
「そうですね、…記憶なくす前は武道をしてたのかもしれないですね。」
「とりあえず今日はここまでにして寝ようかとりあえず布団は敷いておいた。」
と、妹紅が指を指した方向に一つの布団が敷かれていた。
「あれ?妹紅はどこで寝るのですか?」
「あぁ、私は壁にもたれかかりながら寝たほうが寝やすいんだ。だから私はあっちの方で寝るから。おやすみなさい。」
と言って部屋の奥の方へ引っ込んでいった。客人をもてなすのはいいけども主人もちゃんと休まなければいけないとか、小言をいう前にいなくなってしまった。。
今日1日でいろいろなことがあったな少し夜風に当たりたい気分だ。
僕は妹紅を起こさないよう慎重に小屋を出ていった。
少し歩くと泉があった。まぁ小屋が見える位置だし迷うことはないだろう。ここで少し休もうかと思い腰をかけると後ろの方から
「あら、こんなところにあいつ以外がいるなんて珍しいわね」
なんていう声がした。少しはひとりにして欲しいな…と思いながらも、
私は振り向いてみた。
そこには長い黒髪の美しい少女がいた。100人に聞けば100人が美少女と答えるような少女だ。うん、ほんとにお世辞抜きにしてもこの表現ができてしまうくらいの子だ。妹紅もかなりの美人な部類に入るのだろうけどこの人の儚さというか人の心を動かすような美貌にはかなわないなぁと思ってしまう。
「やっぱりこんな竹林に人が来るのって珍しいですか?」
「えっ…ええ、そうねこんな妖怪が出る竹林にひとりで普通の人間が出歩くなんて私が生きた中で初めて見たわ」
「あっ」
少し考えればわかることなのに、なんでこんなところに一人で来たのだろう…
それに最初少し戸惑ってたぞ…僕の顔そんなに緩んでるかな?いいじゃないですか、可愛い女の子に話しかけられたんだから少しくらい緩ませても…可愛いものは可愛いのですから。
「あなたは…人間?」
まさに絶世の美少女だから妖怪でも納得できるくらいだ。妖艶と例えるのがふさわしい容姿をしているので、少し無礼を承知で質問してみた。
「…私は人間よ。まあ、かなり特殊だけれどもね」
と彼女は慎ましくクスクスと笑う。それがまた人の庇護欲をそそる。
きっと彼女も妖術かなにかが使えるのだろう。
「そういえば、あなたの名前は何ていうのでしょうか?」
「そういうのは言った本人から名乗るべきじゃないのかしら?」
まぁ、そうなんだけれど
「ごめんなさい、僕は記憶をなくして名前がわからないんです…」
「そう…」
その時彼女はとても悲しい表情をした…とても深い…
「こちらこそごめんなさい、私の名前は蓬莱山輝夜よ」
蓬莱山………輝夜??
「ってことはあのかぐや姫ですか!?」
「そうよ!」
えへんという効果音が似合うように輝夜は胸を張る。この子は感情豊かで見ていて飽きない。可愛いし。普通にしていればクールでカッコイイけど、おちゃめな部分があって可愛さをちらっと見せるところにキュンとくる。
「へぇ…というかなんでこんな所にいるのですか?かぐや姫が…」
確か、僕の知識が正しければかぐや姫は月の住人で、最後には月に帰っていたはずである。そうでなくても大きな屋敷などに閉じこもっていてこんなにアクティブではないはずである。
「それは…えっと……そう!少しひとりで夜風に当たりたかっただけよ!」
あー、絶対外出るなって言われてても外出たくて抜け出した天真爛漫なお姫様だなこれ…これ、僕と話してる姿を従者が見たら私打ち首になるんじゃないかな…
「そ、そう…とりあえずそろそろ冷えるだろうし帰りますね…」
と、理由をつけて帰ろうとする。まだ打ち首になりたくありませんから。
「それじゃ私も帰ろうかしら。」
「そっか気をつけてくださいね。」
色々な意味で…ほんと…僕と話したとか従者にちくらないでくださいね…
「それじゃあまたどこかで」
「ええ、またいつか会いましょう。」
またいつかですか…なんだか懐かしい気がします…
次の日
どうにかあの後妹紅に気づかれないように注意して家に入りそのまま寝た。
朝起きると妹紅はもう起きていて、朝食の準備をしていた。かなり簡素な物ではあるが、そして朝食を食べ終わる頃に妹紅が
「今日は人里に行くぞ」
と言ってきたのである。
「へぇ人里ですか?何のために?」
「そりゃ、お前のこと知ってるやついないかとか、どうやって生活していくかっていうまぁ身を固めさせるためだな」
あぁ、そうか…いつまでも妹紅の世話になんてなれないし、迷惑もかけたくないですし…
「それじゃあ早速行きましょう。」
「お前って、そうゆうとこは行動力あるというか手が早いんだな。」
ということで人里に行く。はてさて、私のことがわかるかはともかく、素敵な出会いがあるといいなと思いながらも歩を進める。
初投稿でしたがいかがでしたでしょうか。昔書いた小説を再編集し投稿しています。途中までは書いています。
そして、私自身文才もなく書くまでの腰が重いため亀投稿となります。気長にお待ちいただければと思います。
あとは、警告タグの通りです。オリ主に設定を盛り込んでいますので、苦手な方はお気をつけください。
感想や評価を頂ければ嬉しくて筆が早くなるかもしれませんね(笑)